KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品の特許が切れた後に、同じ有効成分で作られる薬。一般に価格が安い。
- 数量シェアは88.8%(2025年9月の薬価調査、厚生労働省)。長く掲げてきた「80%」は全国平均ではすでに超えている。
- 現在の目標は、2029年度末までに全ての都道府県で数量シェア80%以上(主目標)と、金額シェア65%以上など。
- 国民医療費は令和5年度に48兆915億円で過去最高。2024年12月2日からはマイナ保険証を基本とする仕組みに移った。
この記事の目次
ジェネリック医薬品とは?先発医薬品との違い
新しく開発された薬を先発医薬品(新薬)といい、開発した会社は特許によって一定期間、独占的に販売できます。特許が切れた後に、ほかの会社が同じ有効成分・同じ効き目で作る薬が後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品です。
研究開発の費用が少なくて済むため、先発医薬品より価格が安く設定されます。患者の自己負担が減るだけでなく、保険料や税金でまかなう医療費の節約にもつながるため、国は長く使用を進めてきました。
| 先発医薬品(新薬) | 後発医薬品(ジェネリック) | |
|---|---|---|
| 作るタイミング | 新しく研究開発して承認を受ける | 先発品の特許が切れた後 |
| 有効成分 | ― | 先発品と同じ |
| 価格 | 高め | 一般に安い |
| バイオ医薬品の場合 | バイオ医薬品 | バイオ後続品(バイオシミラー) |
使用割合88.8%はどうやって計算する?
ここでいう数量シェア(使用割合)は、「後発医薬品がある先発医薬品」と「後発医薬品」を合わせた量のうち、後発医薬品が占める割合です。すべての薬の中の割合ではない点が大切です。特許が切れていない新薬は、分母に入りません。
| 区分 | 数量 | 分母に入るか |
|---|---|---|
| 後発医薬品がない先発医薬品(特許期間中など) | 500 | 入らない |
| 後発医薬品がある先発医薬品 | 120 | 入る |
| 後発医薬品 | 880 | 入る |
| 数量シェア | 880 ÷(120+880)=88% | ― |
この例で全部の薬(1,500)を分母にすると約59%になり、まったく違う数字になります。資料の問題で割合を読むときは、構成比の読み方と同じく、何を分母にした割合かを最初に確認しましょう。
厚生労働省は、使用促進の結果、後発医薬品がある医薬品の使用数量で約8割に達したと説明しており、最新の数字が88.8%(2025年9月の薬価調査)です。
ジェネリックの問題を解く手順
この分野は、定義・割合・目標・周辺の制度が1問の中で混ざって出されることがあります。次の順番で選択肢を確かめると、数字の入れ替えに気づきやすくなります。
- 定義の選択肢は「有効成分が同じか」「特許が切れた後か」を確認する
- 割合の選択肢は「分母は何か」「数量か金額か」を確認する
- 目標の選択肢は「全ての都道府県で80%」「金額65%」「2029年度末」の3点を照らし合わせる
- 医療費の数字は「何年度の国民医療費か」を確認する(最新は令和5年度の48兆915億円)
国の目標は?「80%」と「65%」の違い
全国平均で80%を超えた一方、都道府県による差や、2020年代前半に起きた後発医薬品の供給不足(品質問題による業務停止などが背景)が課題になりました。そこで目標は、安定供給を基本としつつ、地域の差をなくす方向に見直されています。
| 区分 | 目標 | 期限 |
|---|---|---|
| 主目標 | 後発医薬品の数量シェアを全ての都道府県で80%以上 | 2029年度末 |
| 副次目標1 | バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の60%以上 | 2029年度末 |
| 副次目標2 | 後発医薬品の金額シェアを65%以上 | 2029年度末 |
80%は数量ベースで全ての都道府県、65%は金額ベースです。「全国平均で80%」「数量で65%」のように、単位や範囲をずらした選択肢に注意しましょう。
また、2024年10月からは、後発医薬品がある先発医薬品(長期収載品)を患者の希望で選ぶと、差額の一部を「特別の料金」として負担する仕組み(長期収載品の選定療養)が始まっています。
医療費はどれくらい増えている?
厚生労働省の「国民医療費」によると、令和5(2023)年度の国民医療費は48兆915億円で、前年度より3.0%増えて過去最高になりました。人口1人あたりでは38万6,700円です(2025年10月公表)。
医療費が増える主な理由は、高齢化と医療の高度化です。国の一般会計でも社会保障関係費が最大の歳出項目で、後発医薬品の利用やデジタル化による効率化は、財政の面からも重視されています。予算との関係は国の予算の内訳も参考にしてください。
医療DXとマイナ保険証の用語は?
医療DXは、デジタル技術を使って医療や介護の情報をつなぎ、よりよい医療を効率的に届けようとする取り組みです。中心の一つが、マイナンバーカードを健康保険証として使うマイナ保険証です。2024年12月2日から従来の健康保険証の新規発行は終わり、マイナ保険証を基本とする仕組みに移りました。マイナ保険証を持っていない人には、受診に使える資格確認書が交付されます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| マイナ保険証 | 健康保険証として利用登録したマイナンバーカード |
| 資格確認書 | マイナ保険証を持たない人に交付される、受診に使える書類 |
| オンライン資格確認 | 医療機関の窓口で、保険の資格をオンラインで確かめる仕組み |
| 電子処方箋 | 紙の代わりにデータで処方箋をやりとりする仕組み |
| セルフメディケーション | 軽い不調は市販薬などで自分で手当てすること(税制の特例もある) |
練習問題1:後発医薬品の記述の正誤は?
次の記述ア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。
ア 後発医薬品は、先発医薬品と異なる有効成分を使うことで価格を抑えた薬である。
イ 国は、2029年度末までに全ての都道府県で後発医薬品の数量シェアを80%以上にすることを主な目標としている。
1. ア正・イ正 2. ア正・イ誤 3. ア誤・イ正 4. ア誤・イ誤
正解は3。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 ア正・イ正 | 誤り | アは誤り。有効成分は先発医薬品と同じ |
| 2 ア正・イ誤 | 誤り | アとイの正誤が逆 |
| 3 ア誤・イ正 | 正しい | アは成分の説明が誤り、イは主目標のとおり |
| 4 ア誤・イ誤 | 誤り | イを誤りとする根拠がない |
練習問題2:数量シェアの読み方で正しいのは?
後発医薬品の数量シェア(2025年9月の薬価調査で88.8%)に関する記述として最も妥当なものはどれか。
1. 日本で使われる医薬品全体の数量のうち、88.8%を後発医薬品が占めている。 2. 後発医薬品がある薬の金額の合計のうち、88.8%を後発医薬品が占めている。 3. 後発品のある先発品と後発品の数量の合計のうち、88.8%が後発品である。 4. 全国平均が88.8%に達したため、国は後発医薬品の数値目標をすべて廃止した。
正解は3。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 誤り | 分母はすべての医薬品ではなく、後発品のある先発品と後発品の合計 |
| 2 | 誤り | 88.8%は数量ベース。金額ベースの目標は別に65%以上が掲げられている |
| 3 | 正しい | 数量シェアの定義どおり |
| 4 | 誤り | 2029年度末までの新しい目標(全都道府県80%以上など)が定められている |
時短のコツ:割合の選択肢は「分母」「数量か金額か」の2点だけを先に確かめると、多くの誤りを数秒で外せます。
つまずいたときは何を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 88.8%の分母を誤解する | 計算例の表で、分母に入る2行だけに印をつける |
| 80%と65%を混同する | 「80=数量・全都道府県」「65=金額」と単位を添えて覚える |
| 医療費の年度が分からない | 国民医療費は公表まで約2年かかることを思い出し、厚生労働省で年度を確認する |
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Q & A
よくある質問
Q.ジェネリックの割合は何%ですか?+
厚生労働省によると、数量シェアは88.8%です(2025年9月の薬価調査)。後発品がある薬の中での割合です。
Q.80%の目標はもう達成したのですか?+
全国平均では超えています。現在の目標は、2029年度末までに全ての都道府県で80%以上にすることです。
Q.国民医療費はいくらですか?+
令和5年度が48兆915億円で過去最高です。最新の年度は厚生労働省の「国民医療費」で確認してください。
Q.健康保険証の新規発行はいつ終わりましたか?+
2024年12月2日です。現在はマイナ保険証か資格確認書で受診するのが基本です。