KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 在職中の受験は収入が途切れず、不合格でも今の仕事を続けられる。職務経験の年数も積み上がる
- 筆記は休日、面接は平日という日程が多い。面接の回数を先に数え、休暇の使い方を決めておく
- 退職の申し出は採用内定が出てから。民法の原則より、就業規則の申し出期間と引き継ぎを基準に考える
- 採用日から逆算して、退職日・有給休暇の消化・引き継ぎ・書類の準備まで計画する
この記事の目次
在職中に受けるメリットと課題は?
- 収入が続くので、落ち着いて受験先を選べる
- 不合格でも今の仕事を続けられ、翌年度に再挑戦できる
- 面接で現在の仕事の話を具体的にできる
- 職務経験の年数が受験資格の条件になる区分では、在職中の期間も数えられる
一方で、勉強時間の確保と、平日の試験や面接への対応が課題になります。筆記の負担が比較的小さい区分(BESTやSPIなど)を選ぶと、働きながらでも準備しやすくなります。BEST型の区分なら、登録不要の無料お試し10問を通勤の前後などに一度解いて、1問約1分のペースを体験しておくと、どれくらいの準備が必要か見当がつきます。
働きながら、勉強時間はどう作る?
在職中の受験で一番崩れやすいのは、勉強の習慣です。まとまった時間を待つより、毎日の決まった時間に小さく固定するほうが続きます。次は、平日は残業があり、週末は片方の日だけ使える人の仮の1週間です。
| 曜日 | 時間 | 内容(筆記がBEST型の場合の例) |
|---|---|---|
| 月〜金の朝 | 各20分 | 論理・資料分析を1日5問。解き方を一行メモに残す |
| 月〜金の通勤中 | 各10分 | 社会情勢の用語や、地方自治のしくみを確認する |
| 土曜 | 90分 | 時間を計って通しで解き、時間切れになった分野を書き出す |
| 日曜 | 休み | 志望動機のメモを少し直す程度にとどめる |
週の合計は3時間半ほどですが、試験の2〜3か月前から続けると、形式に慣れ、自分の弱点をつかむための土台になります。必要な量は人によって違うので、土曜の通し演習の結果を見ながら、平日の問題数を増やすか分野を変えるかを決めてください。繁忙期で崩れた週は、翌週に取り返そうとせず、決まった時間だけを守るのが長続きのコツです。
平日の面接には、どう休暇を取る?
第1次の筆記は休日に行われることが多い一方、面接は平日に行われることがよくあります。社会人採用では面接が2〜3回あることもあり、休暇の取り方を先に考えておく必要があります。
- 受験案内で、各段階の試験日(または予定期間)を確認し、手帳に書き込む
- 面接の候補日が示されたら、できるだけ早く休暇を申請する
- 休暇の理由は「私用」で足りることが多い。受験先の名前を言う必要はない
- オンライン面接の場合も、会社の会議室やパソコンは使わず、自宅などの私的な環境で受ける
内定から採用までは、どれくらいある?
最終合格の発表から実際の採用日までは、数か月あることが一般的です。4月1日採用の区分なら、秋に最終合格が出て、翌年4月に入庁する流れがよくあります。年度の途中に採用する区分や、採用日を相談できる区分もあります。
最終合格は、そのまま採用が確定するとは限りません。地方公務員法第21条は、人事委員会を置く自治体では合格者を採用候補者名簿に載せ、その中から採用すると定めています。その後に採用内定の通知や意向確認が行われる流れは合格から採用までの手続きで詳しく説明しています。
退職はいつ、どう伝える?
退職の申し出は、採用内定の通知を受けてからにしましょう。最終合格前に退職の意思を伝えると、不合格だった場合に戻る場所がなくなるおそれがあります。
民法第627条は、期間の定めのない雇用について、解約の申し入れの日から2週間を経過すると雇用が終了すると定めています(e-Gov法令検索で2026年9月27日確認)。ただし実際には、会社の就業規則で「退職の◯か月前までに申し出る」などと決められていることが多く、引き継ぎを考えるとそれに沿って伝えるのが円満です。期間の定めのある契約(契約社員など)の場合は扱いが違うので、契約書も確認してください。
- 就業規則で退職の申し出期間と手続き(退職願の様式など)を確認する
- 採用日から逆算して、最終出社日・有給休暇の消化・引き継ぎの期間を決める
- 直属の上司に、口頭で退職の意思を伝える(理由は簡潔に)
- 退職願を提出し、引き継ぎの計画を作る
- 健康保険・年金・雇用保険の書類、職歴証明の依頼などを退職前に済ませる
例題:この場面で、退職を伝えるのはいつ?
当サイトで作った判断の練習です。Kさんは4月1日採用の区分を受けています。会社の就業規則は「退職の1か月前までに申し出る」。10月に最終面接、11月上旬に最終合格の発表、11月下旬に採用内定の通知と意向確認の書類が届く予定です。退職を上司に伝える時期として最も適切なのはどれでしょうか。
| 選択肢 | 伝える時期 | 判定と理由 |
|---|---|---|
| 1 | 合否が出る前、最終面接を受ける前(9月) | ×:不合格なら戻れなくなる。合否が分からない段階で伝える必要はない |
| 2 | 最終合格の発表を見た直後(11月上旬) | ×:最終合格と採用内定が同じとは限らない。内定の通知を待つほうが安全 |
| 3 | 採用内定の通知を受けた後(12月ごろ) | ○:採用日が確認でき、規程の1か月前より十分早く、引き継ぎの期間も取れる |
| 4 | 規程ぎりぎりの、退職日の1か月前(2月末) | ×:規程の期限には間に合っても、引き継ぎと有給休暇の消化が難しくなる |
正解は3です。「採用が確実になったか」と「規程の期限と引き継ぎに間に合うか」の2つを両方満たす時期を選ぶのがポイントです。
採用日から逆算すると、どんなスケジュールになる?
4月1日採用、就業規則で「退職の1か月前までに申し出る」と定めている会社の場合の例です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 11月 | 最終合格・採用内定の通知を受ける。採用日と提出書類を確認 |
| 12月 | 上司に退職の意思を伝える。退職日を3月31日などで調整 |
| 1月 | 退職願を提出。引き継ぎの計画を作り、職歴証明を依頼 |
| 2月 | 引き継ぎを進める。有給休暇の消化日を決める |
| 3月 | 最終出社・退職。健康保険・年金・雇用保険の書類を受け取る |
| 4月1日 | 入庁 |
引き継ぎの量が多い仕事や、繁忙期と重なる場合は、規程の期間より早めに伝えると円満に進めやすくなります。
退職前後で、ほかに気を付けることは?
- 採用日の前日までに退職していることが必要。前職と公務員の期間が重ならないようにする
- 採用後は、地方公務員法第22条により6か月の条件付採用期間がある(延長される場合もある)
- 前職の職歴証明(在職期間・雇用形態)は、給料の決定に使われることがある。退職前に依頼方法を確認する
- 競業避止や秘密保持など、前職の就業規則で退職後に関わる条項がないか確認する
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 面接の日に休暇が取れない | 候補日が複数あるか受験案内で確認し、早めに人事担当課へ相談する |
| 退職を引き止められた | 採用日が決まっていることと、引き継ぎへの協力を伝え、退職日は変えられないと丁寧に説明する |
| ボーナスの支給日と退職日が近い | 会社の規程で支給日と在籍の条件を確認し、採用日と矛盾しない範囲で調整する |
| 職歴証明をどこに頼めばよいか分からない | 人事・総務の窓口と、退職後でも発行してもらえるかを退職前に確認する |
遠方から受ける場合はUIJターンで地元の役所に転職する、面接の服装は経験者採用の面接の服装、現役の公務員が別の自治体を受ける場合は公務員から別の自治体へ転職するを参考にしてください。
Q & A
よくある質問
Q.受験先から今の職場に連絡が行くことはありますか?+
心配な場合は、受験案内や人事担当課の説明で職歴の確認方法を確かめておきましょう。内定後に職歴証明などの提出を求められることが多く、そのときに自分で会社へ依頼する形が一般的です。
Q.退職を引き止められたらどうすればよいですか?+
採用日が決まっていることを伝え、引き継ぎに協力する姿勢を示したうえで、退職日は変えられないと丁寧に説明しましょう。
Q.ボーナスをもらってから辞めたいのですが。+
支給日と在籍の条件は会社の規程で決まります。採用日との兼ね合いで調整できるか、規程を確認してください。
Q.不合格だった場合に備えて何をしておけばよいですか?+
退職の話を進めていなければ、今の仕事を続けながら翌年度の試験や他の自治体を検討できます。受けた試験の反省点をメモしておくと、次の準備に役立ちます。