KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 申込書類は書類選考の材料であり、面接官が質問を考える資料にもなる。第1次試験を書類選考だけで行う区分もある
- 様式・字数・提出方法は自治体の指定に従う。民間用の職務経歴書や自由形式の履歴書で代えない
- 職務経歴は「担当→工夫→結果」の順で書き、結果は件数・時間・人数などの数字で示す
- 面接で深掘りされる前提で、自分の言葉で説明できることだけを書く
この記事の目次
経験者採用では、どんな書類を出す?
経験者採用では、申込の段階で一般の区分より多くの書類を求められることがあります。第1次試験に書類選考を含める例もあり、たとえば栃木県足利市の令和8年度(前期)では、行政・土木・建築(社会人経験者)の第1次試験で、職務基礎力試験・作文とあわせて、申込内容とその他の提出書類の審査(書類選考)が行われました(足利市の試験案内ページで2026年9月27日確認)。大阪府の令和8年度の公務員経験者採用選考は、第1次選考そのものが書類審査(エントリーシート)です(大阪府のページで2026年9月27日確認)。
| 書類 | 主な内容 | 使われ方 |
|---|---|---|
| 申込書(エントリーシート) | 氏名・学歴・職歴・資格、志望動機、自己PR | 書類選考、面接の基本資料 |
| 職務経歴書 | 勤務先ごとの業務内容と実績 | 経験の確認、面接での深掘り |
| 課題作文・小論文 | 指定テーマについての考え | 書類選考、論文試験の代わり |
| 面接カード | 面接の前に記入する質問票 | 面接の話題の出発点 |
様式や字数は、何に気を付ける?
- 様式が指定されていれば、必ずその様式を使う。行や枠を勝手に広げない
- 電子申請の場合は、入力欄の字数制限の中で書く。文字数を数える機能で確認する
- 手書き指定なら、黒のボールペンで読みやすく。修正の仕方も案内に従う
- 職歴の書き方(年月の表記、雇用形態の書き方)も案内の記入例に合わせる
職歴の期間は、受験資格の職務経験の年数や、採用後の初任給の前歴換算にも使われます。在職期間の年月は、雇用契約書や源泉徴収票などで確かめてから書きましょう。
職務経歴は、どの順番で書く?
職務経歴は、勤務先ごとに次の4つの要素で書きます。字数が限られる場合は、最近のもの、公務に近いものを優先して詳しく書き、ほかは簡潔にまとめます。
- 担当:どの部署で、何を、どのくらいの規模で担当したか
- 課題:その仕事でどんな問題があったか
- 工夫:自分が何を考え、どう動いたか(チームの成果と自分の役割を分ける)
- 結果:何がどう変わったか。件数・時間・人数などの数字で示す
例題:どの書き方が、最も伝わる?
当サイトで作った比較の練習です。同じ人の同じ経験を、4通りに書きました。職務経歴書として最も適切なものはどれでしょうか。
| 選択肢 | 書き方(練習用) | 判定と理由 |
|---|---|---|
| 1 | 「営業部で法人営業を担当。顧客からの問い合わせ対応や、提案資料・見積書の作成などを日々行った」 | ×:規模も工夫も結果もなく、面接官が質問を思い浮かべにくい |
| 2 | 「営業部で顧客対応の改善に取り組んで大きな成果を上げ、社内でも上司や同僚から高く評価された」 | ×:何をしたかが分からず、根拠のない評価になっている |
| 3 | 「中小企業約40社を担当。回答が遅いとの不満を受けてよくある質問の一覧を部内で共有し、平均回答日数を3日から1日にした」 | ○:担当・課題・工夫・結果が一続きで、数字もある |
| 4 | 「営業部で中小企業約40社を担当し、部の売上目標の達成に貢献したほか、新人研修や展示会の運営、社内報の作成など幅広い業務を行った」 | ×:業務の羅列で、自分の工夫と結果が見えない |
正解は3です。よい書き方は、面接官が「どうやって一覧を作ったのか」「部内の協力をどう得たのか」と、次の質問を思い浮かべやすくなっています。書類は面接の入口だと考えて書きましょう。書いたあとに「この一文から、どんな質問が来るか」を自分で1つずつ考えてみると、足りない情報が見えてきます。
売上のない仕事でも、成果を数字にできる?
数字は、経験の大きさを伝える一番の手段です。売上のような数字がない仕事でも、次のようなものは数字にできます。
- 担当した件数・顧客数・利用者数
- 短縮した時間・日数、減らしたミスの件数
- 関わった人数、調整した部署や団体の数
- 予算や工事の規模、期間
公務につながる経験は、どう選ぶ?
- 受験先の総合計画や求める職員像を読み、重視されている力(調整力・説明力・改善力など)を確認する
- これまでの経験を書き出し、その力が表れているものに印を付ける
- 印を付けた中から、成果を数字で示せるものを2〜3個選ぶ
- 志望動機・自己PRと、職務経歴の内容が同じ方向を向いているか確認する
業種が行政と遠くても、住民(顧客)への対応、関係者との調整、ルールに沿った正確な事務などは、公務の仕事に通じる経験です。「行政と関係のない仕事だったから書けることがない」と考えず、仕事の中でしてきた行動に目を向けて選びましょう。
志望動機欄と自己PR欄は、どう書く?
申込書の志望動機欄は、面接で最初に聞かれる話題になりやすい部分です。「きっかけ」「その自治体を選ぶ理由」「入庁後にしたいこと」の3段で書くと、字数が少なくてもまとまります。
例(200字程度・練習用):「前職で地域の中小企業を担当し、後継者不足で廃業を考える経営者の声を多く聞いてきました。貴市が事業承継の支援を重点施策に掲げていることを知り、企業と支援機関をつなぐ仕事に関わりたいと考え志望しました。入庁後は、前職で培った聞き取りと調整の経験を生かし、相談しやすい窓口づくりに貢献したいと考えています。」
どの自治体にも当てはまる文章にならないよう、その自治体の計画や施策の名前を具体的に入れるのがポイントです。自己PR欄は、職務経歴で書いたエピソードの中から1つを選び、「強み→根拠となる行動→公務での生かし方」の順に書くと、職務経歴と自己PRが同じ方向を向きます。
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 志望動機がどの自治体にも当てはまる | 受験先の総合計画から施策の名前を1つ入れ、その施策でしたいことを書く |
| 自己PRと職務経歴の内容がばらばら | 自己PRの根拠に、職務経歴に書いたエピソードを使う |
| 強みを並べるだけになる | 強みは1つに絞り、行動と結果の数字で裏付ける |
課題作文や面接カードは、どう準備する?
申込時に課題作文を出す区分や、面接の直前に面接カードを書く区分もあります。どちらも、職務経歴書と同じエピソードを軸にすると、書類全体に一貫性が出ます。
- 課題作文:テーマの問いに最初の段落で答え、職務経験を根拠に、受験先の課題への考えを書く
- 面接カード:記入時間が限られることがあるので、志望動機・自己PR・趣味などの要点を事前にメモしておく
- どちらも、職務経歴書に書いた数字や期間と食い違いがないようにする
書類ごとに別のエピソードを使うより、同じ経験を角度を変えて書くほうが、面接で深掘りされたときに答えがぶれません。
提出前に、何をチェックする?
| チェック項目 | 確認する操作 |
|---|---|
| 様式・字数・期限 | 案内の条件と見比べ、字数は機能で数える |
| 誤字脱字・年月 | 声に出して読み、職歴の年月は契約書などの記録と照らす |
| 一文の長さ | 1文60字程度を目安に区切る |
| 説明できるか | 書いた内容を1項目ずつ、30秒で口頭説明してみる |
| 控えの保存 | 提出した書類のコピーやPDFを保存し、面接前に読み直す |
書類の提出が終わったら、筆記の準備に切り替える時期です。筆記がBEST型の区分なら、登録不要の無料お試し10問で時間配分を確かめてから計画を立てると効率的です。
面接の締めくくりの準備は面接の逆質問、筆記で教養試験がある場合は社会人採用で教養試験が課されるとき、選考全体の流れは経験者採用の流れを参考にしてください。
Q & A
よくある質問
Q.転職回数が多い場合、すべて書く必要がありますか?+
職歴欄はすべての勤務先を正確に書くのが原則です。受験資格の職務経験の確認や、採用後の給料の決定にも使われます。詳しく説明する経験は絞ってかまいません。
Q.民間で使っている職務経歴書をそのまま出してもよいですか?+
様式が指定されている場合は使えません。指定がない場合も、公務につながる経験が伝わるように書き直すのがおすすめです。
Q.字数制限いっぱいまで書くべきですか?+
8〜9割程度埋まっていれば十分と考えてよいでしょう。字数を埋めることより、読みやすさと具体性を優先しましょう。
Q.チームで出した成果を書いてもよいですか?+
書いて構いませんが、チームの成果の中で自分が担当した部分と、自分が工夫した点を分けて書きましょう。面接では「あなたは何をしたのか」を必ず聞かれると考えておくと安心です。