KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 地域包括ケアシステムは、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供し、住み慣れた地域で最期まで暮らせるようにする仕組み。
  • 団塊の世代が75歳以上になる2025年を目途に構築が進められてきた。形は全国一律ではなく、市町村などが地域の特性に応じて作る。
  • おおむね30分以内に必要なサービスが届く「日常生活圏域」(具体的には中学校区)を単位に考える。
  • 中核機関の地域包括支援センターは市町村が設置し、総合相談や権利擁護、介護予防の支援などを行う。
この記事の目次
  1. 01地域包括ケアシステムとは?5つの要素
  2. 02日常生活圏域とは?「おおむね30分以内」
  3. 03地域包括支援センターは何をする?誰が設置する?
  4. 04似た機関・用語との違いは?
  5. 05一緒に出やすい関連用語は?
  6. 06地域包括ケアの問題を解く手順
  7. 07練習問題1:地域包括ケアの記述で正しいのは?
  8. 08練習問題2:センターと在宅医療の正誤は?
  9. 09つまずいたときは何を確認する?
  10. 10よくある質問
  11. 11出典・参考

地域包括ケアシステムとは?5つの要素

地域包括ケアシステムは、高齢者が重い要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する仕組みです。厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、その構築を進めてきました。

ポイントは、国が全国一律の形を決めるのではなく、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくとされていることです。都市部と山間部では、使える医療機関や交通の事情がまったく違うからです。

地域包括ケアの5つの要素
要素内容の例
住まい自宅、サービス付き高齢者向け住宅など、生活の土台
医療かかりつけ医、地域の病院、訪問診療・訪問看護
介護訪問介護、通所介護(デイサービス)、施設サービス
予防介護予防の体操教室、健康づくり
生活支援見守り、配食、買い物支援、サロンなどの居場所

日常生活圏域とは?「おおむね30分以内」

地域包括ケアシステムは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を単位として想定しています。具体的には中学校区が目安とされています。

「市町村全体」でも「都道府県単位」でもなく、歩いたり車で少し移動したりして届く範囲で、医療や介護がそろうことを目指す考え方です。数字の「30分」と「中学校区」は、そのまま選択肢になりやすいので一組で覚えましょう。

地域包括支援センターは何をする?誰が設置する?

地域包括支援センターは、地域包括ケアを実現するための中核的な機関で、介護保険法に基づき市町村が設置します(社会福祉法人などに運営を委託している市町村も多くあります)。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)などの専門職が配置されます。

地域包括支援センターの主な仕事
仕事内容
総合相談支援高齢者や家族の相談を受け、必要なサービスや機関につなぐ
権利擁護虐待の防止や早期発見、成年後見制度の利用支援、消費者被害の防止
包括的・継続的ケアマネジメント支援ケアマネジャーへの助言、地域の関係者のネットワークづくり
介護予防ケアマネジメント要支援の人などの介護予防のプランづくり

よくある誤りの選択肢は「都道府県が設置する」「国が設置する」です。身近な相談窓口なので市町村、と覚えておきましょう。

似た機関・用語との違いは?

高齢者の支援には多くの機関や専門職がかかわります。名前が似ているもの、役割が近いものを並べて違いを確認しましょう。

取り違えやすい機関・用語
用語A用語B見分けるポイント
地域包括支援センター居宅介護支援事業所センターは市町村が設置する総合的な相談の窓口、事業所は要介護者のケアプランを作るケアマネジャーの事業所
訪問診療往診訪問診療は計画的に定期訪問、往診は急な求めに応じて臨時に訪問
かかりつけ医専門医療機関かかりつけ医は日ごろの診療と相談、必要に応じて専門の病院を紹介する
地域ケア会議介護認定審査会地域ケア会議は事例を通じて地域の課題を話し合う場、審査会は要介護度を判定する機関
介護予防介護サービス予防は要介護状態になるのを防ぐ・遅らせる取り組み、介護サービスは介護が必要な人への支援

かかりつけ医は、日ごろの健康相談や診療を担い、必要なときには専門の医療機関を紹介する身近な医師です。在宅医療は、通院が難しい人の自宅などに医師や看護師が訪問して行う医療で、訪問診療・往診・訪問看護などがあります。住み慣れた家で療養したいという希望に応えるには、介護との連携が欠かせません。

一緒に出やすい関連用語は?

地域包括ケアの問題では、次のような用語が選択肢に並ぶことがあります。どの言葉も「地域で高齢者を支える」仕組みの一部なので、誰が・何をするものかを1行で言えるようにしておきましょう。

関連用語
用語意味
ケアマネジャー(介護支援専門員)要介護者のケアプランを作り、サービス事業者との調整を行う専門職
地域ケア会議市町村や地域包括支援センターが開き、個別の事例の検討を通じて地域の課題を話し合う会議
認知症サポーター認知症について正しく理解し、地域で本人や家族を見守る応援者
介護予防・日常生活支援総合事業市町村が行う、介護予防や生活支援のサービス(いわゆる総合事業)
2025年問題団塊の世代が全員75歳以上になり、医療や介護の需要が大きく増えること

市町村の職員として福祉や介護の部署に配属されると、地域包括支援センターの運営や地域ケア会議の開催にかかわることがあります。経験者採用の面接で高齢者施策に触れるときも、「住まい・医療・介護・予防・生活支援を中学校区ほどの範囲でそろえる」という考え方を土台にすると、具体的に話しやすくなります。

地域包括ケアの問題を解く手順

  1. 要素の数と中身を確認する(住まい・医療・介護・予防・生活支援の5つ。医療と介護だけではない)
  2. 範囲を確認する(おおむね30分以内・中学校区。市町村全体や都道府県単位ではない)
  3. 設置主体を確認する(地域包括支援センターは市町村)
  4. 「全国一律」「国が細かく定める」といった表現があれば、地域の特性に応じて作るという考え方と合っているかを疑う

練習問題1:地域包括ケアの記述で正しいのは?

地域包括ケアシステムに関する記述として最も妥当なものはどれか。

1. 地域包括ケアシステムは、医療と介護の2つのみを対象とし、住まいや生活支援は含まない。 2. おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を単位として想定している。 3. 地域包括支援センターは、介護保険法に基づき都道府県が設置する機関である。 4. 地域包括ケアシステムは、全国で同じ内容となるよう、その形を国が細かく定めている。

正解は2。

選択肢ごとの判定
選択肢判定理由
1誤り住まい・予防・生活支援も含めた5つの要素を一体的に提供する
2正しい日常生活圏域の説明どおり(中学校区が目安)
3誤り設置するのは市町村
4誤り市町村などが地域の特性に応じて作り上げる

練習問題2:センターと在宅医療の正誤は?

次の記述ア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。

ア 地域包括支援センターは、高齢者の虐待の防止や成年後見制度の利用支援など、権利擁護の業務を行う。

イ 往診とは、医師があらかじめ計画を立てて、定期的に患者の自宅を訪問して行う診療をいう。

1. ア正・イ正 2. ア正・イ誤 3. ア誤・イ正 4. ア誤・イ誤

正解は2。

選択肢ごとの判定
選択肢判定理由
1 ア正・イ正誤りイは訪問診療の説明。往診は急な求めに応じた臨時の訪問
2 ア正・イ誤正しいアはセンターの業務どおり、イは用語の取り違え
3 ア誤・イ正誤りアとイの正誤が逆
4 ア誤・イ誤誤りアを誤りとする根拠がない

時短のコツ:この分野は「市町村」「30分」「5つの要素」の3点で多くの選択肢を判断できます。選択肢を読む前に、この3語を余白に書いておくと見落としを防げます。

つまずいたときは何を確認する?

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
5つの要素が思い出せない「住・医・介・予・生」の頭文字で書き出す
設置主体を迷う介護保険の保険者と同じ市町村、と結びつける
訪問診療と往診を混同する「計画的・定期」か「臨時」かの1語で区別する

介護保険の被保険者や自己負担は介護保険制度のしくみ、高齢化の数字は少子高齢化のデータで確認できます。用語を確認したら、無料お試し10問(登録不要)で本番の形式を試してみてください。

Q & A

よくある質問

Q.地域包括ケアシステムの5つの要素は何ですか?

住まい・医療・介護・予防・生活支援です。これらを一体的に提供することを目指します。

Q.日常生活圏域の目安はどのくらいですか?

おおむね30分以内に必要なサービスが届く範囲で、具体的には中学校区が目安です。

Q.地域包括支援センターはだれが設置しますか?

市町村です。運営を社会福祉法人などに委託している場合もあります。

Q.地域包括支援センターは誰でも相談できますか?

高齢者本人だけでなく、家族や近所の人なども相談できる総合的な窓口です。住んでいる地域を担当するセンターは、市町村のホームページなどで確認できます。

Q.なぜ2025年が目途だったのですか?

団塊の世代が75歳以上となり、医療や介護の需要がさらに増えると見込まれたためです。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む