KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 職務基礎力試験(BEST)は、公益財団法人 日本人事試験研究センターが2024年4月から提供している公的部門向けの筆記試験です。
  • 能力を見る BEST-A(職務能力試験・60題・1時間) と、性格面を見る BEST-P(職務適応性検査・150項目・20分) の2つで構成されます。
  • BEST-Aは論理・文章・資料・社会情勢の基礎的な出題です。センターは「特別な対策や勉強は不要」としていますが、1問あたり平均1分のペースには慣れが要ります。
  • 結果はIRTスコア(全国の受験者の平均的な能力が50)で示され、合格ラインは自治体が決めます。最初の一手は、募集要項で方式を確かめ、時間を計って1回解くことです。
この記事の目次
  1. 01職務基礎力試験(BEST)とはどんな試験?
  2. 02BEST-Aでは何が出る?4分野の中身
  3. 0360問60分はどれくらい忙しい?
  4. 04BEST-Pは何を見る検査?
  5. 05採点はどうなる?IRTスコアと合格ライン
  6. 06自分の試験がBESTか、募集要項のどこで確かめる?
  7. 07何から始める?最初の1週間にやること
  8. 08解いた後は、止まったところから何を読む?
  9. 09よくある質問
  10. 10出典・参考
4分野をひと目で当サイトの本番形式模試:60問・60分
論理的思考12問
資料分析6問
文章理解18問
社会情勢24問

当サイトの模試の配分です。公式が公表した分野別の出題数ではありません。

職務基礎力試験(BEST)とはどんな試験?

職務基礎力試験(BEST:Battery of Essential Skills Tests)は、自治体などの公的部門が職員採用で使う筆記試験です。問題を作っているのは公益財団法人 日本人事試験研究センターで、各自治体はセンターから問題の提供を受け、自分たちの採用試験の一部として実施します。センターの案内では、公務員試験の勉強をしていない民間企業との併願者や社会人も受けやすい試験と位置づけられています。

受験案内には「職務基礎力試験(BEST)」「職務能力試験(BEST-A)」「職務適応性検査(BEST-P)」のように書かれます。自治体によっては「職務基礎能力試験」など少し違う表記を使うこともあるので、名前だけでなく問題数と時間もあわせて確認します。

日本人事試験研究センターの公式ページで2026年9月27日に確認
項目公式情報で確認できる内容
提供元公益財団法人 日本人事試験研究センター
提供開始2024年4月
構成職務能力試験(BEST-A)と職務適応性検査(BEST-P)
BEST-A60題・1時間。論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等を確認する基礎的な出題
BEST-P150項目・20分。性格傾向の特徴とストレス耐性参考情報を、面接の参考資料として示す
実施方式マークシート方式とテストセンター方式(BEST-A・BEST-Pともに対応)
結果の表示BEST-AはIRTスコア。全国の受験者の平均的な能力が50として表示される
利用の目安提供科目一覧ではBEST-Aの対象が「すべての方」

BEST-Aでは何が出る?4分野の中身

センターはBEST-Aの出題内容を、論理的に思考する力・文章を正確に理解する力・統計等の資料を分析する力・国内外の社会情勢への理解等の4つで説明しています。社会情勢については、社会常識や義務教育で学んだことなどの基礎知識と、ニュース等で報道された内容が出題されるとしています。

公式の例題ページには、地方行政の制度、国際情勢、高齢化の統計、数値を含む短い説明文、英文、年齢の順序、割引の計算、表とグラフの読み取りといった例が並んでいます。どれも1問ずつは長くありませんが、分野が次々に切り替わるのが特徴です。

例題の形は公式例題ページ(2026年9月27日確認)から当サイトが分類したもの。本番の出題数や頻度を示すものではありません
分野(当サイトの呼び方)公式の説明例題に見られる形練習の入口
論理的思考論理的に思考する力条件から順序を確定する、割合の計算論理の解き方まとめ
資料分析統計等の資料を分析する力表の合計や差、2つのグラフの組み合わせ資料解釈のコツ
文章理解文章を正確に理解する力数値の入った説明文、短い英文文章理解の解き方まとめ
社会情勢国内外の社会情勢への理解等地方自治の制度、国際、統計社会情勢の範囲の目安

分野ごとの問題数は公式には公表されていません。市販の予想問題集などでは、30問のまとまり(論理6・資料3・文章9・社会12)が2回くり返される構成として紹介されており、当サイトの模試もこの並びで作っています。詳しくは出題順と分野別の問題数で整理しています。

60問60分はどれくらい忙しい?

BEST-Aの難しさは、1問の難度よりもペースにあります。60分で60題なので、平均すると1問1分です。知識で即答できる問題で時間を貯め、条件整理や計算が要る問題に回す、という配分を決めておかないと後半で時間が足りなくなります。

次の表は、時間の使い方の違いで何が起きるかを比べた当サイトの試算です。実際の所要時間は人によって違いますが、「1問で3分止まる」が数回あるだけで最後の数問が塗れなくなることが分かります。

当サイトの説明用の試算。本番の問題構成や所要時間を示すものではありません
ケース時間の使い方(試算)60分で起きること
A:配分を決めている知識問題は平均40秒、それ以外は平均70秒程度社会24問・それ以外36問とすると合計約58分。最後まで解けるが、見直しは2分ほどしか残らない
B:難問に粘る論理の問題で3分かかる場面が4回ある約8分の超過になり、最後の数問を当て推量で塗ることになる
C:知識問題で迷う覚えていない問題で毎回1分半考える迷った時間の合計が大きくなり、後半の論理・資料が駆け足になる

分野別の目安時間と、30問目の通過タイムの決め方は60問60分の時間配分にまとめています。

BEST-Pは何を見る検査?

BEST-P(職務適応性検査)は、性格傾向の特徴から公的な仕事への適応性を見る検査で、150項目を20分で答えます。センターの説明では、これまでの社会人基礎試験の職務適応性検査を改訂して開発したもので、結果は個人別プロフィールとして自治体に渡され、性格傾向の特徴とストレス耐性参考情報、それにもとづく面接での参考質問例が示されます。

能力試験のような正解はなく、センターはBEST-Aとセットで使うよう案内しています。受験案内にBEST-Aだけが書かれている自治体もあります。違いはBEST-AとBEST-Pの違い、答え方の考え方はBEST-Pの記事で説明しています。

採点はどうなる?IRTスコアと合格ライン

BEST-Aの結果は、正解数をそのまま点にするのではなく、IRT(項目反応理論)にもとづくIRTスコアで示されます。センターによると、同じ年度内であれば、異なる試験日に異なる問題を受けた人どうしでも能力を比べられ、全国の受験者の平均的な能力が50として表示されます。正解した題数が同じでも、どの問題に正解したかによってスコアが違うことがあるとも説明されています。

合格ラインは試験の提供元ではなく、各自治体が面接や論文との組み合わせの中で決めます。基準点を公表している例は多くありません。受験者にできることは変わらず、1問でも多く正解することです。仕組みはIRTスコアの記事、目標の立て方は何割取れば合格かの記事を参照してください。

自分の試験がBESTか、募集要項のどこで確かめる?

同じ「社会人採用」でも、筆記はBEST、SPI、SCOA、教養試験など自治体によって違います。対策の方向が変わるので、最初に募集要項(受験案内)で次の点を確認してください。

  • 試験の名前:「職務基礎力試験(BEST)」「職務能力試験(BEST-A)」「職務適応性検査(BEST-P)」などの表記があるか
  • 問題数と時間:「60題(60問)・60分」と書かれているか。センターの教養試験は40題で90分または120分です
  • 実施方式:会場で一斉に受けるのか、受験期間内にテストセンターを予約するのか
  • BEST-Pの有無:性格検査も課されるか、面接の資料になるか
  • 筆記以外の試験:論文・作文・面接の回数と配点の考え方
  • 配慮申請:障がいなどで受験上の配慮が必要な場合の申し出方法と期限

表記の見分け方は受験案内でBESTかどうか見分ける方法、公式ページで確認できた実施例はBESTを実施する自治体まとめにあります。

何から始める?最初の1週間にやること

  1. 募集要項で、試験日(または受験期間)・方式・BEST-Pの有無を書き出す。
  2. 本番と同じ4分野の問題を、時計を置いて解く。正解数よりも「どの分野で何分止まったか」を記録する。
  3. 止まった理由を「知識がない」「条件を整理できない」「計算が遅い」「読み落とし」のどれかに分ける。
  4. 問題数の多い社会情勢から知識を固め、論理・資料は解き方の型を1つずつ覚える。
  5. 週末に時間を計って通しで解き、時間配分を自分用に調整する。

2の手始めには、登録不要で4分野を解ける無料お試し10問が使えます。

解いた後は、止まったところから何を読む?

最初の1回で止まったところに合わせて、次に読む記事や練習する単元を選んでください。すべての記事を順番に読む必要はありません。

止まったところ次に読む・練習する
社会情勢の範囲が広すぎて手が付かない社会情勢の範囲の目安と地方自治のまとめ
論理の条件を頭の中で追ってしまう対応表の作り方、順序関係の解き方
資料の計算に時間がかかる概算のコツ
勉強時間が取れない勉強時間と1か月の計画表、通勤時間の使い方
SPIや教養試験と併願するSPIとの違い、教養試験との違い

Q & A

よくある質問

Q.BESTは誰でも受けられますか?

受験資格は試験ではなく自治体の募集区分で決まります。年齢や職務経験などの条件は、受験する自治体の受験案内を確認してください。

Q.BEST-Aだけで合否が決まりますか?

多くの自治体では筆記試験のほかに面接や論文などがあります。筆記の結果をどう使うか(足切りか、総合点に入れるか)は自治体ごとに違います。

Q.問題は何択ですか?

公式の例題はすべて4つの選択肢から1つを選ぶ形式です。

Q.本当に勉強しなくても大丈夫ですか?

センターは基礎的な内容なので特別な対策や勉強は不要としています。ただし60題を60分で解くペースに慣れているかどうかで実力の出し方が変わるため、形式を知って時間を計って1回解いておくと安心です。

Q.前の社会人基礎試験やLightの本は使えますか?

論理・資料・文章の練習には一部使えますが、社会情勢は古い情報が混ざります。違いは前身試験との比較で整理しています。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む