KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 介護サービスの自己負担は原則1割。一定以上の所得がある65歳以上の人は2割または3割。40〜64歳の第2号被保険者は1割。
  • 介護保険は2000年4月に始まった社会保険で、保険者は市町村(特別区を含む)。被保険者は40歳以上で、65歳以上が第1号、40〜64歳の医療保険加入者が第2号。
  • 要介護認定の区分は、要支援1・2と要介護1〜5の7段階。
  • 財源は保険料50%・公費50%。公費は居宅給付費で国25%・都道府県12.5%・市町村12.5%、施設等給付費で国20%・都道府県17.5%・市町村12.5%。
この記事の目次
  1. 01介護保険の自己負担割合は?1割・2割・3割の基準
  2. 02介護保険は誰が運営し、誰が加入する?
  3. 03要介護認定の区分と流れは?
  4. 04財源の内訳は?保険料と公費の割合
  5. 05介護保険の問題を解く手順
  6. 06練習問題1:介護保険の記述で正しいのは?
  7. 07練習問題2:自己負担と財源の正誤は?
  8. 08つまずいたときは何を確認する?
  9. 09よくある質問
  10. 10出典・参考

介護保険の自己負担割合は?1割・2割・3割の基準

介護サービスを使ったときの利用者負担は、原則1割です。65歳以上で一定以上の所得がある人は2割または3割になります。判定は市町村が前年の所得をもとに行い、毎年、負担割合を記した「介護保険負担割合証」が交付されます。

65歳以上の人の負担割合の判定(札幌市の案内より。基準は全国共通。2026年9月27日確認)
負担割合本人の合計所得金額同じ世帯の65歳以上の人の「年金収入+その他の合計所得金額」
3割220万円以上単身340万円以上/2人以上の世帯463万円以上
2割160万円以上単身280万円以上340万円未満/2人以上の世帯346万円以上463万円未満
1割上記以外―

第2号被保険者(40〜64歳)、市町村民税が非課税の人、生活保護を受けている人は1割です。医療保険(現役世代は3割)と混同しないようにしましょう。

1か月の自己負担には上限もあります。上限を超えた分は高額介護サービス費として払い戻されます。上限額は所得に応じて決まり、多くの課税世帯では月4万4,400円(世帯)です。2021年8月からは、課税所得が380万円以上690万円未満の人がいる世帯は9万3,000円、690万円以上の人がいる世帯は14万100円に上限が引き上げられています。「上限は全員同じ」「上限はない」という選択肢は誤りです。

なお、2割負担の対象を広げるかどうかは、国の審議会(社会保障審議会介護保険部会)で議論されてきたテーマです。上の基準は2026年9月27日時点のものなので、受験前に厚生労働省や市町村の案内で変更がないか確認してください。

介護保険は誰が運営し、誰が加入する?

介護保険は、介護が必要になったときに、介護サービスを1〜3割の負担で使えるようにする社会保険です。介護保険法に基づき、2000年(平成12年)4月に始まりました。家族だけで介護を抱えるのではなく、社会全体で支える(介護の社会化)ことが目的です。

運営する保険者は市町村(特別区を含む)です。国や都道府県ではない点が大切です。市町村は3年ごとに介護保険事業計画を作り、65歳以上の人の保険料もその計画に合わせて決めます。

被保険者の区分
第1号被保険者第2号被保険者
年齢65歳以上40〜64歳の医療保険加入者
サービスを使える場合原因を問わず、要介護・要支援と認定されたとき老化が原因とされる特定疾病によって要介護・要支援になったとき
保険料市町村が所得に応じて決める。年金から差し引く特別徴収が中心加入している医療保険の保険料と一緒に納める
利用者負担1〜3割(所得による)1割

第2号被保険者は、交通事故など特定疾病以外が原因の介護では介護保険を使えません。「40歳以上ならだれでも原因を問わず使える」という選択肢は誤りです。

要介護認定の区分と流れは?

サービスを使うには、市町村に申請して要介護認定を受けます。

  1. 本人や家族が市町村の窓口に申請する(地域包括支援センターなどが代行することもある)
  2. 市町村の調査員が心身の状態を調べる(認定調査)。主治医が意見書を書く
  3. コンピュータによる一次判定を行う
  4. 保健・医療・福祉の専門家でつくる介護認定審査会が二次判定を行う
  5. 市町村が、要支援1・2、要介護1〜5、または非該当(自立)を認定する
認定の区分
区分状態の目安使える主なサービス
要支援1・2日常生活はおおむね自分でできるが、一部に支援が必要介護予防サービス
要介護1〜5日常生活に介護が必要。数字が大きいほど重い介護サービス(居宅・施設など)

区分は全部で7段階です。「要支援1〜3」「要介護1〜6」のような数字の入れ替えに注意しましょう。また、認定をするのは市町村で、介護認定審査会は判定を行う機関です。「審査会が認定する」「都道府県が認定する」という表現にも気をつけてください。

財源の内訳は?保険料と公費の割合

介護保険の給付に使うお金は、保険料50%・公費(税金)50%でまかなわれます。第9期(2024〜2026年度)の保険料の内訳は、第1号被保険者23%、第2号被保険者27%です。この比率は、第1号と第2号の人口の比に合わせて3年ごとに見直されます。

介護保険の財源(第9期)
居宅給付費施設等給付費
第1号保険料23%23%
第2号保険料27%27%
国25%20%
都道府県12.5%17.5%
市町村12.5%12.5%

国の負担のうち5%分は、市町村の間の財政力の差を調整するための調整交付金です。施設等給付費では国の割合が5ポイント下がり、その分都道府県が5ポイント上がります。市町村はどちらも12.5%で変わりません。

介護保険の問題を解く手順

  1. 主体を確認する(保険者は市町村。国・都道府県とする選択肢は誤り)
  2. 年齢を確認する(第1号は65歳以上、第2号は40〜64歳)
  3. 数字の区分を確認する(要支援2段階+要介護5段階=7段階、負担は1〜3割)
  4. 財源は「保険料50・公費50」を先に置き、居宅か施設かで国と都道府県の割合を入れ替える

練習問題1:介護保険の記述で正しいのは?

介護保険制度に関する記述として最も妥当なものはどれか。

1. 介護保険の保険者は都道府県であり、市町村は保険料の徴収だけを担う。 2. 第2号被保険者は65歳以上の者で、原因を問わずサービスを利用できる。 3. 介護保険の財源は、保険料を使わず全額が国と自治体の公費でまかなわれる。 4. 要介護認定の区分は、要支援1・2と要介護1〜5の7段階である。

正解は4。

選択肢ごとの判定
選択肢判定理由
1誤り保険者は市町村(特別区を含む)
2誤り第2号は40〜64歳で、使えるのは特定疾病が原因の場合。65歳以上は第1号
3誤り保険料50%・公費50%
4正しい要支援2段階と要介護5段階で7段階

練習問題2:自己負担と財源の正誤は?

次の記述ア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。

ア 介護サービスの利用者負担は原則1割で、一定以上の所得がある65歳以上の人は2割または3割となる。

イ 居宅給付費の公費負担のうち、市町村の負担割合は25%である。

1. ア正・イ正 2. ア正・イ誤 3. ア誤・イ正 4. ア誤・イ誤

正解は2。

選択肢ごとの判定
選択肢判定理由
1 ア正・イ正誤りイの25%は国の割合。市町村は12.5%
2 ア正・イ誤正しいアは制度どおり、イは国と市町村の取り違え
3 ア誤・イ正誤りアとイの正誤が逆
4 ア誤・イ誤誤りアを誤りとする根拠がない

時短のコツ:財源の数字は「国25・都道府県12.5・市町村12.5(居宅)」を1行で覚え、施設は「国と都道府県で5ポイント入れ替え」とだけ覚えると、表全体を暗記しなくて済みます。

つまずいたときは何を確認する?

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
第1号と第2号の年齢を逆にする「1号=65歳以上=先に年を取った人」と番号と年齢を結ぶ
段階の数を間違える要支援2+要介護5=7と足し算で確かめる
負担割合と医療保険の割合を混同する介護は原則1割、現役世代の医療は3割、と並べて書く
財源の割合を入れ替える居宅と施設の2列の表を書き、市町村の12.5%が共通であることを確認する

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Q & A

よくある質問

Q.介護保険の自己負担は何割ですか?

原則1割です。一定以上の所得がある65歳以上の人は2割または3割になります。40〜64歳の第2号被保険者は1割です。

Q.自己負担に上限はありますか?

あります。1か月の自己負担が上限を超えると、超えた分が高額介護サービス費として払い戻されます。多くの課税世帯の上限は月4万4,400円です。

Q.自分の負担割合はどこで分かりますか?

要介護・要支援の認定を受けた人には、市町村から「介護保険負担割合証」が交付されます。前年の所得をもとに毎年判定されるので、年によって割合が変わることもあります。

Q.保険者はだれですか?

市町村(特別区を含む)です。国や都道府県は財政面で支えます。

Q.公費の割合は居宅と施設で違いますか?

違います。居宅給付費は国25%・都道府県12.5%・市町村12.5%、施設等給付費は国20%・都道府県17.5%・市町村12.5%です。

出典・参考

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