KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 論文の題は、行政課題型(人口減少・DX・防災など)、職務経験型(困難・協働・改善の経験)、両方を問う組み合わせ型の3つに分けて準備すると効率的。
  • 行政課題型は、志望先の総合計画・人口ビジョン・施政方針を読み、実際の施策名と課題を2〜3行でメモしておくと書ける。
  • 職務経験型は、経験を数字・役割・学びで整理した「材料ノート」を作れば、1つの経験を複数の題に使い回せる。
  • 過去の論文の題は、特別区のように公式に公表している団体もある。志望先の受験案内やWebサイトで確認する。
  • どのテーマが出るかは予想できないので、「当てる」より「どの題でも材料を組み替えられる」状態を目指す。
この記事の目次
  1. 01経験者採用の論文テーマは、どう分類できるか
  2. 02行政課題型のテーマには、どんな分野があるか
  3. 03志望先の総合計画は、どこを読めばよいか
  4. 04職務経験型に備える「材料ノート」は、どう作るか
  5. 05初めて見る題は、どう分解して材料を当てるか
  6. 06行政課題型の題は、どんな骨組みで書けばよいか
  7. 07テーマの準備でつまずいたら、どこを直すか
  8. 08過去の題はどこで確認できるか
  9. 09よくある質問
  10. 10出典・参考

経験者採用の論文テーマは、どう分類できるか

経験者採用の論文は、題の求めによって大きく3つの型に分けられます。題を見たときに型を判断できれば、どの材料を使うかがすぐに決まります。下の題の例は、型を説明するために当サイトが作ったものです。

論文の型と求められること(題の例は当サイトの作例)
型題の例求められること
行政課題型人口減少が進む中で、持続可能な行政サービスを提供するために本市が取り組むべきことを述べよ課題の分析と、実現できる解決策
職務経験型これまでの職務で困難な課題に取り組んだ経験と、そこから得たものを述べよ具体的な経験と学び
組み合わせ型あなたの職務経験を生かし、本県のDXの推進にどう貢献できるか述べよ経験と行政課題の両方と、そのつながり

職務経験型の書き方は職務経験論文の書き方で詳しく説明しています。ここでは、どの型にも使える材料の集め方を中心に扱います。

行政課題型のテーマには、どんな分野があるか

行政課題型の題は、自治体が計画の中で重点として掲げている分野から選ばれることが考えられます。次の表は、多くの自治体の計画に共通して登場する分野と、準備のときに調べる資料の例です。出題の頻度を示すものではありません。

行政課題の分野と準備で調べる資料(当サイトの整理)
分野背景になるキーワード志望先で調べる資料の例
人口減少・少子高齢化担い手不足、地域の支え合い、子育て支援人口ビジョン、総合戦略、子ども計画
行政のDX手続きのオンライン化、業務の効率化、情報セキュリティDX推進計画、情報化計画
防災・減災避難情報、要配慮者の支援、地域の防災力地域防災計画、ハザードマップ
地域経済・観光中小企業の支援、移住・定住、関係人口産業振興計画、観光振興計画
公共施設・インフラ老朽化、維持管理の費用、施設の統廃合公共施設等総合管理計画
職員の働き方・人材育成限られた職員での行政運営、多様な人材の活用人材育成基本方針、定員管理計画

背景の数字(高齢化率や出生数など)を使う場合は、必ず出典と年を確かめてから書きます。全国の傾向は少子高齢化のまとめ、防災の用語は警戒レベルと避難指示の違いで整理しています。

志望先の総合計画は、どこを読めばよいか

行政課題型で差がつくのは、「どの自治体にも当てはまる一般論」か、「その自治体の実際の課題と施策」を踏まえているかです。計画は分量が多いので、読む場所を絞ります。

  1. 総合計画の「基本構想」で、まちの将来像と重点分野を確認する。
  2. 重点分野ごとに「現状と課題」の部分を読み、課題を1行で書き写す。
  3. 同じ分野の「主な取組」から、施策の名前を1つ選ぶ。
  4. 首長の施政方針や当初予算の主要事業で、その施策がいま力を入れられているかを確かめる。
  5. 「課題 → 施策 → 自分の経験で貢献できる点」を3行でノートにまとめる。

職務経験型に備える「材料ノート」は、どう作るか

職務経験型や組み合わせ型の題は、経験の引き出しが多いほど書きやすくなります。職歴から場面を書き出し、次の形式で3〜5件の材料ノートを作っておくと、題に合わせて組み替えられます。

材料ノートの例(当サイトが作成した架空の例)
経験数字自分の役割学び使える題の型
問い合わせ対応の改善待ち時間 約25分 → 約15分(3か月)5人チームのリーダー記録で原因を確かめてから手を打つ困難の克服、業務改善、DX
新システムの導入対象 約200人、説明会6回部署間の調整役使う人の不安を先に聞く協働、DX、組織の変革
取引先の撤退への対応代替先を2か月で確保担当者早めの情報共有と複数の選択肢危機対応、防災、リスク管理
後輩の育成3人を1年で独り立ち指導役手順を言葉にして残す人材育成、職員の働き方

1つの経験に「使える題の型」を複数書いておくのがコツです。たとえば問い合わせ対応の改善は、「困難を乗り越えた経験」にも「業務改善」にも「DXへの貢献」にも使えます。

初めて見る題は、どう分解して材料を当てるか

試験では、準備した題とまったく同じ題が出るとは限りません。題を要素に分け、要素ごとに材料ノートから当てはめます。次は当サイトの作例で分解した例です。

題の作例:「職員が減る中でも住民サービスの質を保つために、あなたの経験をどう生かすか述べよ」

題の分解と材料の当てはめ(作例)
題の要素何を書くか使う材料
職員が減る中で課題の背景(担い手不足)志望先の人材育成方針・定員管理計画のメモ
住民サービスの質を保つ目指す状態総合計画の該当分野の目標
あなたの経験具体的な経験問い合わせ対応の改善(数字と役割)
どう生かすか公務での活用記録で原因を確かめる手法を、窓口の業務改善やデジタル化に生かす

行政課題型の題は、どんな骨組みで書けばよいか

行政課題型の題は、「背景 → 課題の分析 → 解決策 → まとめ」の4段で組み立てると、題の求めを外しにくくなります。次は「人口減少の中で持続可能な行政サービスを提供するには」という作例の題に対する骨組みの例です。

行政課題型の骨組み(作例)
段落書くこと材料の出どころ
1 背景人口減少と担い手不足が進み、これまでと同じやり方では行政サービスを保ちにくい志望先の人口ビジョン(年と出典を確認した数字のみ)
2 課題の分析窓口や手続きに職員の時間が集中し、相談など人が必要な業務に手が回りにくい総合計画の「現状と課題」
3 解決策手続きのオンライン化で定型業務を減らし、空いた時間を相談支援に振り向ける。住民に使い方を案内する場も設けるDX推進計画の施策名+自分の経験(業務改善の手法)
4 まとめ職員として、記録にもとづく改善を続け、施策の効果を確かめながら進める材料ノートの「学び」

解決策は2〜3つに絞り、それぞれに「なぜ効くのか」という根拠を添えます。案を多く並べるより、実現の手順まで書けている案のほうが説得力があります。

テーマの準備でつまずいたら、どこを直すか

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
どのテーマを準備すべきか決められない分類表の6分野それぞれに、志望先の施策名を1つずつ書く
解決策が一般論になる志望先の計画の「主な取組」から施策名を引用できるか確認する
経験と行政課題がつながらない経験を技能に言い換え、技能と施策を1文で結ぶ
数字の出典があいまい官公庁の統計で年と出典を確かめ、確かめられない数字は使わない
題を見て手が止まる題を要素に分解する表を作り、要素ごとに材料を当てる

過去の題はどこで確認できるか

特別区(東京23区)の人事・厚生事務組合は、経験者採用の職務経験論文や課題式論文を含む試験問題を年度ごとに公表しています。ほかの団体でも、過去の論文の題を受験案内やWebサイトで示している場合があります。まず志望先の採用ページで「過去の試験問題」「論文の課題」などを探してください。

論文の準備は時間がかかるため、筆記試験の対策と並行して進めます。第1次試験がBEST(職務基礎力試験)の場合は、登録不要の無料お試し10問で形式を先に確かめておくと、論文に回せる時間を見積もりやすくなります。作文と論文の違いは作文と論文の書き分け、面接とのつながりは経験者採用の面接でよく聞かれる質問で確認できます。

Q & A

よくある質問

Q.論文のテーマは予想できますか?

出題されるテーマは公表されていないため、当てることはできません。分野ごとに志望先の施策をメモし、材料ノートを組み替えて書ける状態にしておくのが現実的な準備です。

Q.志望先以外の自治体の過去問も役に立ちますか?

題の型に慣れる練習には役立ちます。ただし、解決策は志望先の計画や施策に合わせて書き直す必要があります。

Q.行政課題型で統計の数字を使ってもよいですか?

使えますが、出典と年を確かめられる数字に限ります。うろ覚えの数字は誤りのもとになるので、確かめられない場合は「増加傾向にある」など傾向で書くほうが安全です。

Q.材料ノートは何件くらい作ればよいですか?

決まった件数はありませんが、3〜5件あると、困難・協働・改善など題の型に合わせて選べるようになります。1件ごとに複数の型に使えるように整理しておきましょう。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む