KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 1ドル100円が150円になるのは「円安」。1ドルを買うのに多くの円が必要=円の価値が下がった、と読む。
  • 円安は輸出企業に追い風、輸入品は値上がり。円高はその逆で、輸入品や海外旅行が割安になる。
  • 物価が上がり続けるのがインフレ、下がり続けるのがデフレ。物価は総務省統計局の消費者物価指数(CPI)で見る。
  • 2025年平均のCPIは総合が前年比3.2%上昇、生鮮食品を除く総合が3.1%上昇(2020年基準、2026年1月23日公表)。
この記事の目次
  1. 01円安・円高はどう見分ける?「1ドル=〇円」の読み方
  2. 02円安・円高の影響を判断する手順
  3. 03インフレ・デフレとは?似た用語の違い
  4. 04消費者物価指数(CPI)はどう読む?
  5. 05練習問題1:円高の影響として正しいのは?
  6. 06練習問題2:消費者物価指数の記述の正誤は?
  7. 07つまずいたときは何を確認する?
  8. 08よくある質問
  9. 09出典・参考

円安・円高はどう見分ける?「1ドル=〇円」の読み方

為替レートの「1ドル=〇円」は、1ドルを手に入れるのに何円払う必要があるかを表しています。1ドル100円から150円になると、同じ1ドルに50円多く払う必要があります。円の価値が下がったので、これは円安(ドル高)です。

数字が大きくなると「円が高くなった」と感じやすいのですが、逆です。迷ったら「1ドルの品物を買うのに、円をたくさん払うようになった=円が弱くなった」と言い換えてください。

向きの判定(数字は説明用の例)
変化呼び方円の価値
1ドル100円 → 150円円安・ドル高下がった
1ドル150円 → 100円円高・ドル安上がった
1ユーロ170円 → 160円円高・ユーロ安上がった
1円=0.01ドル → 0.008ドル円安(1円で買えるドルが減った)下がった

最後の行のように「1円=何ドル」で表すと、数字が小さくなるほど円安です。表し方が逆になると向きも逆になるので、何を1とした表し方かを先に確認しましょう。

円安・円高の影響を判断する手順

影響の問題は、次の3段階で考えると、覚えていなくても答えを組み立てられます。

  1. 向きを確定する:1ドルあたりの円が増えたら円安、減ったら円高
  2. 取引の向きを決める:日本から売る(輸出)か、海外から買う(輸入)か
  3. 同じドル価格のまま、円に直した金額が増えるか減るかを計算する
  4. 増えるなら受け取る側に有利・払う側に不利、減るならその逆と判断する
計算で確かめる影響(数字は説明用の例)
場面1ドル100円のとき1ドル150円(円安)のとき判断
300万円の車を輸出(海外での価格)3万ドル2万ドル海外で安く売れる → 輸出企業に有利
2万ドルで売れた代金を円に戻す200万円300万円受取額が増える → 輸出企業に有利
1バレル80ドルの原油を輸入8,000円1万2,000円支払いが増える → 輸入品が値上がり
日本人が現地で100ドルの買い物1万円1万5,000円海外旅行の負担が増える

円安で有利になりやすいのは、輸出企業、海外で稼いだ利益を円に戻す企業、訪日外国人の受け入れ(日本での買い物が割安になる)です。不利になりやすいのは、輸入企業、輸入品を買う家計、海外旅行をする日本人です。円高ではこの関係がそのまま逆になります。円高が長く続いた時期には、工場を海外に移す動き(産業の空洞化)が問題になりました。

インフレ・デフレとは?似た用語の違い

インフレ(インフレーション)は、モノやサービスの値段が全体として上がり続けることです。同じ1万円で買える量が減るので、お金の価値が下がると言い換えられます。反対に、物価が全体として下がり続けるのがデフレ(デフレーション)です。

円安は輸入品の円での値段を押し上げるので、物価を上げる方向に働きます。為替と物価は別の話ではなく、「円安 → 輸入物価の上昇 → 国内の物価の上昇」という形でつながっています。

物価の用語
用語意味お金の価値
インフレ物価が全体として上がり続ける下がる
デフレ物価が全体として下がり続ける上がる
スタグフレーション景気の停滞と物価の上昇が同時に起きる下がる
デフレスパイラル物価の下落と景気の悪化が互いに強め合って続く上がるが、所得も減る

「スタグフレーション=景気が悪いのに物価が上がる」と「デフレスパイラル=物価下落と景気悪化の悪循環」は、どちらも景気が悪い点が共通するため入れ替えられやすい組合せです。物価が上がるか下がるかで区別しましょう。

消費者物価指数(CPI)はどう読む?

物価の動きを表す代表的な統計が、総務省統計局の消費者物価指数(CPI)です。家計が買う商品やサービスの値段をまとめて、基準年を100とした指数で表します。現在は2020年が基準年(100)です。

ニュースでよく聞く「コアCPI」は生鮮食品を除く総合のことです。天候で大きく動く野菜や魚を除くことで、物価の基調を見やすくしています。さらにエネルギーも除いたものは「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」で、「コアコアCPI」と呼ばれることがあります。

消費者物価指数(全国)2025年平均(2020年=100。総務省統計局 2026年1月23日公表。2026年9月27日確認)
指数の種類指数前年比
総合111.93.2%上昇
生鮮食品を除く総合(コア)111.23.1%上昇
生鮮食品及びエネルギーを除く総合110.33.0%上昇

指数の111.9は「2020年の物価を100とすると111.9の水準」という意味で、「前年より11.9%上がった」という意味ではありません。前年との比較は「前年比」の列で読みます。指数の読み方は指数の読み方でも練習できます。

練習問題1:円高の影響として正しいのは?

為替レートが1ドル=125円から1ドル=100円になった。この変化に関する記述として最も妥当なものはどれか。

1. 円安が進んだので、日本から輸出する製品のドル建ての価格は下がりやすい。 2. 円の価値が下がったので、海外旅行をする日本人の負担は増える。 3. 円高が進んだので、ドル建ての価格が同じ輸入品は、円で支払う額が減る。 4. 円高が進んだので、日本を訪れる外国人旅行者にとって日本での買い物は割安になる。

正解は3。1ドルに必要な円が125円から100円に減ったので円高です。

選択肢ごとの判定
選択肢判定理由
1誤り向きが逆。この変化は円高で、輸出品のドル建て価格は上がりやすい
2誤り円の価値は上がった。海外での支払いに必要な円は減る
3正しい例:80ドルの品物は1万円から8,000円に下がる
4誤り円高では外国人が円を買うのに多くの自国通貨が必要になり、割高になる

練習問題2:消費者物価指数の記述の正誤は?

次の記述ア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。

ア 消費者物価指数は総務省統計局が作成し、基準年を100とした指数で表される。

イ 「生鮮食品を除く総合」は、生鮮食品に加えてエネルギーも除いた指数である。

1. ア正・イ正 2. ア正・イ誤 3. ア誤・イ正 4. ア誤・イ誤

正解は2。エネルギーも除くのは「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」です。

選択肢ごとの判定
選択肢判定理由
1 ア正・イ正誤りイは2種類の指数の説明を混ぜている
2 ア正・イ誤正しいアは作成機関と表し方が正しい。イは除く範囲が違う
3 ア誤・イ正誤りアを誤りとする根拠がない
4 ア誤・イ誤誤りアは正しい

時短のコツ:為替の問題は、選択肢を読む前に余白へ「円安/円高」と書いてから読むと、向きを取り違えた選択肢をすぐ外せます。

つまずいたときは何を確認する?

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
円安と円高の向きを逆にする「1ドルに払う円が増えたか減ったか」を先に書く
影響の有利・不利を迷う同じドル価格のまま、円に直した金額を計算してみる
指数と前年比を混同する表の見出しが「指数」か「前年比」かに印をつける
コアCPIの範囲を忘れる「コア=生鮮食品を除く」「コアコア=さらにエネルギーも除く」の2行で覚える

物価や為替は、金利や金融政策とも結びついています。日本銀行の役割は日銀の金融政策、経済分野の全体像は経済分野のまとめで整理しています。知識を確認したら、無料お試し10問(登録不要)で本番の形式に触れておきましょう。

Q & A

よくある質問

Q.1ドル150円は円安ですか、円高ですか?

比べる相手で決まります。1ドル100円と比べれば、1ドルを買うのに多くの円が必要なので円安です。

Q.円安で得をするのは誰ですか?

一般に輸出企業や海外で稼ぐ企業です。輸入品を買う家計や輸入企業には負担が増えます。

Q.コアCPIとは何ですか?

消費者物価指数のうち、天候の影響が大きい生鮮食品を除いた「生鮮食品を除く総合」のことです。

Q.物価が上がるのはいつも悪いことですか?

一概には言えません。賃金も同じように上がれば生活への影響は小さくなります。日本銀行は物価の安定の目標として、消費者物価の前年比上昇率2%を掲げています。試験では、物価と賃金・金利の関係を「どちらの向きに動くか」で押さえておけば十分です。

Q.最新の物価の数字はどこで確認できますか?

総務省統計局の「消費者物価指数」のページです。全国の指数は毎月公表されるので、何年何月の数字かを確認してください。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む