KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 作文は「自分の体験と、そこから考えたこと」を書く。論文は「課題の分析・解決策・根拠」を筋道立てて書く。
  • 見分け方は題の主語。「あなた」について聞いていれば作文寄り、「社会・行政の課題」について聞いていれば論文寄り。経験者採用では両方を組み合わせた職務経験論文も多い。
  • 作文は「結論 → 体験 → 学びと今後」の3段、論文は「背景 → 課題の分析 → 解決策 → まとめ」の4段が書きやすい。
  • 文体は、指定がなければだ・である調に統一するのが無難。原稿用紙の基本ルールも守る。
  • 減点の多くは、題意からのずれ、字数不足、文体の混在、話し言葉。見直しで拾える。
この記事の目次
  1. 01作文と論文は何が違うのか
  2. 02題を見たら、作文型か論文型かをどう見分けるか
  3. 03作文はどう組み立てればよいか
  4. 04論文はどう組み立てればよいか
  5. 05同じ題で、作文と論文はどう書き分けるか
  6. 06字数と時間は、どう配分すればよいか
  7. 07文体と原稿用紙の使い方で、何に気をつけるか
  8. 08試験までに、どんな順番で練習すればよいか
  9. 09よくある減点は、どう直せばよいか
  10. 10よくある質問
  11. 11出典・参考

作文と論文は何が違うのか

公務員試験では、試験によって「作文」と「論文」のどちらか、または両方が課されます。名前が違うだけに見えますが、求められる中身が違います。どちらが課されるか、字数と時間はいくつかは、受験案内の試験内容の欄で確認できます。

作文と論文の比較(当サイトの整理)
作文論文
中心になる内容自分の体験と、そこから考えたこと課題の分析と、解決策とその根拠
題の例(作例)「私が働くうえで大切にしていること」「本市の人口減少にどう対応すべきか」
主な視点自分(私は〜と考える)社会・行政(〜という課題がある。〜すべきである)
読み手が知りたいこと人柄、価値観、表現力論理性、課題への理解、実現できる提案
よくある失敗出来事を並べただけで、考えが書かれていない一般論ばかりで、根拠や具体策がない

題を見たら、作文型か論文型かをどう見分けるか

試験の名前が「作文」でも、題が行政の課題を問うことがあり、その逆もあります。名前ではなく題の主語と問い方で型を判断してください。次の題はいずれも当サイトの作例です。

題の見分け方の練習(作例)
題型判断の手がかり
仕事で壁にぶつかったとき、あなたはどう乗り越えてきたか作文型主語が「あなた」、体験を聞いている
地域の防災力を高めるために、市が取り組むべきことを述べよ論文型主語が「市」、課題と施策を聞いている
あなたの職務経験を、本県の業務改善にどう生かせるか述べよ組み合わせ型「あなたの経験」と「県の課題」の両方がある
信頼される職員とはどのような職員か、あなたの考えを述べよ作文型寄り考えを聞いているが、体験で裏づけると書きやすい

組み合わせ型は、職務経験論文として課されることが多い形です。書き方は職務経験論文の書き方で詳しく説明しています。

作文はどう組み立てればよいか

  1. 結論:題に対する自分の考えを最初に一文で示す(例:「私が働くうえで大切にしているのは、相手の立場で考えることだ」)。
  2. 体験:その考えを持つきっかけになった場面を1つ書く。いつ、どこで、何があり、自分がどう行動したか。
  3. 学びと今後:体験から学んだことと、公務員としてどう生かしたいか。

体験は1つに絞り、場面が目に浮かぶように書くのがコツです。いくつもの体験を並べると、どれも浅くなります。最後の段落で「公務員として」に触れると、題の求めに対して一段深い答えになります。

論文はどう組み立てればよいか

  1. 背景:テーマの背景と、自分が取り上げる課題を示す。
  2. 課題の分析:事実やデータをもとに、なぜ問題なのか、原因は何かを書く。
  3. 解決策:具体的な施策を2〜3つ挙げ、それぞれの理由(根拠)と期待できる効果を書く。
  4. まとめ:全体をまとめ、職員としてどう取り組むかを示す。

解決策は「〜が重要である」で終わらせず、「誰が、何を、どうする」まで書くと具体的になります。数字を使う場合は、出典と年を確かめられるものに限ります。テーマごとの材料の集め方は論文テーマの分類と準備で解説しています。

同じ題で、作文と論文はどう書き分けるか

「地域とのつながり」という題が出たとします。作文と論文では、書き出しと中身が次のように変わります(当サイトの作例です)。

同じ題の書き分け(作例)
作文として書く場合論文として書く場合
書き出し私は、地域とのつながりは日々の小さなあいさつから生まれると考える。単身世帯の増加などにより、住民どうしのつながりが弱まっていると指摘されている。
中心配送の仕事で高齢の利用者と言葉を交わし、異変に気づいた体験災害時の助け合いや見守りの担い手が不足するという課題と、その原因
結び窓口でも一言を添える職員でありたい地域の活動への参加のきっかけをつくる施策を、根拠とともに示す

同じ題でも、作文は「私」、論文は「社会・行政」が主語になる、と覚えておくと書き分けやすくなります。

字数と時間は、どう配分すればよいか

字数と時間は試験ごとに違うので、受験案内で確認します。どちらの形式でも、次の配分で練習しておくと本番で慌てません。

時間配分のめやす
作業割合60分の場合
題の確認と構成メモ約2割10〜12分
清書約7割40〜45分
見直し約1割5分

字数は指定の9割以上を目標にします。「800字程度」なら720字以上、「1,000字以内」なら900字以上が一つのめやすです。「以内」の指定は上限を超えないように注意してください。

文体と原稿用紙の使い方で、何に気をつけるか

文化審議会の建議「公用文作成の考え方」(2022年1月)でも、文書の種類や読み手に応じて、常体(である体)と敬体(です・ます体)を使い分ける考え方が示されています。試験の作文・論文では、指定がなければ、簡潔に書けるだ・である調に統一するのが無難です。

  • 文体は、だ・である調に統一する(です・ます調が指定されていれば従う)。途中で混ぜない。
  • 段落の書き始めは1マス空ける。
  • 句読点(。、)や閉じかっこは行の先頭に置かず、前の行の最後のマスに入れる。
  • 数字は横書きなら算用数字、縦書きなら漢数字が基本。
  • 大きな書き直しに備えて、清書の前に構成メモを作る。

パソコンで入力する試験もあります。その場合も、段落の頭を1字下げる、文体をそろえるといった基本は同じです。

試験までに、どんな順番で練習すればよいか

作文・論文は、読むだけでは上達しにくい試験です。実際に時間を計って書き、見直して、もう一度書くという流れを繰り返します。仕事をしながら準備する場合の進め方の例を示します。

練習の進め方の例(当サイトの提案)
段階やることできたかの確認
1 型を知る作文の3段・論文の4段の構成メモだけを、題を変えて5本作る5分で構成メモが書ける
2 材料を集める職歴から体験を3つ、志望先の計画から課題と施策を3つ書き出す題を見て使う材料をすぐ選べる
3 時間を計って書く本番と同じ字数・時間で1本書く時間内に指定の9割以上書ける
4 見直して書き直す下の減点表で自分の文章を点検し、同じ題でもう一度書く同じ減点が2回目には消えている
5 人に読んでもらう家族や知人に読んでもらい、分かりにくい箇所を聞く書き手の説明なしで意味が通じる

書いた文章は捨てずに保管しておくと、面接の直前に「自分が何を書いたか」を確認する材料になります。

よくある減点は、どう直せばよいか

つまずき → 確認する操作
減点・つまずき確認する操作・直し方
題意からずれる題の言葉を書き出し、各段落が題に答えているか確認する
字数不足構成メモの段階で、段落ごとの字数を決めておく
文体の混在見直しで文末だけを拾い読みする
話し言葉「なので」→「そのため」、「すごく」→「非常に」などに直す
一文が長すぎる60字をこえたら二文に分けることを検討する
根拠のない断定データや経験など、理由を1つ添える

作文・論文で書いた内容は、面接でも深掘りされることがあります。面接カードの書き方と面接でよく聞かれる質問で、書いた内容と話す内容をそろえておきましょう。

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Q & A

よくある質問

Q.作文の試験で論文のように書いてもよいですか?

論理的に書くこと自体はよいことですが、作文では自分の体験と考えが求められています。社会問題の分析だけで終わると、題意からずれていると判断されるおそれがあります。

Q.です・ます調で書いたら減点されますか?

指定がなければ、どちらかに統一されていれば大きな問題にはならないことが多いと考えられます。ただ、論文はだ・である調のほうが簡潔に書けるため、こちらがすすめられることが多いです。

Q.字数オーバーはどうなりますか?

採点の方法は公表されていないことが多いものの、「以内」と指定されている場合に超えるのは指示に従っていないことになります。指定は必ず守りましょう。

Q.作文と論文の両方が課される場合、どちらを優先して準備すべきですか?

配点や試験の段階は受験案内で確認できます。書き方の型は共通する部分が多いので、まず論文の4段構成を身につけ、作文は体験の材料を増やす形で準備すると効率的です。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む