KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 慣用句の問題で迷いやすいのは、世間で本来と逆の意味に使われがちな語(役不足・気が置けない・情けは人のためならず など)。
  • 文化庁の平成24年度「国語に関する世論調査」では、「役不足」を本来の意味で答えた人は41.6%、「気が置けない」は42.7%、「流れに棹さす」は23.4%で、いずれも本来と異なる意味の回答の方が多かった。
  • 覚え方は、構成する語の元の意味から理由づけすること。「気が置けない」の「置く」は「心を隔てる・遠慮する」。
  • 例題では「よく聞く使い方」の選択肢を疑い、本来の意味の選択肢を探すと速く判定できる。
この記事の目次
  1. 01慣用句の問題では何が問われる?
  2. 02逆の意味に取られやすい慣用句12の一覧
  3. 03文化庁の調査で分かる「誤解の多さ」
  4. 04意味を導く3つの手順
  5. 05例題3問:意味・使い方・正誤の組合せ
  6. 06つまずき別:どの操作で確認する?
  7. 071分でできる覚え方と時短のコツ
  8. 08よくある質問
  9. 09出典・参考

慣用句の問題では何が問われる?

慣用句は、2つ以上の語が結びついて、元の語とは別の決まった意味を表す言い回しです。BESTの「文章を正確に理解する力」の対策として、意味を問う問題に備えておくと安心です。

4択にすると、主に「意味として正しいものを選ぶ」「使い方として適切な文を選ぶ」「2つの文の使い方の正誤の組合せを選ぶ」の3つの型が考えられます。以下は当サイトの学習用の整理で、公式の出題形式や出題範囲を示すものではありません。

慣用句の問題の型(本サイトの学習用整理)
型問われ方判定のポイント
意味を選ぶ慣用句の意味として正しいものを4つから選ぶよく聞く誤用の意味が選択肢に入っていると考えて読む
使い方を選ぶ4つの文のうち、慣用句の使い方が適切なものを選ぶ文の場面が、本来の意味に合っているか確かめる
正誤の組合せア・イの使い方の正誤の組合せを選ぶ片方ずつ判定し、確実な方で選択肢を絞る

逆の意味に取られやすい慣用句12の一覧

意味の問題で迷うのは、日常で本来と違う意味に使われている語です。本来の意味と、取り違えやすい意味を並べました。

逆の意味に取られやすい慣用句(本サイト作成。意味は国語辞典を参照)
慣用句本来の意味取り違えやすい意味覚え方のヒント
役不足力量に比べて役目が軽すぎる役目に対して力量が足りない足りないのは「役」の方。力不足と区別する
気が置けない遠慮や気づかいをしなくてよい油断できない、気を許せない「気を置く=遠慮する」を打ち消している
情けは人のためならず人に情けをかけると、巡り巡って自分に返ってくる情けをかけるとその人のためにならない「ためならず」は「ためではない(自分のため)」
流れに棹さす流れに乗って勢いを増す流れに逆らう棹で川底を突いて舟を進める動作
煮詰まる議論が出尽くして結論が出る段階になる行き詰まって先に進めない料理が煮詰まって仕上がる様子
檄を飛ばす自分の主張を広く知らせて同意を求める元気のない人を叱って励ます「檄」は人々に呼びかける文書
姑息一時しのぎひきょう「姑」は「しばらく」の意味
破天荒誰も成し得なかったことを初めて行う豪快で大胆な様子「天荒(未開の地)を破る」
敷居が高い不義理などがあって、その人の家に行きにくい高級で入りにくい自分側に後ろめたさがある
他山の石他人の誤った言行も、自分を磨く助けになる他人の良い行いを手本にするよその山の粗い石でも玉を磨ける
琴線に触れる感動や共鳴を与える怒りを買う「逆鱗に触れる」と混同しない
枯れ木も山のにぎわいつまらないものでもないよりはまし(自分をへりくだって使う)人が多い方がにぎやかでよい他人に使うと失礼になる

表の右列のように、語の成り立ちを一言で説明できるようにしておくと、選択肢に誤用の意味が並んでいても迷いにくくなります。

文化庁の調査で分かる「誤解の多さ」

文化庁は平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を行い、慣用句の意味の理解も調べています。平成24年度の調査結果(集計表)では、次の3語で本来と異なる意味の回答が上回りました(文化庁、2026年9月27日確認)。

出典:文化庁「平成24年度 国語に関する世論調査」集計表(全国16歳以上、有効回答2,153人)
語(調査の例文)本来の意味の回答本来と異なる意味の回答
役不足(彼には役不足の仕事だ)力量に対して役目が軽すぎる:41.6%力量に対して役目が重すぎる:51.0%
気が置けない(その人は気が置けない人ですね)気配りや遠慮をしなくてよい:42.7%気配りや遠慮をしなくてはならない:47.6%
流れに棹さす(その発言は流れに棹さすものだ)傾向に乗って勢いを増す:23.4%傾向に逆らって勢いを失わせる:59.4%

この数字は、誤用が多い語ほど「正しい意味を選べるか」で差がつきやすいことを示しています。ただし、特定の語が試験に出るかどうかは分かりません。一覧の語を足がかりに、迷ったら本来の意味を選ぶという判断の軸を身につけることが目的です。

意味を導く3つの手順

  1. 慣用句を語に分ける:「気が/置け/ない」「役/不足」のように区切る。
  2. 元の語の意味を当てる:「置く」=心を隔てて遠慮する、「不足」=役の方が足りない(軽い)。
  3. 選択肢と照合する:導いた意味と一致する選択肢を選ぶ。日常でよく聞く意味の選択肢は、誤用のパターンではないか一度疑う。

手順2で元の意味が分からない語は、一覧の「覚え方のヒント」をそのまま覚えるのが近道です。すべての慣用句を理屈で導けるわけではないので、一覧の語は丸ごと覚え、初見の語だけ手順で推測する、と分けると効率的です。

例題3問:意味・使い方・正誤の組合せ

【例題1】「気が置けない」の意味として最も適切なものはどれか。

  1. 遠慮や気づかいをしなくてよい
  2. 油断できず、気を許せない
  3. 細かいところまでよく気が回る
  4. 気持ちが落ち着かない
例題1〜3の解説(本サイト作成の独自問題)
例題正解根拠誤りの選択肢が外れる理由
例題11「気を置く(遠慮する)」必要がない、という意味2は本来と逆の、よくある誤解。3・4は「気」を含む別の意味を足した選択肢
例題23イは力量に比べて役目が軽いので正しい。アは力が足りない意味で使っているので誤り1・2はアを正としている。4はイを誤としている
例題34人に情けをかけると巡り巡って自分に返るので、進んで手を貸すという文脈に合う1は「行き詰まる」、2は「良い手本」、3は「高級で入りにくい」という取り違えやすい意味で使っている

例題3のような「使い方を選ぶ」問題は、4つの文を読んでよく聞く言い回しほど疑うのがコツです。1〜3はどれも日常で耳にする使い方ですが、本来の意味とは逆になっています。

つまずき別:どの操作で確認する?

つまずき別の確認操作(本サイト作成)
つまずき確認する操作
よく聞く意味を選んで間違えるその意味が一覧の「取り違えやすい意味」に当たらないか確かめる
語の意味から推測できない成り立ち(棹で舟を進める、天荒を破る)を一言で覚える
似た慣用句と混同する琴線と逆鱗のように、対になる語をセットで覚える
使い方の問題で時間がかかる文の場面を一言に言い換え(行き詰まっている等)、本来の意味と比べる
自信がない選択肢が2つ残る本来の意味に近い方を選ぶと決めておき、迷う時間を減らす

慣用句は1問を20〜30秒で終えたい分野です。他の分野の問題と混ぜたときに判断がぶれないか、登録不要の無料お試し10問で確かめられます。

1分でできる覚え方と時短のコツ

  • 否定形で覚える:「役不足は、力不足ではない」「気が置けないは、油断できないではない」と、誤用の意味を打ち消す形で言う。
  • 対になる語で覚える:琴線に触れる(感動)⇔逆鱗に触れる(怒り)、役不足(役が軽い)⇔力不足(力が足りない)。
  • 本番では選択肢から読む:意味を問う問題は、選択肢に誤用の意味が必ずあると考え、それを先に消す。

似た形の言い回しを混ぜてしまう誤り(汚名挽回・的を得る など)は間違えやすい言葉の正誤、漢字の書き分けは同音異義語の使い分けで確認できます。文章の空欄に言葉を補う問題は接続語の空欄補充、分野全体は文章理解の対策まとめへ。

Q & A

よくある質問

Q.慣用句とことわざの違いは何ですか。

慣用句は「気が置けない」「役不足」のように、語が結びついて決まった意味を表す言い回しです。ことわざは「情けは人のためならず」のように、教訓や生活の知恵を一文で表したものです。試験対策では区別よりも意味を正しく押さえることを優先してください。

Q.誤用の意味が広まった語は、そちらも正解になりませんか。

辞書によっては新しい意味を併記する語もあります。ただし試験で「本来の意味」「意味として最も適切なもの」を問われた場合は、本来の意味を選ぶのが安全です。

Q.どのくらい覚えればよいですか。

範囲は決まっていません。まずこの記事の12語を確実にし、問題演習で知らなかった語を追加していく方法が効率的です。

Q.世論調査の最新の結果はどこで見られますか。

文化庁の「国語に関する世論調査」のページで、年度ごとの結果の概要と集計表が公開されています。調査する語は年度によって異なります。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む