KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 生成AIは、学習したデータをもとに文章・画像・音声などを新しく作り出すAI。文章を扱う中心は大規模言語モデル(LLM)。
  • プロンプト=AIへの指示文、ハルシネーション=もっともらしい誤りの出力、RAG=検索した文書を根拠に回答するしくみ。用語と意味の入れ替えが定番のひっかけ。
  • AI推進法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)は2025年5月28日成立、6月4日公布、9月1日全面施行。規制より推進が主な目的。
  • 2025年12月23日に初の人工知能基本計画が閣議決定され、2026年7月14日には新しい計画が閣議決定された。デジタル庁の行政向け生成AIガイドラインは2026年6月12日に第2.0版へ改定(2026年9月27日確認)。
  • 行政で使うときは、個人情報を入力しない・出力を人が確認する・責任は組織が負う、が共通の注意点。
この記事の目次
  1. 01生成AIとは?これまでのAIと何が違うのか
  2. 02生成AIでよく使われる用語は?意味を一覧で確認する
  3. 03ハルシネーション・プロンプト・RAGは、どう区別するか
  4. 04ディープフェイクには、どんな問題があるのか
  5. 05AI推進法と人工知能基本計画は、何を定めているのか
  6. 06行政で生成AIを使うとき、何に注意するのか
  7. 07例題1:説明に合う用語を選ぶ(オリジナル4択)
  8. 08例題2:AI推進法とRAGの正誤を判定する
  9. 09間違えたときは、どの操作を見直せばよいか
  10. 10よくある質問
  11. 11出典・参考

生成AIとは?これまでのAIと何が違うのか

生成AIは、大量のデータから学習し、指示に応じて文章・画像・音声・プログラムなどを新しく作り出すAIです。これまで広く使われてきたAIが、画像の分類や需要の予測のように「判別する」「予測する」ことを得意としていたのに対し、生成AIは「作る」ことができる点が大きな違いです。

行政でも、文書の下書き、会議録の要約、問い合わせ対応の補助などで活用が広がっています。一方で、誤った情報の出力、個人情報の扱い、著作権との関係など、使い方のルールづくりが時事のテーマになっています。

生成AIでよく使われる用語は?意味を一覧で確認する

次の一覧の用語は、ニュースや行政の資料でよく使われるものです。右端の「覚え方」だけでも、選択肢の入れ替えに気づけます。

生成AIの基本用語(当サイトが一般的な意味を整理)
用語意味覚え方
大規模言語モデル(LLM)膨大な文章データで学習し、文章の続きを予測することで、自然な文章を作ったり質問に答えたりするモデル文章系生成AIの中身
プロンプト生成AIに与える指示や質問の文。目的・条件・出力の形を具体的に書くと、ねらいに近い結果が得やすい人 → AI への指示
ハルシネーションAIが事実と異なる内容を、もっともらしく出力する現象。存在しない法律や数値を示すこともあるAI → 人 へのもっともらしい誤り
RAG(検索拡張生成)回答の前に、指定した文書やデータベースを検索し、その内容をもとに答えを作るしくみ調べてから答える
ディープフェイクAIで作られた、本物そっくりの偽の画像・動画・音声偽物(フェイク)
学習データAIを訓練するために使うデータ。偏りがあると出力にも偏りが出ることがあるAIの教材

ハルシネーション・プロンプト・RAGは、どう区別するか

この3つは、生成AIの問題で最も混同しやすい組合せです。情報の流れの向きで区別すると整理できます。プロンプトは人からAIへの入力、ハルシネーションはAIから人への誤った出力、RAGはAIが答える前に外部の文書を参照するしくみです。

RAGを使うと、根拠になる文書にもとづいて回答するため、誤りを減らしやすく、根拠も示しやすくなります。ただし、参照した文書そのものが古かったり誤っていたりすれば、回答も誤ります。RAGを使えばハルシネーションがなくなるという記述は言い過ぎです。

混同しやすい組合せの見分け方
取り違えやすい組合せ見分けるポイント
プロンプト と ハルシネーション入力(指示)か、出力(誤り)か
ハルシネーション と ディープフェイクAIが意図せず誤るか、人が意図して偽物を作るか
RAG と 学習データ回答のたびに検索して参照するか、事前の訓練に使うか
生成AI と 従来のAI作り出すか、判別・予測するか

ディープフェイクには、どんな問題があるのか

ディープフェイクは、AIの深層学習(ディープラーニング)と「フェイク(偽物)」を組み合わせた言葉です。実在の人物が言っていないことを言っているように見せる偽動画、家族の声をまねた詐欺電話、本人の同意のない画像の作成などが社会問題になっています。

見分けるときの基本は、発信元が公式かどうか、同じ内容を信頼できる報道や公式発表で確認できるか、を確かめることです。災害時に偽の画像が拡散されることもあり、自治体にとっては正確な情報を速く発信することの重要性が高まっています。

AI推進法と人工知能基本計画は、何を定めているのか

「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和7年法律第53号、いわゆるAI推進法・AI法)は、2025年5月28日に参議院本会議で可決・成立し、6月4日に公布されました。内閣府によれば、公布と同時に一部が施行され、9月1日に全面施行されています。AIに関する日本で初めての基本的な法律です。

この法律は、罰則で事業者を規制することより、AIの研究開発と活用を推進することを主な目的としています。内閣に人工知能戦略本部を置き、政府が人工知能基本計画を定めること、国・地方公共団体・研究開発機関・活用事業者・国民それぞれの責務などを定めています。この法律にもとづく初の人工知能基本計画は、2025年12月23日に閣議決定されました。その後、2026年7月14日に新しい人工知能基本計画が閣議決定され、内閣府のページでは2025年12月の計画が「過去の人工知能基本計画」として並べて掲載されています。

AI推進法と関連する動き(内閣府・デジタル庁の公表による。2026年9月27日確認)
時期出来事
2025年5月27日デジタル庁が行政向けの生成AIガイドラインを策定
2025年5月28日AI推進法が成立
2025年6月4日AI推進法を公布(一部施行)
2025年9月1日AI推進法が全面施行
2025年12月23日人工知能基本計画を閣議決定
2026年6月12日デジタル庁が生成AIガイドラインを第2.0版に改定
2026年7月14日新しい人工知能基本計画を閣議決定

行政で生成AIを使うとき、何に注意するのか

デジタル庁の「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」は、政府機関が生成AIを調達・利用するときのルールを示したものです。2025年5月27日に策定され、技術や利用場面の広がり、国内外の制度の動きをふまえて2026年6月12日に第2.0版に改定されました。リスクを管理しながら活用を進めるという考え方です。

自治体でも、独自の利用ルールを定めて生成AIを使うところが増えています。ルールの細部は団体ごとに違いますが、共通する注意点は次のとおりです。

  1. 個人情報や非公開の情報を、外部のサービスにそのまま入力しない。
  2. 出力には誤り(ハルシネーション)がありうる前提で、職員が事実を確認する。
  3. 最終的な判断と文書の責任は、AIではなく職員・組織が負う。
  4. 必要に応じて、AIを使って作成したことを明示する。

著作権については、文化庁の文化審議会著作権分科会法制度小委員会が2024年3月に「AIと著作権に関する考え方について」をまとめ、AIの開発・学習の段階と、生成・利用の段階を分けて考え方を示しています。生成物が既存の作品とよく似ている場合は、著作権侵害になるおそれがある点に注意が必要です。

例題1:説明に合う用語を選ぶ(オリジナル4択)

当サイトが作成したオリジナル問題です。本番の出題を再現したものではありません。

問 「生成AIが、実在しない統計の数値や存在しない法律を、あたかも正しいかのように回答してしまうこと」を表す用語として、最も適切なものはどれか。

1. プロンプト  2. RAG  3. ハルシネーション  4. ディープフェイク

例題1の解答と各選択肢の判定
選択肢判定理由
1誤り人がAIに与える指示文。AIの出力の誤りを指す言葉ではない
2誤り検索した文書をもとに答えるしくみ。誤りを減らす工夫の一つ
3正解AIがもっともらしい誤りを出力する現象の説明と一致する
4誤り人が意図して作る本物そっくりの偽の画像・動画・音声

持ち帰り:説明文に「意図せず」「もっともらしく」の要素があればハルシネーション、「本物そっくり」「偽の動画」ならディープフェイク、と作り手の意図で分けます。

例題2:AI推進法とRAGの正誤を判定する

問 次の記述ア・イの正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

ア 2025年に成立したAI推進法は、AIの研究開発と活用の推進を主な目的とし、内閣に人工知能戦略本部を置くことなどを定めている。

イ RAGとは、利用者が生成AIに入力する指示や質問の文のことで、条件を具体的に書くほど望む結果が得やすい。

1. ア…正 イ…正  2. ア…正 イ…誤  3. ア…誤 イ…正  4. ア…誤 イ…誤

例題2の判定
記述判定理由
ア正2025年5月28日成立。推進を目的とし、人工知能戦略本部や人工知能基本計画を定める
イ誤説明はプロンプトのもの。RAGは回答の前に文書を検索し、その内容をもとに答えるしくみ

正解は 2(ア…正 イ…誤)。イは後半の「条件を具体的に書くほど」まで正しい内容なので、主語の用語名が入れ替わっていることに気づけるかがポイントです。

1分でできる時短のコツ:用語の正誤問題は、説明の内容より先に「主語の用語名」と「説明の中身」が対応しているかだけを確認します。説明自体が正しくても、主語が違えば誤りです。

間違えたときは、どの操作を見直せばよいか

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
プロンプトとハルシネーションを逆にする入力か出力か、情報の流れの向きで確認する
RAGで誤りがなくなると思う参照先が誤れば回答も誤る、と確認する
AI推進法を規制の法律と思う目的は「推進」、罰則中心ではないと確認する
成立・公布・施行の日を混同する5月28日成立・6月4日公布・9月1日全面施行を表で確認する
ガイドラインの版が古いまま第2.0版(2026年6月12日)を確認日とセットで覚える

情報分野のほかの用語は情報セキュリティ用語の一覧、SSD・HDDなど記憶媒体の違い、bpsと4K・8Kの計算で整理しています。2026年の時事全体は2026年の時事のまとめが入口です。

用語の入れ替えを見抜けるかは、登録不要の無料お試し10問で試せます。4分野の問題に、全問の解説が付いています。

Q & A

よくある質問

Q.AI推進法には罰則がありますか?

AI推進法は研究開発と活用の推進を主な目的とする法律で、事業者に罰則を科すことを中心とした法律ではありません。人工知能戦略本部の設置、人工知能基本計画の策定、関係者の責務などを定めています。

Q.RAGを使えばハルシネーションはなくなりますか?

なくなるわけではありません。検索した文書にもとづいて答えるので誤りを減らしやすくなりますが、参照先の誤りや読み違えも起こりえます。人による確認は引き続き必要です。

Q.生成AIの用語は、どこまで覚えればよいですか?

出題範囲は公表されていないため断定はできません。この記事の一覧にある6つの用語の意味と、AI推進法の成立年・目的を押さえておくのが一つの目安です。

Q.自治体の職員は、仕事で生成AIを使ってよいのですか?

使えるかどうかや使い方は、各自治体が定めるルールによります。多くのルールでは、個人情報を入力しない、出力を職員が確認するといった条件のもとで利用を認めています。

出典・参考

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