KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 寄与度は、各項目の増減が全体の増減率に何ポイント分当たるかを表します。
  • 寄与率は、全体の増減額に占める各項目の増減額の割合。100%を超えたり、負になったりする場合があります。
  • 本記事は単純に足せる売上額の自作例です。複雑な指数や連鎖方式の寄与度には、各統計の定義を確認します。
この記事の目次
  1. 01伸び率が最大の部門が、全体を最も押し上げたとは限らない
  2. 02自作の売上表:増えた部門と減った部門を一緒に見る
  3. 03寄与度は前年の全体を分母にする計算手順
  4. 04寄与率150%とマイナス50%が同時に成り立つ
  5. 05全体が減る場合、寄与率の符号を機械的に評価しない
  6. 06全体の増減が0なら寄与率は計算できない
  7. 07統計の指数には、その統計固有の計算方法がある
  8. 08出典・参考

伸び率が最大の部門が、全体を最も押し上げたとは限らない

A部門の売上が10%増、B部門が50%増だったとします。これだけでは、どちらが会社全体の売上増へ大きく寄与したかは決まりません。前年のAが大きく、Bが小さければ、Aの方が増加額では大きいことがあるからです。項目自身の伸び率、全体に占める割合、全体の変化への寄与を区別します。

総務省統計局は、寄与度を構成項目の変化が全体に与える影響を示す指標、寄与率を全体の変化を100とした各項目の影響として説明しています。ここでは金額を単純合計できる例で、その分母の違いを確かめます。BEST-Aの実際の問題や出題頻度を示すものではありません。

自作の売上表:増えた部門と減った部門を一緒に見る

前年の売上がA部門800万円、B部門200万円で、合計1,000万円だったとします。今年はAが920万円、Bが160万円で、合計1,080万円です。対象期間と部門の範囲は同じで、部門間の重複計上や組織変更はないと仮定します。

全体の増加額は80万円で、増加率は80÷1,000×100=8%。Aは120万円増え、Bは40万円減りました。120−40=80で合計と一致します。まず金額で橋渡しできることを確認すると、その後の率の分母を取り違えにくくなります。

部門前年(万円)今年(万円)増減額(万円)
A800920+120
B200160−40
合計1,0001,080+80

寄与度は前年の全体を分母にする計算手順

この売上表での寄与度は、部門の増減額を前年の全体売上で割り、100を掛けます。Aは120÷1,000×100=+12ポイント、Bは−40÷1,000×100=−4ポイントです。合わせると8ポイントで、全体の売上増加率8%に対応します。

A自身の増加率は120÷800×100=15%です。15%と寄与度12ポイントは分母が違います。前年の構成比80%を使えば、15%×0.8=12ポイントと同じ値になります。構成比を80という整数のまま掛けると100倍ずれるため、割合を小数へ直して計算します。

寄与度は前年の全体を分母にする計算手順上から順に確認
  1. 各部門の差を出す:A+120万円、B−40万円。
  2. 両方を前年の全体1,000万円で割る:A+0.12、B−0.04。
  3. 100を掛けてポイントへ:A+12、B−4。合計+8で全体の8%増と照合。

寄与率150%とマイナス50%が同時に成り立つ

寄与率は、部門の増減額を全体の増減額で割ります。Aは120÷80×100=150%、Bは−40÷80×100=−50%。足すと100%です。Aだけなら120万円増えたものを、Bの減少40万円が打ち消し、全体の増加が80万円になっています。

150%は、Aが会社売上の150%を占めるという意味ではありません。今年の構成比なら920÷1,080で約85.2%です。寄与率の分母は全体の売上額ではなく、全体の変化額です。全体が部分より大きいはず、という構成比の感覚をそのまま使うと誤ります。

求める量Aの計算(率・ポイントへの換算)何に対する割合か
A自身の増加率120÷800×100=15%前年のA売上
Aの寄与度120÷1,000×100=12ポイント前年の全体売上
Aの寄与率120÷80×100=150%全体の増加額
今年のA構成比920÷1,080×100≒85.2%今年の全体売上

全体が減る場合、寄与率の符号を機械的に評価しない

別の条件として、Aが120万円減、Bが40万円増なら、全体は80万円減です。Aの寄与率は−120÷−80×100=150%、Bは40÷−80×100=−50%となります。先ほどと同じ数値ですが、Aは全体の減少を大きくし、Bは減少を打ち消しています。

したがって寄与率が正だから業績が良い、負だから悪いとはいえません。全体の変化が増加なのか減少なのか、対象が売上なのか費用なのかを確かめます。符号が示す方向と、その変化を望ましいと評価することは別です。

全体の増減が0なら寄与率は計算できない

Aが40万円増、Bが40万円減なら、全体は変わりません。寄与度は前年全体1,000万円を分母にすれば+4ポイントと−4ポイントで、合計0です。一方、寄与率は全体の増減額0で割るため、定義できません。「両方50%」や「どちらも0%」で埋めないでください。

全体の増加がわずか1万円で、Aが100万円増、Bが99万円減なら、寄与率は10,000%と−9,900%です。計算上は合いますが、分母が小さいため率が極端に大きくなっています。率だけを見ず、元の増減額と総額を併記して読みます。

  1. 何を説明するかを先に決める:売上の大きさか、売上の変化か。
  2. 分母に印を付ける:前年の部門、前年全体、全体の増減額を区別。
  3. 全体が0変化なら、寄与率の計算を止める。
  4. 符号・単位・合計を確認し、打消しや丸めの有無を注記で確かめる。

統計の指数には、その統計固有の計算方法がある

今回の式は、同じ単位・同じ期間の売上を足し合わせられる前提です。物価指数や連鎖方式で作る経済統計は、ウエイトや計算方法が異なることがあります。この金額の式を、説明なくあらゆる指数へ当てはめないでください。公表値が丸められていれば、寄与度の合計と全体の増減率に表示上の差が出ることもあります。

構成比の求め方、増加率の読み方、丸めた数値の範囲へつなぐと、同じ表から違う量を計算する練習になります。BEST-Aの問題集ガイドでは、答えだけでなく分母と誤答理由を確認できる教材という観点も整理しています。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む