KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 警戒レベルは1〜5の5段階。市町村が出す避難情報はレベル3=高齢者等避難、レベル4=避難指示、レベル5=緊急安全確保。
  • 2021年5月20日施行の災害対策基本法の改正で避難勧告は廃止され、レベル4は避難指示に一本化された。「警戒レベル4までに必ず避難」が基本。
  • 気象庁の防災気象情報は2026年5月29日から新体系になり、レベル4に相当する情報は危険警報(例:レベル4大雨危険警報)と呼ばれる。
  • 避難指示を出すのは市町村長(災害対策基本法第60条)。洪水などのハザードマップの配布も、浸水想定区域を含む市町村の長の役割(水防法第15条第3項)。
  • 4択では「避難勧告」「レベル3で避難指示」など、古い制度やレベルの入れ替えがひっかけになりやすい。
この記事の目次
  1. 01警戒レベル1〜5で、住民は何をすればよいのか
  2. 022021年に何が変わった?避難勧告の廃止と避難指示への一本化
  3. 032026年5月からの「危険警報」は、避難指示と何が違うのか
  4. 04ハザードマップは誰が作り、何を確認するものか
  5. 05災害対策基本法では、市町村・都道府県・国はどう役割を分けているか
  6. 06例題1:警戒レベル4の避難情報を選ぶ(オリジナル4択)
  7. 07例題2:避難情報とハザードマップの正誤を判定する
  8. 08間違えたときは、どの操作を見直せばよいか
  9. 09よくある質問
  10. 10出典・参考

警戒レベル1〜5で、住民は何をすればよいのか

警戒レベルは、住民がとるべき行動を5段階で示したものです。市町村が発令する避難情報と、気象庁などが発表する防災気象情報の両方がレベルに対応づけられています。まずは「レベル → 住民の行動 → 市町村の避難情報」の3列を1行ずつ覚えてください。

警戒レベルと避難情報・防災気象情報の対応(内閣府・気象庁の資料をもとに当サイトが整理。2026年9月27日確認)
警戒レベル住民がとるべき行動市町村が発令する避難情報気象庁の主な情報(2026年5月29日〜)
5命の危険。直ちに身の安全を確保緊急安全確保レベル5特別警報、キキクル「災害切迫」(黒)
4危険な場所から全員避難避難指示レベル4危険警報、キキクル「危険」(紫)
3高齢者など避難に時間がかかる人は避難。ほかの人も準備高齢者等避難レベル3警報、キキクル「警戒」(赤)
2ハザードマップで区域・避難先・避難経路を確認(なし)レベル2注意報、キキクル「注意」(黄)
1災害への心構えを高める(なし)早期注意情報(警報級の可能性)

内閣府の資料では、レベル5は「すでに安全な避難ができず命が危険な状況」とされ、市町村が状況を確実に把握できるとは限らないことなどから、必ず発令されるものではないと説明されています。だからこそ警戒レベル4までに必ず避難が基本になります。

2021年に何が変わった?避難勧告の廃止と避難指示への一本化

令和元年東日本台風(台風第19号)などで、避難勧告と避難指示の違いが分かりにくく、避難が遅れた被害が多数あったことを受けて、避難情報が見直されました。根拠は「災害対策基本法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第30号)で、2021年5月10日公布、5月20日施行です。

2021年5月の避難情報の変更(内閣府の資料をもとに整理)
警戒レベル改正前改正後(現在)
5災害発生情報緊急安全確保
4避難勧告・避難指示(緊急)の2つ避難指示に一本化
3避難準備・高齢者等避難開始高齢者等避難

試験の選択肢に「避難勧告」が現在の制度として出てきたら、それだけで誤りを疑えます。レベル4の情報が1つになったこと、レベル5が「発生した災害の情報」から「緊急に安全を確保する指示」に変わったことの2点を押さえておきましょう。

2026年5月からの「危険警報」は、避難指示と何が違うのか

気象庁は2026年5月29日から防災気象情報の体系を新しくしました。対象は河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮の4つで、レベル5は特別警報、レベル4は危険警報、レベル3は警報、レベル2は注意報という名前でそろえ、警戒レベルとの対応を分かりやすくしたものです。気象庁は、これまで警戒レベルとの対応が複雑で分かりにくかった点を改めたと説明しています。

ここで混同しやすいのが、誰が出す情報かです。危険警報などの防災気象情報は、気象庁(河川の情報は国土交通省や都道府県と共同の場合もあります)が発表する「状況の情報」です。これに対し、避難指示は市町村長が住民に出す「行動の指示」です。同じレベル4でも、発表する主体と役割が違います。

同じ「レベル4」でも主体が違う
防災気象情報(例:レベル4大雨危険警報)避難情報(避難指示)
出す主体気象庁など市町村長
内容災害の危険がどの段階かを知らせる居住者等に避難のための立退きを指示する
根拠の例気象業務法など災害対策基本法第60条
住民の使い方避難を判断する材料発令されたら危険な場所から全員避難

ハザードマップは誰が作り、何を確認するものか

ハザードマップは、洪水・土砂災害・津波・高潮などで被害が想定される区域や、避難場所・避難経路を地図にまとめたものです。水防法第15条第3項は、浸水想定区域を含む市町村の長に対し、地域防災計画で定めた避難場所や情報の伝達方法などを住民に周知するため、印刷物の配布その他の必要な措置を講じるよう定めています。つまり、洪水ハザードマップを住民に届けるのは市町村の役割です。

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、全国の災害リスク情報を地図に重ねて見られる「重ねるハザードマップ」と、各市町村のハザードマップを探せる「わがまちハザードマップ」を使えます。警戒レベル2でとるべき行動が「ハザードマップ等で確認」とされているのは、避難の判断に必要な情報が事前に地図で確認できるからです。

  • 自宅・職場が浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っているか
  • 想定される浸水の深さと、家屋が倒壊・流失するおそれのある区域か
  • 指定緊急避難場所と、そこまでの経路(冠水しやすい道を避けられるか)
  • 区域外で安全が確保できるなら、在宅避難や親戚・知人宅への避難も選択肢になるか

災害対策基本法では、市町村・都道府県・国はどう役割を分けているか

災害対策基本法第60条第1項は、災害が発生するおそれがある場合に、市町村長が必要と認める地域の居住者等に避難のための立退きを指示できると定めています。同条第3項は、立退きがかえって危険なときに、高所への移動や近くの堅固な建物への退避などの緊急安全確保措置を指示できるとしています。市町村がほとんどの事務を行えなくなったときは、都道府県知事が代わって実施します(同条第6項)。

市町村長が指示できない場合や要求があった場合には、警察官や海上保安官も避難の指示ができます(第61条)。地域防災計画は市町村防災会議が作り、ハザードマップや避難訓練の内容もこの計画と結びついています。

国の体制では、防災庁設置法(令和8年法律第61号)が2026年7月17日に公布され、内閣官房の防災庁設置準備室が設置の準備を進めています。設置の時期などは今後の公表で確認してください。

例題1:警戒レベル4の避難情報を選ぶ(オリジナル4択)

当サイトが作成したオリジナル問題です。本番の出題を再現したものではありません。

問 現在の制度で、警戒レベル4として市町村が発令する避難情報はどれか。

1. 高齢者等避難  2. 避難指示  3. 避難勧告  4. 緊急安全確保

例題1の解答と各選択肢の判定
選択肢判定理由
1誤り警戒レベル3の避難情報。避難に時間がかかる人が避難する段階
2正解2021年5月の改正で、レベル4は避難指示に一本化された
3誤り2021年5月の改正で廃止された。以前はレベル4に避難勧告と避難指示が並んでいた
4誤り警戒レベル5の避難情報。必ず発令されるものではない

持ち帰り:「勧告」という語は現行の避難情報にはありません。見つけた時点で除外し、残りはレベルの数字だけで判定できます。

例題2:避難情報とハザードマップの正誤を判定する

問 次の記述ア・イの正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

ア 警戒レベル3では、市町村から避難指示が発令され、危険な場所にいる人は全員が避難する。

イ 水防法では、浸水想定区域を含む市町村の長が、避難場所などの事項を住民等に周知させるため、印刷物の配布その他の必要な措置を講じることとされている。

1. ア…正 イ…正  2. ア…正 イ…誤  3. ア…誤 イ…正  4. ア…誤 イ…誤

例題2の判定
記述判定理由
ア誤避難指示と全員避難はレベル4。レベル3は高齢者等避難
イ正水防法第15条第3項の内容。洪水ハザードマップの配布などがこれにあたる

正解は 3(ア…誤 イ…正)。アは行動の説明(全員避難)とレベルの数字(3)がずれています。

1分でできる時短のコツ:警戒レベルの問題は「3=高齢者等、4=全員、5=命を守る」の3語で覚え、記述の中の数字と行動が対応しているかだけを見ます。制度の経緯を思い出すより速く判定できます。

間違えたときは、どの操作を見直せばよいか

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
避難勧告を今もある情報だと思っている2021年5月20日施行の改正で廃止されたことを確認する
レベル3と4の行動を取り違える「3=高齢者等、4=全員」と対応を声に出す
危険警報と避難指示を同じものと思う出す主体(気象庁か市町村長か)を表で確認する
ハザードマップの作成主体があいまい水防法第15条第3項の「市町村の長」を確認する
レベル5を待ってから避難すると考えるレベル5は必ず発令されるものではないと確認する

台風や梅雨の気圧配置は西高東低などの気圧配置の見分け方、災害と気象の全体像は防災と気象のまとめで整理しています。地方自治の制度とあわせて見直すなら地方自治のまとめも参考になります。

覚えた知識を4択で使えるかは、登録不要の無料お試し10問で確かめられます。社会情勢を含む4分野の問題と解説を、そのまま確認できます。

Q & A

よくある質問

Q.避難勧告はいつなくなりましたか?

災害対策基本法等の一部を改正する法律(令和3年法律第30号)の施行により、2021年5月20日から避難勧告は廃止され、警戒レベル4の避難情報は避難指示に一本化されました。

Q.避難指示が出たら、必ず避難所に行かなければいけませんか?

内閣府の考え方では、避難とは「難」を避けることで、ハザードマップで安全が確認できれば在宅避難や親戚・知人宅への避難も選択肢になります。自宅が危険な区域にある場合は、危険な場所から離れることが基本です。

Q.危険警報とは何ですか?

2026年5月29日から気象庁が運用している新しい防災気象情報の名前で、警戒レベル4に相当します(例:レベル4大雨危険警報)。避難指示とは別の情報で、避難指示は市町村長が発令します。

Q.警戒レベル5の緊急安全確保は必ず発令されますか?

内閣府は、市町村が災害の状況を確実に把握できるとは限らないことなどから、必ず発令されるものではないとしています。レベル4までに避難を終えることが基本です。

出典・参考

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