KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 増加量=今年−前年、増加率=(今年−前年)÷前年×100、前年比=今年÷前年×100です。
  • 前年比120%と増加率20%は同じ意味です。言い方が違うだけで、どちらも「前年の1.2倍」です。
  • 増加量が大きくても、増加率が大きいとは限りません。前年の値が大きいと増加率は小さく出ます。
  • 何年分かの変化は、前年比をかけ算で重ねます。増加率を足しても正しい答えになりません。
この記事の目次
  1. 01増加率・増加量・前年比はどう違う?
  2. 02増加率を比べる手順
  3. 03例題1:増加率が最も大きい年はどれ?
  4. 04例題2:前年比を重ねると何倍になる?
  5. 05例題3:減少率から前年の値を逆算する
  6. 06「増加率が下がった」と「減った」の違い
  7. 07つまずいたら、どの操作を確認する?
  8. 081分で解くための時短のコツ
  9. 09よくある質問
  10. 10出典・参考
図で理解する増加率の分母は、増える前の値
前年100人+20人
増加量20人計算
今年120人

増加量と増加率は、別の指標

説明用の架空データ:増加率=20÷100=20%。前年比は120÷100=120%。

増加率・増加量・前年比はどう違う?

資料解釈で最も多い取り違えが、この3つの混同です。同じデータでも、何を答えるかで計算が変わります。まず定義を表で確認しましょう。

前年200、今年230のときの3つの値
用語式この例の値単位
増加量今年−前年30元のデータと同じ(人・円など)
増加率(今年−前年)÷前年×10015%%
前年比今年÷前年×100115%%(倍で表すこともある)

増加率=前年比−100の関係があります。前年比115%なら増加率15%、前年比95%なら増加率−5%(5%の減少)です。選択肢が「前年比」と「増加率」のどちらで書かれているかを必ず確認してください。

増加率を比べる手順

  1. 選択肢が「増加量」「増加率」「前年比」のどれを比べているかに印をつける。
  2. 比べる年(期間)の前年と今年の値を拾う。
  3. 増加量(今年−前年)を出す。これは引き算だけで済む。
  4. 増加率は「増加量÷前年」の分数のまま比べる。%に直す必要はない。
  5. 分数の大小が見えにくいときは、交差してかける(a/bとc/dなら、a×dとc×bを比べる)。
  6. 「○%以上増えた」の判定は、前年×(1+○/100)と今年を比べるかけ算に直す。

手順4〜6で割り算をほぼ使わずに済むのがポイントです。資料分析全体の進め方は資料解釈のコツにまとめています。

例題1:増加率が最も大きい年はどれ?

例題1 次の表は、ある施設の年間利用者数の推移である(架空のデータ)。前年からの増加率が最も大きいのは何年か。

  • (1)2022年:増加率はちょうど15%で、2023年の約17.4%に届きません。
  • (3)2024年:増加量30に対し前年が270と大きく、増加率は約11.1%で最も小さい年です。
  • (4)2025年:増加量45は最大ですが、前年が300と大きいため増加率は15%です。増加量が最大の年を選ぶ典型的な誤りです。
年間利用者数(単位:百人、架空のデータ)
年20212022202320242025
利用者数200230270300345
増加量―30403045

(1)2022年 (2)2023年 (3)2024年 (4)2025年

解き方 増加率は、2022年が30/200、2023年が40/230、2024年が30/270、2025年が45/300です。30/200と45/300はどちらも0.15(15%)。2024年の30/270は分母が大きく約11%。残る40/230と45/300を交差してかけると、40×300=12,000、45×230=10,350で、40/230のほうが大きい。正解は(2)2023年(約17.4%)です。

例題2:前年比を重ねると何倍になる?

例題2 ある市の観光客数の前年比は、2023年が110%、2024年が120%、2025年が90%だった。2022年の観光客数を100としたとき、2025年の観光客数はいくつか。

(1)108 (2)118.8 (3)120 (4)132

  • (1)108:2023年の1.1をかけ忘れ、100×1.2×0.9とした値です。
  • (3)120:増加率を足し算し、100+10+20−10とした値です。前年比はかけ算で重ねます。
  • (4)132:2024年の値です。2025年の90%(10%減)を反映し忘れると選びます。
例題2の解き方(正解は(2)118.8)
年計算2022年を100とした値
2023年100×1.1110
2024年110×1.2132
2025年132×0.9118.8

例題3:減少率から前年の値を逆算する

例題3 ある町の2025年の出生届の件数は360件で、前年より10%減少した(架空のデータ)。2024年の件数は何件か。

(1)324件 (2)396件 (3)400件 (4)450件

  • (1)324件:今年の360からさらに10%減らした値(360×0.9)です。逆算の向きが反対です。
  • (2)396件:今年の360に、今年の10%(36)を足した値です。10%の基準は前年なので、今年を基準にすると合いません。代入すると396×0.9=356.4で360になりません。
  • (4)450件:代入すると450×0.9=405となり、360になりません。20%減(360÷0.8)と取り違えた値です。
例題3の解き方(正解は(3)400件)
手順計算わかったこと
式を立てる前年×0.9=36010%減は前年の0.9倍
前年を出す360÷0.9400件
検算400の10%は40。400−40=360一致

「増加率が下がった」と「減った」の違い

増加率の問題でもう1つ多い誤りが、増加率の低下を実数の減少と取り違えることです。例題1の2024年は、増加率が約17.4%から約11.1%に下がっていますが、利用者数自体は270から300に増えています。

読み取れること・読み取れないこと
資料に書かれていること言えること言えないこと
増加率が20%から10%に下がった増え方がゆるやかになった実数が減った
増加率がマイナスになった前年より減った過去の最低になった
前年比が105%だった前年の1.05倍に増えた他の項目より伸びが大きい
A市の増加量がB市より大きい増えた人数・金額はA市が多いA市の増加率のほうが大きい

表の右側は、ほかの情報がなければ判断できない内容です。選択肢が「確実にいえる」ものを聞いているときは、右側に当たる記述を選ばないようにします。

つまずいたら、どの操作を確認する?

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
増加量と増加率を取り違える選択肢の「量」「率」「前年比」に印をつけ、分母(前年)を書く
今年の値で割ってしまう増加率の分母は必ず比べるもとの年(前年)と決めておく
割り算に時間がかかる分数のまま比べ、交差してかける。○%以上はかけ算に直す
何年分かの変化を足し算する前年比を1.1×1.2×0.9のようにかけ算で重ねる
増加率の低下を減少と読む実数が前年より大きいかを別に確認する

基準年を100にした指数の読み方は指数の読み方、構成比の変化と実数の関係は構成比の読み方で扱っています。「○倍を超える」「○%超」の数を数える問題は倍率の判定を参照してください。

1分で解くための時短のコツ

  • 10%は1桁ずらす:前年230の10%は23。「10%以上増えた」は230+23=253と比べるだけで判定できます。
  • 分母がそろっているものから比べる:例題1の30/200と45/300は、どちらも0.15とすぐ分かるので、一方を代表にして残りと比べます。
  • 分子が大きく分母が小さいほうが大きい:40/230と30/270なら、計算しなくても40/230のほうが大きいと分かります。

手順を確認したら、時間を計って解いてみましょう。登録不要の無料お試し10問では、資料分析を含む4分野の問題を解いて全問の解説を読めます。

Q & A

よくある質問

Q.増加率がマイナスのときは何と言いますか?

「減少率」と言い換えることが多いです。前年100から今年90なら、増加率は−10%、減少率は10%です。選択肢がどちらの言い方をしているか、符号に注意して読みます。

Q.前年比と対前年増減率は同じですか?

違います。前年比は今年÷前年(115%など)、対前年増減率は増加率と同じ(15%など)で、ちょうど100ずれます。資料の注記で、どちらの意味で使っているかを確認してください。

Q.増加率を%まで正確に出す必要はありますか?

大小比較だけなら、分数のまま比べれば十分です。「○%以上」のように数値の基準がある選択肢だけ、かけ算に直して判定します。

Q.10%増えた後に10%減ると元に戻りますか?

戻りません。100が10%増えると110、そこから10%減ると110×0.9=99です。減るときの基準(110)が増える前の基準(100)より大きいため、同じ率でも減る量のほうが大きくなります。

Q.BESTの資料分析で増加率は出ますか?

公式に問題ごとの出題テーマは公表されていないため、出るとは断定できません。表やグラフの推移を読む問題では増減の比較が基本になるので、資料分析の土台として練習しておくと役に立ちます。

出典・参考

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