KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 令和8年度予算の一般会計は122兆3,092億円(財務省)。2026年4月7日に成立した。
- 歳出の大きい順は、社会保障関係費(約39.1兆円)→ 国債費(約31.3兆円)→ 地方交付税交付金等(約20.9兆円)。この3つで歳出の約4分の3。
- 歳入は租税及び印紙収入が約83.7兆円(約68%)、公債金が約29.6兆円(公債依存度24.2%)。
- 建設国債は財政法4条ただし書きが根拠、特例国債(赤字国債)は財政法とは別の特例法(公債特例法)が根拠。
この記事の目次
国の予算の内訳は?歳出の上位3項目
令和8年度予算の一般会計の総額は122兆3,092億円で、前年度の当初予算より約7.1兆円増えました。歳出の上位3つは次のとおりです。
| 順位 | 項目 | 金額 | 歳出に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 社会保障関係費 | 39兆559億円 | 約31.9% |
| 2 | 国債費(国債の償還と利払い) | 31兆2,758億円 | 約25.6% |
| 3 | 地方交付税交付金等 | 20兆8,778億円 | 約17.1% |
| ― | その他(公共事業、文教及び科学振興、防衛など) | 約31兆円 | 約25% |
社会保障関係費は、年金・医療・介護・子ども子育てなどへの国の負担で、高齢化とともに増え続けています。財務省によると令和8年度は前年度から約7,600億円増えました。
国債費は、過去に発行した国債の元本の返済と利子の支払いです。令和8年度は前年度から約3.1兆円増えています。地方交付税交付金等は、自治体の間の財政力の差をならすために国が配るお金で、仕組みは地方交付税の記事で詳しく説明しています。
歳入は何でまかなっている?税と借金の割合
歳入の柱は税金ですが、それだけでは足りず、約4分の1を国債(借金)でまかなっています。歳入に占める公債金の割合を公債依存度といい、令和8年度は24.2%です。
| 項目 | 金額 | 割合 |
|---|---|---|
| 租税及び印紙収入 | 83兆7,350億円 | 約68.5% |
| 公債金(国債による収入) | 29兆5,840億円 | 約24.2% |
| うち建設公債 | 6兆7,160億円 | ― |
| うち特例公債 | 22兆8,680億円 | ― |
| その他収入 | 約9.0兆円 | 約7.4% |
ここで大切なのは、国債費(歳出)と公債金(歳入)は別物だということです。公債金は「今年新しく借りたお金」、国債費は「過去の借金を返す・利子を払うお金」です。どちらも30兆円前後なので、選択肢で入れ替えられても気づきにくい点に注意しましょう。
予算にはどんな種類がある?
国の予算は、税金などを財源に基本的な仕事に使う一般会計と、年金や特定の事業など目的ごとにお金を分けて管理する特別会計に分かれます。ニュースで「国の予算は〇兆円」と言うときは、ふつう一般会計の当初予算を指します。
年度の途中で経済対策や災害対応が必要になると補正予算が組まれます。また、年度が始まるまでに本予算が成立しないときは、必要な経費だけを定めた暫定予算が使われます。令和8年度は本予算の成立が4月7日になったため、3月30日に暫定予算が成立しました。6月5日には補正予算も成立しています。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 本予算(当初予算) | 年度が始まる前に国会で議決される通常の予算 |
| 補正予算 | 年度の途中で本予算の内容を変更する予算 |
| 暫定予算 | 本予算が年度開始までに成立しないときの、つなぎの予算 |
| 一般会計 | 国の基本的な収入と支出を扱う会計 |
| 特別会計 | 特定の事業や資金を区分して管理する会計 |
予算は内閣が作成して国会に提出し、衆議院に先に提出されます(衆議院の予算先議権)。衆参で議決が異なったときの扱いは衆議院の優越の記事で整理しています。
建設国債と特例国債の違いは?
財政法4条は、国の歳出は原則として公債(借金)以外の歳入でまかなうと定めています。ただし書きで、公共事業費・出資金・貸付金の財源に限り、国会の議決の範囲内で公債を出すことを認めています。これにより発行されるのが建設国債です。道路や橋のように将来の世代も使う資産になるので、借金で整備してもよいという考え方です。
それでも足りない経費をまかなうために、財政法とは別に特例法(公債特例法)を作って発行するのが特例国債(赤字国債)です。令和8年度も、公債金のうち約4分の3が特例公債です。
| 建設国債 | 特例国債(赤字国債) | |
|---|---|---|
| 根拠 | 財政法4条1項ただし書き | 特例法(公債特例法) |
| 使いみち | 公共事業費・出資金・貸付金 | 上記以外の経費の不足分 |
| 考え方 | 資産が将来に残るので借金も認める | 本来は例外。財政法の原則の特例 |
| 令和8年度の発行予定 | 6兆7,160億円 | 22兆8,680億円 |
財務省の資料では、普通国債の残高は令和8年度末に約1,145兆円に達する見込みとされています。財政の健全さを見る指標として、国債費を除いた歳出と公債金を除いた歳入を比べるプライマリーバランス(基礎的財政収支)も押さえておきましょう。
予算の問題を解く手順
予算の問題は、金額を細かく覚えていなくても、項目の性質と順位が分かれば多くの選択肢を判断できます。次の順番で確かめると、国債費と公債金の取り違えや、根拠法の入れ替えを防げます。
- 問題文の年度と「当初予算か補正後か」を確認する
- 歳出の話か歳入の話かを決める(国債費は歳出、公債金は歳入)
- 順位を問われたら「社会保障 → 国債費 → 地方交付税交付金等」と照らし合わせる
- 国債の根拠を問われたら「建設=財政法4条」「特例=特例法」で判定する
- 手続きを問われたら「内閣が作成、衆議院が先議」を確認する
練習問題1:一般会計の記述で正しいのは?
国の一般会計予算に関する記述として最も妥当なものはどれか。
1. 歳出で最も大きいのは国債費である。 2. 特例国債は財政法4条のただし書きに基づいて発行される。 3. 予算は参議院に先に提出しなければならない。 4. 公債依存度とは、歳入に占める公債金の割合をいう。
正解は4。令和8年度は24.2%です。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 誤り | 最大は社会保障関係費。国債費は2番目 |
| 2 | 誤り | 財政法4条ただし書きは建設国債の根拠。特例国債は特例法 |
| 3 | 誤り | 予算は衆議院に先に提出する(予算先議権) |
| 4 | 正しい | 公債金÷歳入総額で求める割合 |
練習問題2:国債費と公債金の正誤は?
次の記述ア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。
ア 国債費は、その年度に新しく国債を発行して得る収入のことで、歳入に計上される。
イ 建設国債の発行対象となるのは、公共事業費・出資金・貸付金である。
1. ア正・イ正 2. ア正・イ誤 3. ア誤・イ正 4. ア誤・イ誤
正解は3。アは公債金の説明です。国債費は歳出で、過去の国債の償還と利払いです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 ア正・イ正 | 誤り | アは国債費と公債金を取り違えている |
| 2 ア正・イ誤 | 誤り | アは誤り、イは財政法4条ただし書きの内容どおり |
| 3 ア誤・イ正 | 正しい | アは誤り、イは正しい |
| 4 ア誤・イ誤 | 誤り | イを誤りとする根拠がない |
時短のコツ:「費」は出ていくお金(歳出)、「金」は入ってくるお金(歳入)と、漢字1字で区別すると入れ替えに気づきやすくなります。
つまずいたときは何を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 国債費と公債金を混同する | 歳出表と歳入表のどちらに載る項目かを書き分ける |
| 歳出の順位があやふや | 上位3項目と金額(約39・31・21兆円)を1行で書き出す |
| 国債の根拠を取り違える | 「4条=建設」「特例法=赤字」の対応だけを先に確認する |
| 数字の年度が分からない | 財務省「予算・決算」のページで年度と当初予算かを確認する |
知識の確認が済んだら、無料お試し10問(登録不要)で本番の形式を体験できます。経済分野の論点は経済分野のまとめ、物価の基本は物価と為替の基本で整理しています。
Q & A
よくある質問
Q.令和8年度予算の総額はいくらですか?+
一般会計の当初予算で122兆3,092億円です(財務省)。2026年6月5日に補正予算も成立しているので、補正後の総額はこれと異なります。
Q.国債費と公債金はどう違いますか?+
国債費は歳出で、過去の借金の返済と利払いです。公債金は歳入で、その年度に新しく国債を発行して得るお金です。
Q.赤字国債と特例国債は同じですか?+
同じものです。財政法4条では認められていない経費の不足分をまかなうため、特例法(公債特例法)に基づいて発行します。
Q.数字は毎年変わりますか?+
変わります。試験前に財務省の「予算・決算」のページで、何年度の当初予算かを確認してください。