KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 同音異義語は、熟語全体の雰囲気ではなく違う方の漢字1字の意味で決める。保「証」は証明、保「障」は守る、「補」償は補う。
- 手順は、①空欄の前後から「何を・どうする」を言い換える、②候補の違う1字の意味を当てる、③例文を1つ思い出して確かめる、の3段階。
- 行政の文脈では、人事異動・決裁・規程・地方議会の招集など、役所で使う側の漢字を確実にしておくと実務でも役立つ。
- カタカナ2語を漢字にする組合せ問題は、確実な方から決めて選択肢を半分にする。
この記事の目次
同音異義語の問題はどう問われる?
BESTの「文章を正確に理解する力」の対策では、国語の知識として熟語の書き分けにも備えておくと安心です(出題の内訳は公表されていません)。4択の試験なので、手で書く書き取りではなく、カタカナの語に当てはまる漢字を選ぶ形になると考えて練習するのが効率的です。以下は当サイトの学習用の整理で、公式の出題形式を再現したものではありません。
| 型 | 問われ方 | 解くときのポイント |
|---|---|---|
| 2語の組合せ | 文中のカタカナ2語を漢字にしたときの組合せを選ぶ | 確実な方を先に決め、選択肢を2つに絞る |
| 正誤の組合せ | 下線部ア・イの漢字の使い方の正誤の組合せを選ぶ | 違う1字の意味が文脈に合うかを見る |
| 最も適切なもの | 4つの文のうち、漢字が正しく使われているものを選ぶ | 誤りの典型(似た場面の語)から消す |
どの型でも、判断の材料は同じです。違う方の漢字1字の意味を知っていれば、初めて見る文でも決められます。
迷わず選ぶための3つの手順
- 文脈を言い換える:カタカナの語の前後を読み、「何を・どうする」を自分の言葉で言い換える(例:「原因をツイキュウする」→原因を深く調べる)。
- 違う1字の意味を当てる:候補の熟語で異なる漢字を取り出し、その字の意味を考える(追「求」=もとめる、追「及」=問い詰めて及ぶ、追「究」=きわめる)。
- 例文で確かめる:決めた熟語の典型的な例文を1つ思い出し、同じ使い方か確かめる(「真理を追究する」と同じ型か)。
手順2が最も大事です。例えば「保証・保障・補償」なら、証=あかし(間違いないと請け合う)、障=ふせぐ・守る(権利や地位を守る)、補+償=おぎなって償う(損害を埋め合わせる)と、1字の意味が違いをそのまま表しています。
行政・ビジネスで使う同音異義語15組
社会人採用の受験者が実務でも使う語を中心に、本サイトで15組を選びました。右端の例文は独自に作成したものです。
| 読み | 漢字 | 意味(決め手の1字) | 例文 |
|---|---|---|---|
| ほしょう | 保証/保障/補償 | 請け合う(証)/守る(障)/損害を償う(補償) | 品質を保証する/社会保障/損失を補償する |
| ついきゅう | 追求/追及/追究 | 追い求める(求)/問い詰める(及)/きわめる(究) | 利益の追求/責任の追及/原因の追究 |
| たいしょう | 対象/対照/対称 | 相手・目標(象)/比べる(照)/つり合う(称) | 支給の対象者/新旧対照表/左右対称 |
| いどう | 異動/移動/異同 | 地位・勤務が変わる/場所を移る/違い | 4月の人事異動/会場を移動する/字句の異同 |
| せいさん | 精算/清算 | 細かく計算し直す/貸し借りを整理して終える | 交通費を精算する/債務を清算する |
| かいてい | 改定/改訂 | 決まりを改める/書物の内容を改める | 手数料の改定/手引きの改訂版 |
| けっさい | 決裁/決済 | 上位者が案を承認する(裁)/支払いを済ませる(済) | 課長の決裁を受ける/カードで決済する |
| しょうしゅう | 召集/招集 | 国会を呼び集める/会議・地方議会を呼び集める | 国会を召集する/議会を招集する |
| きてい | 規定/規程 | 個々の定め/一連の定めの全体 | 第5条の規定/文書管理規程 |
| かいとう | 回答/解答 | 問い合わせに答える/問題を解いた答え | 照会への回答/試験の解答 |
| しゅうしゅう | 収集/収拾 | 集める/混乱をまとめる(拾) | 情報を収集する/事態を収拾する |
| かてい | 過程/課程 | 物事の進む道筋/学ぶ範囲・順序 | 審査の過程/教育課程 |
| いし | 意思/意志 | 考え・思い/やり遂げようとする心 | 意思表示/意志が強い |
| たいせい | 体制/態勢 | 組織の仕組み/物事に対する構え・準備 | 管理体制/受け入れ態勢 |
| ほそく | 補足/捕捉 | 足りない所を補う/捕らえる・つかむ | 説明を補足する/レーダーで機影を捕捉する |
「召集」と「招集」は、根拠となる法令の用字が分かれています。日本国憲法第7条は天皇の国事行為として「国会を召集すること」を定め、地方自治法第101条は「普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集する」と定めています(e-Gov法令検索、2026年9月27日確認)。国会は召集、地方議会は招集と覚えておくと、行政の文章で迷いません。
例題3問:カタカナを漢字にして判定する
【例題1】次の文中のカタカナ部分ア・イを漢字にしたときの組合せとして、正しいものはどれか。
「事故の原因を(ア)ツイキュウするとともに、管理者の責任を(イ)ツイキュウする。」
- ア 追求 / イ 追及
- ア 追究 / イ 追及
- ア 追究 / イ 追求
- ア 追及 / イ 追究
【例題2】次の下線部ア・イの漢字の使い方の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。 ア:人事移動で、4月から税務課に配属された。 イ:来年度から窓口の手数料を改定する。 選択肢:1 ア正・イ正 2 ア正・イ誤 3 ア誤・イ正 4 ア誤・イ誤
【例題3】漢字の使い方が最も適切なものはどれか。 1 社会保証制度を見直す。 2 部長の決済を受けてから発注する。 3 混乱した事態の収集を図る。 4 新旧対照表を添えて説明する。
例題の解説:誤りの選択肢はどこで外れる?
| 例題 | 正解 | 正解の根拠 | 誤りの選択肢が外れる理由 |
|---|---|---|---|
| 例題1 | 2 | 原因は深く調べる(究)、責任は問い詰める(及) | 1はアを「追い求める」にしている。3はイを「追い求める」に、4は2語を逆にしている |
| 例題2 | 3 | 勤務先・地位が変わるのは「異動」なのでアは誤り。料金など決まりを改めるのは「改定」でイは正しい | 1・2はアを正とし、4はイを誤としている(書物の改訂と混同) |
| 例題3 | 4 | 新旧を比べて示す表は「対照表」 | 1は権利を守る「保障」、2は承認の「決裁」、3は混乱をまとめる「収拾」が正しい |
例題1は、イの「責任をツイキュウ」を先に決めると速く解けます。責任は問い詰めるものなので「追及」で確定し、選択肢は1と2に絞られます。あとはアの「原因」が追い求めるものか、きわめるものかを比べるだけです。
例題3のように「最も適切なもの」を選ぶ問題では、4つすべてを検討する前に、明らかに場面の違う語(支払いの「決済」を承認の場面で使っている等)から消します。
つまずき別:どの操作で確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 3つの候補がどれも正しく見える | 違う1字を取り出し、その字の訓読み(あかし・まもる・つぐなう)で意味を確かめる |
| 意味は分かるが例文が浮かばない | 表の例文を1組ずつ声に出し、名詞とのつながり(責任を→追及)で覚える |
| 「異動」と「移動」で迷う | 人の地位・勤務先が変わるか、物や人の位置が変わるかを分ける |
| 「決裁」と「決済」で迷う | 上司の承認なら「裁く」、お金のやり取りなら「済ます」 |
| 組合せ問題で時間がかかる | 確実な方から決め、選択肢を2つに絞ってから残りを判定する |
書き分けは、知識があれば1問20〜30秒で解ける問題です。本番のように他の分野と混ぜて解いたときに手順が使えるかは、登録不要の無料お試し10問で試せます。
1分でできる時短のコツ
- 場面の語を先に見る:「人事」「責任」「部長の」「国会」などの語が空欄の直前にあれば、その場面で使う熟語がほぼ決まる。
- 違う1字だけを見る:保証・保障・補償のように3つ並んだら、共通の字は無視して、違う字の意味だけを比べる。
- 組合せ問題は半分にする:確実な方で選択肢を2つに減らしてから、もう一方を考える。
- 迷った語は実務の文書で確かめる:職場の通知文や自治体の広報で使われている形を見ると、行政での使い分けが定着する。
漢字の読みの問題は読み間違えやすい漢字・熟語一覧、意味を取り違えやすい言い回しは間違えやすい言葉の正誤、慣用句は慣用句の意味と誤用で練習できます。文章理解の全体像は文章理解の対策まとめへ。
Q & A
よくある質問
Q.「意思」と「意志」はどちらを使えばよいですか。+
考えや思いを表すときは「意思」(意思表示、意思疎通)、困難があってもやり遂げようとする心を表すときは「意志」(意志が強い)です。法令用語としては主に「意思」が使われます(意思表示など)。
Q.「体制」「態勢」「体勢」の違いは何ですか。+
「体制」は組織や社会の仕組み(管理体制)、「態勢」は物事に対する構えや準備の状態(受け入れ態勢)、「体勢」は体の構え(体勢を崩す)です。行政の文章では前の2つを使い分ける場面が多くなります。
Q.「規定」と「規程」はどう違いますか。+
「規定」は個々の条文や定めを指し、「規程」は一定の目的のために定められた一連の規定の全体(文書管理規程など)を指すのが一般的です。
Q.同音異義語は何組くらい覚えればよいですか。+
範囲は決まっていません。まずこの記事の15組を、違う1字の意味とともに確実にし、演習で迷った語を追加していく方法が効率的です。