KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 読みの問題は、字面から自然に出てくる読みが誤りになっている語で迷いやすい。出納(すいとう)・遵守(じゅんしゅ)・言質(げんち)など。
  • 覚えるときは「正しい読み」だけでなく「なぜ誤読しやすいか」(似た字・別の音読み)をセットにすると定着する。
  • 早急(さっきゅう/そうきゅう)のように慣用読みが広まっている語は、試験では本来の読みを選ぶのが安全。ただし慣用読みを「誤り」と断定する問題は出しにくい。
  • 同じ漢字で読みが違うものを選ぶ問題は、熟語ごとに音読みを書き出して比べると30秒で解ける。
この記事の目次
  1. 01漢字の読みの問題はどんな形で問われる?
  2. 02仕事でも使う、読み間違えやすい熟語20語
  3. 03音読みが複数ある漢字はどう見分ける?
  4. 04例題3問:読みの正誤と、読みが違うものを選ぶ
  5. 05例題の解説:誤りの選択肢はなぜ外れる?
  6. 06慣用読みが広まっている語はどう扱う?
  7. 07つまずき別:どの操作で確認する?
  8. 081分でできる覚え方と時短のコツ
  9. 09よくある質問
  10. 10出典・参考

漢字の読みの問題はどんな形で問われる?

BESTの「文章を正確に理解する力」の対策では、国語の知識として漢字の読みにも備えておくと安心です(出題の内訳は公表されていません)。4択の形にすると、主に次の3つの型が考えられます。以下は当サイトが練習用に整理した型で、公式の出題形式を再現したものではありません。

漢字の読みの問題の型(本サイトの学習用整理)
型問われ方判定のポイント
正誤の組合せ下線部ア・イの読みの正誤の組合せを選ぶ片方ずつ確実に判定し、残りを消去する
読みが違うものを選ぶ同じ漢字を含む4語のうち、読みが異なるものを選ぶ4語すべての音読みを書き出して比べる
正しい読みを選ぶ4つの熟語と読みの組から、正しいものを選ぶ誤読の典型(似た字・別の音)に当てはまる選択肢から消す

どの型でも、読みを「なんとなく」で判断すると迷います。次の一覧で、正しい読みと、間違えやすい理由をセットで確認してください。

仕事でも使う、読み間違えやすい熟語20語

社会人採用の受験者にとって、役所の書類や業務連絡で目にする語は、試験だけでなく実務でも読めないと困るものです。本サイトが選んだ20語を、誤読の理由とともにまとめます。

読み間違えやすい熟語20語(本サイト作成。読みは常用漢字表・国語辞典を参照)
熟語正しい読みよくある誤読間違えやすい理由・覚え方
出納すいとうしゅつのう「出」をスイと読む数少ない語。現金の出し入れ
遵守じゅんしゅそんしゅ「尊」と形が似ている。法令をよく守ること
進捗しんちょくしんぽ「捗(はかど)る」のチョク。物事の進み具合
漸次ぜんじざんじ「暫時(ざんじ)=しばらく」と混同しやすい。漸次は「だんだん」
割愛かつあいわりあい惜しみながら省くこと。「割合」と取り違えやすい
相殺そうさいそうさつ「殺」をサイと読む。差し引いて帳消しにする
凡例はんれいぼんれい書類や地図の冒頭の使い方の説明
解熱げねつかいねつ「解」をゲと読む。熱を下げること
代替だいたいだいがえ「替」を訓読みしてしまう。ほかのもので代えること
境内けいだいきょうない「境」をケイと読む。神社や寺の敷地
所以ゆえんしょい理由・わけ。「〜が〜たる所以」の形で使う
続柄つづきがらぞくがら住民票などで世帯主との関係を示す欄。「ぞくがら」を慣用として載せる辞書もある
補填ほてんほしん「填」は「真」ではなくテン。不足を補うこと
言質げんちげんしつ「質」をチと読む。後の証拠となる言葉
杜撰ずさんとせん手抜きが多くいい加減なこと
市井しせいいちい人が集まり住む所、世間
遊説ゆうぜいゆうせつ「説」をゼイと読む。各地を演説して回ること
反故ほごはんこ約束などを無かったことにする(反故にする)
老舗しにせろうほ熟字訓(語全体に当てた読み)。古くから続く店
間髪を入れずかんはつをいれずかんぱつをいれず「間、髪を入れず」と区切る。すぐに

誤読の多くは、①形の似た字に引きずられる(遵→尊、填→真)、②その字のよく使う読みで読んでしまう(出→シュツ、殺→サツ、質→シツ、替→かえ)、の2つが原因です。一覧を覚えるときは、右列の理由を声に出して確認すると、選択肢の誤読を見たときに気づきやすくなります。

音読みが複数ある漢字はどう見分ける?

「同じ漢字を含む4語のうち、読みが違うものを選べ」という型では、音読みが2つ以上ある漢字が使われます。代表的な漢字を整理しておくと、見た瞬間に候補を絞れます。

音読みが複数ある漢字(本サイト作成。音訓は常用漢字表を参照)
漢字音読みA(例)音読みB(例)注意点
易エキ(貿易・交易・不易)イ(容易・簡易・安易)「たやすい」の意味ならイ、「かえる・取りかえる」ならエキ
省セイ(反省・帰省)ショウ(省略・省庁)「かえりみる」はセイ、「はぶく・役所」はショウ
率リツ(比率・効率)ソツ(引率・率先・軽率)割合の意味ならリツ、「ひきいる」はソツ
行コウ(行動・行政)ギョウ(行事・修行)アン(行脚)という読みもある
納ノウ(納税・納付)ナッ(納得)・トウ(出納)ナ(納屋)・ナン(納戸)もある
分ブン(分析)フン(分別=判断力)分別は「ぶんべつ(分ける)」と「ふんべつ(判断力)」で意味が変わる

コツは、漢字の意味によって読みが分かれることに注目することです。「易」なら「やさしい」か「かわる」か、「率」なら「割合」か「ひきいる」か。意味を先に決めると、読みが自動的に決まります。

例題3問:読みの正誤と、読みが違うものを選ぶ

【例題1】次の下線部ア・イの読みの正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

ア:会計課で現金の出納(しゅつのう)を担当する。 イ:職員は法令を遵守(じゅんしゅ)しなければならない。

  1. ア 正 / イ 正
  2. ア 正 / イ 誤
  3. ア 誤 / イ 正
  4. ア 誤 / イ 誤

【例題2】下線部の漢字「易」の読み方が、他と異なるものはどれか。 1 貿易 2 容易 3 交易 4 不易

【例題3】熟語と読みの組合せとして正しいものはどれか。 1 漸次(ざんじ) 2 凡例(ぼんれい) 3 杜撰(とせん) 4 言質(げんち)

3問とも、まず自分で答えを決めてから次の解説表を見てください。

例題の解説:誤りの選択肢はなぜ外れる?

例題1〜3の解説(本サイト作成の独自問題)
例題正解根拠誤りの選択肢が外れる理由
例題13出納は「すいとう」なのでアは誤り。遵守は「じゅんしゅ」でイは正しい1・2はアを正とし、4はイを誤としている
例題22容易だけが「イ」(たやすい)。他の3語は「エキ」貿易・交易は「取りかえる」、不易は「変わらない」の意味で、いずれもエキ
例題34言質は「げんち」1漸次はぜんじ(暫時との混同)、2凡例ははんれい(凡のよく使う読みに引きずられた誤読)、3杜撰はずさん(字形からの推測)

例題1は、確実に分かる方から判定するのがコツです。出納を「すいとう」と知っていれば、その時点で選択肢は3と4に絞られ、遵守だけを確かめれば済みます。例題3のように「正しいものを選ぶ」問題では、誤読の典型(似た語との混同・よく使う読み・字形からの推測)に当てはまる選択肢を先に消すと、残りを確かめる時間が短くなります。

慣用読みが広まっている語はどう扱う?

本来の読みとは別の読み方が広く使われるようになった語を、慣用読みと呼びます。辞書によっては慣用読みも併記しているため、「誤読」と断定できない語もあります。

慣用読みが広まっている語の例(本サイト作成。扱いは辞書により異なる)
熟語本来の読み広まっている読み試験での扱い
早急さっきゅうそうきゅう選択肢に並べば本来の読みを選ぶ
重複ちょうふくじゅうふく同上
貼付ちょうふてんぷ「添付」との混同から広まったとされる
施策しさくせさく行政では「せさく」と言う人もいる
情緒じょうしょじょうちょ現在は「じょうちょ」も一般的

4択の問題を作る側から見ると、慣用読みを「誤り」とする選択肢は正答が揺らぐため避けたいものです。したがって、こうした語が出るとすれば「本来の読みはどれか」を問う形が考えられます。迷ったら本来の読みを選ぶ、と決めておけば時間をかけずに済みます。

つまずき別:どの操作で確認する?

つまずき別の確認操作(本サイト作成)
つまずき確認する操作
知っている語なのに読みを選べないその字のよく使う読み(出→シュツ等)で読んでいないか疑う
形の似た字で迷う部首以外の部分(遵の「尊」、填の「真」)を分けて見る
読みが違うものを選ぶ問題で時間がかかる4語の音読みを横に書き出し、1つだけ違うものを探す
2つの読みがどちらも正しく見える本来の読みと慣用読みの関係か確かめ、本来の読みを優先する
意味が分からない語が出る漢字1字ずつの意味から推測し、確実に誤りの選択肢から消す

読みの問題は1問あたりの所要時間を短くしやすい分野なので、ここで稼いだ時間を現代文や資料の問題に回せます。知識問題と読解問題の配分を本番に近い形で試したい方は、登録不要の無料お試し10問から始められます。

1分でできる覚え方と時短のコツ

  • 誤読と正解をペアで覚える:「出納はしゅつのうではなく、すいとう」と、否定形まで言う。選択肢の誤読を見た瞬間に反応できる。
  • 毎日5語だけ:一覧を一度に覚えず、通勤中などに5語ずつ確認し、翌日に前日分を読み直す。
  • 本番では書き出す:読みが違うものを選ぶ問題は、頭の中で比べず、4語の読みを余白に書くほうが速く確実。
  • 意味で読みを決める:音読みが複数ある漢字は、その語での意味(やさしい/かわる 等)を先に決める。

同じ読みで字が違う語の書き分けは同音異義語の使い分け、意味を取り違えやすい語は慣用句の意味と誤用で練習できます。文章理解の全体像は文章理解の対策まとめ、敬語は「お」「ご」の使い分けへ。

Q & A

よくある質問

Q.慣用読みで答えたら不正解になりますか。

問題の作り方によります。「本来の読みはどれか」と問われていれば本来の読みが正解です。慣用読みを誤りと断定する選択肢は正答が揺らぐため作りにくいので、迷ったら本来の読みを選ぶのが安全です。

Q.どのくらいの語数を覚えればよいですか。

決まった範囲はありません。まずこの記事の20語と、音読みが複数ある漢字6字を確実にし、問題演習で知らなかった語を追加していく方法が効率的です。

Q.熟字訓とは何ですか。

「老舗(しにせ)」「為替(かわせ)」のように、漢字1字ずつの読みではなく、語全体に当てた読みのことです。1字ずつ音読みした選択肢は誤りになります。

Q.漢字の書き取りも出ますか。

4択の試験なので、手で書く問題ではなく、カタカナの語に当てはまる漢字を選ぶ形が考えられます。同音異義語の使い分けで練習しておくと対応できます。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む