KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 安全保障理事会は15か国。常任理事国はアメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の5か国で、任期はない。
  • 非常任理事国は10か国で、総会で選ばれ任期は2年。任期を終えた国はすぐに再選されることはできない(国連憲章第23条)。
  • 実質事項は、常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成で決まる。常任理事国が1か国でも反対すれば成立しない=拒否権。手続事項は9理事国の賛成で決まり、拒否権は及ばない(第27条)。
  • 日本は非常任理事国に12回選ばれ、加盟国の中で最多(直近は2023〜2024年)。
この記事の目次
  1. 01常任理事国と非常任理事国はどう違う?
  2. 02拒否権はどんなときに使える?
  3. 03安保理が決められる措置にはどんなものがある?
  4. 04総会との関係で押さえることは?
  5. 05日本と安保理の関係は?
  6. 06混同しやすいポイントは?
  7. 07確認問題2問
  8. 08よくある質問
  9. 09出典・参考

常任理事国と非常任理事国はどう違う?

安全保障理事会(安保理)は、国際の平和と安全の維持に主な責任を負う国連の主要機関です。国連憲章第25条により、加盟国は安保理の決定を受諾し履行することに同意しており、加盟国を拘束する決定ができる点で総会と大きく異なります。

安保理の理事国は、立場の違う2種類に分かれます。社会情勢の問題では、この2種類の違いを入れ替えた選択肢で迷いやすいので、表で違いを整理しておきます。

常任理事国と非常任理事国の違い(国連憲章第23条・第27条をもとに本サイト作成、2026年9月27日確認)
比べる点常任理事国非常任理事国
国の数5か国10か国
国名アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国総会で選ばれた国(毎年半数の5か国ずつ改選)
選び方憲章で定められている(選挙はない)総会で選出。国連への貢献と地理的な配分に考慮する
任期なし(常任)2年。任期終了後すぐの再選はできない
拒否権実質事項について持つ持たない

発足当初の安保理は11か国(非常任理事国6か国)でしたが、1965年に発効した憲章の改正で15か国(非常任理事国10か国)に増えました。古い資料の「11か国」と取り違えないようにしてください。

拒否権はどんなときに使える?

国連憲章第27条は、安保理の各理事国が1個の投票権を持つとしたうえで、議決の方法を2つに分けています。

安保理の議決方法(国連憲章第27条をもとに本サイト作成)
事項決まる条件拒否権
手続事項(会議の進め方など)9理事国の賛成及ばない
その他の事項(実質事項)常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成常任理事国が1か国でも反対すれば成立しない

拒否権という言葉は憲章には書かれていません。実質事項に「常任理事国の同意投票」が必要とされているため、常任理事国の反対票が事実上の拒否権になる、というしくみです。なお、常任理事国が棄権した場合は反対とはみなさない慣行が定着しています。

また、紛争の平和的解決に関する決定では、紛争の当事国である理事国は投票を棄権しなければならないと定められています(第27条第3項)。

安保理が決められる措置にはどんなものがある?

安保理の権限は、国連憲章の第6章(紛争の平和的解決)と第7章(平和に対する脅威・侵略行為に関する行動)に定められています。措置の強さの順に整理すると、選択肢の正誤を判断しやすくなります。

安保理の措置の段階(国連憲章をもとに本サイト作成、2026年9月27日確認)
段階憲章の根拠内容の例
平和的解決の勧告第6章(第33条〜第38条)交渉・仲介・調停・司法的解決などを当事国に促す
非軍事的措置第7章 第41条経済関係・交通・通信の中断、外交関係の断絶(いわゆる経済制裁など)
軍事的措置第7章 第42条第41条の措置では不十分な場合の、陸海空軍による行動

国連平和維持活動(PKO)は、憲章に直接の規定がなく、第6章と第7章の間に位置づけられる活動として「6章半」と呼ばれることがあります。「経済制裁は第41条、軍事的措置は第42条」と、条文の番号とセットで覚えておくと、法制度の問題にも対応できます。

総会との関係で押さえることは?

  • 非常任理事国の選挙は総会で行われ、国連憲章第18条の「重要問題」として、出席し投票する構成国の3分の2の多数が必要です。
  • 事務総長の任命は、安保理の勧告に基づいて総会が行います(第97条)。
  • 新しい加盟国の承認も、安保理の勧告に基づき総会が決定します(第4条)。常任理事国が反対すれば勧告できないため、加盟にも拒否権が関係します。

総会と安保理の議決の違い、6つの主要機関の全体像は国連のしくみで比較表にしています。

日本と安保理の関係は?

日本は1956年12月18日に国連に加盟して以来、非常任理事国に12回選ばれており、これは加盟国の中で最多です。直近の任期は2023〜2024年の2年間でした(国連広報センター、2026年9月27日確認)。2026年の非常任理事国には日本は入っていません。

日本は、安保理の構成を現在の国際社会に合わせて見直す安保理改革を主張しています。常任理事国の数を増やすかどうかなどは各国の意見が分かれており、実現には憲章の改正(総会の3分の2の賛成と、常任理事国すべてを含む加盟国の3分の2の批准:第108条)が必要です。

混同しやすいポイントは?

安保理で混同しやすい点(本サイト作成)
混同しやすいこと正しい整理
常任理事国にG7の国がすべて入っている入っているのはアメリカ・イギリス・フランスの3か国だけ。日本・ドイツ・イタリア・カナダは常任理事国ではない
非常任理事国も拒否権を持つ拒否権は常任理事国だけ
非常任理事国は連続で務められる任期終了後すぐの再選はできない
手続事項にも拒否権がある手続事項は9理事国の賛成で決まり、拒否権は及ばない
常任理事国の棄権=拒否権の行使棄権は反対とみなさない慣行がある
憲章の国名=現在の常任理事国憲章には「中華民国」「ソヴィエト社会主義共和国連邦」と書かれたまま。現在は中華人民共和国とロシアが席を占める

1行目のように、他の国際的な枠組みの参加国と混ぜた選択肢にも注意が必要です。G7の参加国はG7とG20の違いで確認しておくと、取り違えを防げます。WHOやIAEAなど、安保理と並んで問われやすい国際機関の略語は国際機関の略語一覧、東南アジアの地域協力はASEAN加盟国一覧にまとめています。

確認問題2問

【問1】国連安全保障理事会の説明として、正しいものはどれか。

  1. 常任理事国は、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・日本の5か国である。
  2. 手続事項の決定にも、常任理事国の拒否権が及ぶ。
  3. 非常任理事国は、任期を終えた後、続けてすぐに再選されることができる。
  4. 非常任理事国は総会で選ばれ、任期は2年である。
確認問題の解説(本サイト作成の独自問題)
問題正解解説
問141:日本ではなく中国。2:手続事項は9理事国の賛成で決まり、拒否権は及ばない。3:任期終了後すぐの再選はできない(第23条)
問21アは第27条のとおりで正しい。イも正しく、日本は12回選ばれ加盟国の中で最多(2026年9月27日確認)

安保理の問題は、数字(15・5・10・2年・9)と国名を正確に覚えていれば短時間で解けます。4択の形で確かめたい方は、登録不要の無料お試し10問で社会情勢を含む4分野の問題を解けます。

Q & A

よくある質問

Q.拒否権で安保理が動けないときは、どうなるのですか。

1950年に総会で採択された「平和のための結集」決議により、常任理事国の意見が一致せず安保理が責任を果たせない場合、総会が問題を審議して加盟国に勧告できるしくみがあります。緊急特別総会はこの決議に基づいて開かれるものです。ただし総会の勧告には、安保理の決定のような拘束力はありません。

Q.安保理の数字を短時間で覚えるには?

「15・5・10・2・9」の5つの数字を、理事国15、常任5、非常任10、任期2年、議決9か国と対応させて覚えます。そのうえで「非常任は連続再選なし」「手続事項に拒否権なし」の2つの例外を加えると、選択肢の多くを判定できます。

Q.常任理事国の覚え方はありますか。

第二次世界大戦の主な戦勝国(連合国)と覚えるのが一般的です。アメリカ・イギリス・フランス・ロシア(旧ソ連)・中国の5か国で、いずれも核兵器を保有する国でもあります。

Q.非常任理事国はどう選ばれますか。

国連総会の選挙で、毎年5か国ずつ(任期2年の半数)選ばれます。選出には出席し投票する構成国の3分の2の多数が必要で、地理的な配分も考慮されます。

Q.拒否権は何回使われてもよいのですか。

憲章上、回数の制限はありません。拒否権のあり方は安保理改革の論点の一つになっています。

Q.日本は今、安保理の理事国ですか。

2026年の非常任理事国には入っていません。直近の任期は2023〜2024年でした(国連広報センター、2026年9月27日確認)。最新の構成は国連広報センターの「国連主要機関メンバー」で確認できます。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む