KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 内容一致問題の誤りの選択肢は、ほぼ3つの型に分けられる。①言い過ぎ(すべて・必ず)、②本文にない、③主語や因果のすり替え。
- 正しい選択肢は、本文の語をそのまま写すより言い換えていることが多い。本文と同じ語が多い選択肢ほど、どこか一語が変えられていないか疑う。
- 手順は、設問の向き(合う/合わない)を確認→選択肢を先に読んで印をつける→本文の該当箇所と照合、の順。
- 「本文と矛盾する」と「本文に書かれていない」は別物。どちらも「合うもの」にはならないが、見分けられると迷いが減る。
この記事の目次
内容一致問題では何を判断する?
内容一致問題は、短い文章を読み、その内容と合う(または合わない)選択肢を選ぶ問題です。BESTの文章理解でも、評論や行政に関する短い文章の読み取りに備えておく必要があります。
判断の基準は一つだけで、本文に書かれていることから言えるかどうかです。一般常識として正しい内容や、ありそうな内容でも、本文から言えなければ「合う」とは判定しません。実務経験が長い社会人ほど、知っている知識で選択肢を補ってしまいやすいので注意が必要です。
| 選択肢の状態 | 判定 | 例(本文:来客数はほぼ横ばいだった) |
|---|---|---|
| 本文の内容を言い換えている | 合う | 来客数に大きな変化はなかった |
| 本文と反対のことを言っている(矛盾) | 合わない | 来客数は大きく増えた |
| 本文に書かれていない | 合わない | 来客の年齢層が若くなった |
| 本文より強く言っている(言い過ぎ) | 合わない | 来客数は今後も変わらない |
誤りの選択肢の3つの型
誤りの選択肢は、本文の一部を少しだけ変えて作られます。変え方の型を知っておくと、どこを確認すればよいかがすぐに分かります。
| 型 | 変え方 | 目印になる語 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| ①言い過ぎ | 本文の限定を外して強くする | すべて・必ず・常に・〜しかない・〜べきだ | 本文に「多くの」「ある市では」などの限定がないか |
| ②本文にない | 本文にない情報を付け足す | 本文に出てこない名詞・数字・理由 | その情報が本文のどこにあるか指させるか |
| ③すり替え | 主語・対象・因果の向き・時点を入れ替える | 〜によって・〜のため・〜した結果 | 誰が、何が原因で、いつの話か |
③のすり替えは、本文の語をたくさん含むため、一見すると正しく見えるのが特徴です。「AによってBが起きた」という選択肢は、本文でAとBが同じ文に並んでいるだけなのか、本当に原因と結果として書かれているのかを確かめてください。
本文と照合する5つの手順
- 設問の向きを確認する:「合うもの」か「合わないもの」かに丸をつける。向きの読み違えは、理解していても失点する原因になる。
- 選択肢を先に読む:4つの選択肢のキーワード(主語・数値・原因)に印をつけ、本文で探すものを決める。
- 本文を読みながら該当箇所に線を引く:選択肢のキーワードが出てきたら、その文に線を引いておく。
- 選択肢と該当箇所を1語ずつ比べる:強さの語(すべて・必ず)、主語、因果の向き、数値を確認する。
- 残った選択肢を言い換えとして確かめる:本文の内容を別の言葉で言っているだけかを最後に確認する。
選択肢を先に読むのは、本文を読む目的を決めるためです。何を探しているか分からないまま本文を読むと、読み終えた後にもう一度読み直すことになり、時間がかかります。
例題1:言い過ぎと本文にない選択肢を切る
【例題1】次の文章の内容と合うものはどれか。
「地域の図書館は、本を貸し出す場所としてだけでなく、住民が集まり学び合う場としての役割を強めている。ある市では、子育て中の親を対象にした読み聞かせ講座を開いたところ、講座をきっかけに参加者同士が情報を交換するようになった。もっとも、こうした取り組みには職員の手間がかかる。貸出業務を効率化し、生まれた時間を企画に充てる工夫が欠かせない。」
- 地域の図書館は、本の貸し出しをやめて、住民の交流の場へと役割を移している。
- ある市では、講座への参加が、親どうしが情報をやり取りする関係につながった。
- 読み聞かせ講座を開けば、どの図書館でも利用者が増える。
- 職員の手間を減らすため、図書館は企画の数を減らすべきである。
| 選択肢 | 判定 | 型 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 誤り | すり替え(言い過ぎ) | 本文は「貸し出す場所としてだけでなく」。貸し出しをやめるとは書かれていない |
| 2 | 正解 | 言い換え | 「講座をきっかけに参加者同士が情報を交換するようになった」を言い換えている |
| 3 | 誤り | 言い過ぎ・本文にない | 本文は「ある市」の一例。どの図書館でも、利用者が増える、はどちらも書かれていない |
| 4 | 誤り | すり替え | 本文の対策は貸出業務の効率化で、企画を減らすことではない。向きが逆 |
正解の2は、本文の「参加者同士が情報を交換する」を「親どうしが情報をやり取りする関係」と言い換えています。本文と同じ語が多い1や4の方が一見もっともらしく見える点に注意してください。
例題2:数値と因果のすり替えを見抜く
【例題2】次の文章の内容と合うものはどれか。
「ある町が商店街で実施した調査によると、キャッシュレス決済を導入した店舗の割合は、3年前の約4割から約7割に増えた。同じ期間に、商店街の来客数はほぼ横ばいだった。導入した店主からは、釣り銭を用意する手間が減ったという声が多く聞かれた。」
- キャッシュレス決済の導入によって、商店街の来客数が増えた。
- 商店街のすべての店舗が、キャッシュレス決済を導入した。
- 3年前と比べて、キャッシュレス決済を導入した店舗の割合は高くなった。
- 釣り銭を用意する手間を減らすために、店主はキャッシュレス決済を導入した。
| 選択肢 | 判定 | 型 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 誤り | 矛盾・因果のすり替え | 来客数は「ほぼ横ばい」。導入が来客数を増やしたという因果も書かれていない |
| 2 | 誤り | 言い過ぎ | 導入した店舗は約7割で、すべてではない |
| 3 | 正解 | 言い換え | 約4割から約7割に増えた、を「割合は高くなった」と言い換えている |
| 4 | 誤り | 因果のすり替え | 本文では、手間が減ったのは導入した後の感想。導入の目的だったとは書かれていない |
4は特に間違えやすい選択肢です。本文の「手間が減った」は導入の結果であり、「手間を減らすために導入した」(導入の理由)とは時間の向きが逆です。因果を含む選択肢は、原因と結果を矢印で書いて本文と比べると確実です。
数値が入った文章の読み方は、統計の説明文を読む問題で詳しく扱っています。
つまずき別:どの操作で確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 常識的に正しい選択肢を選んでしまう | その内容が本文のどの文にあるか、指で指せるか確かめる |
| 本文と同じ語が多い選択肢を選んでしまう | 主語・因果・強さの語が1語だけ変えられていないか比べる |
| 2つの選択肢で迷う | 迷った2つの違う部分だけを取り出し、本文で確かめる |
| 本文を何度も読み直す | 選択肢を先に読み、探すキーワードを決めてから本文に入る |
| 「合わないもの」を選ぶ問題で失点する | 設問文の「合わない」に丸をつけ、各選択肢に○×を書いてから選ぶ |
内容一致問題は、手順を知っていても、時間を計って解くと照合が雑になりがちです。本番と同じ感覚で解けるかは、登録不要の無料お試し10問で試せます。
1分台で解くための時短のコツ
- 強い語に最初に反応する:選択肢に「すべて」「必ず」「〜べき」があれば、本文に同じ強さの表現があるかだけを確認する。多くはそこで切れる。
- 本文にない名詞を探す:選択肢に本文に出てこない名詞(年齢層・費用など)があれば、その選択肢は「本文にない」型の可能性が高い。
- 正解の候補は言い換え:本文の語をそのまま並べた選択肢より、同じ内容を別の言葉で言っている選択肢を優先して検討する。
- 迷ったら次へ:2択まで絞って決まらなければ印をつけて先に進み、最後に戻る。1問にかける時間の上限(例:2分)を決めておく。
文章全体の主張を1文で選ぶ問題は要旨把握の問題の解き方、空欄に入る語を選ぶ問題は接続語の空欄補充で練習できます。分野全体の進め方は文章理解の対策まとめへ。
Q & A
よくある質問
Q.本文を先に読むべきですか、選択肢を先に読むべきですか。+
短い文章なら、選択肢を先に読んで探すキーワードを決めてから本文を読む方法をおすすめします。ただし文章が極端に短い場合は、本文を先に一度読んでから選択肢を照合しても時間は変わりません。自分に合う順番を演習で決めてください。
Q.「本文と矛盾する」と「本文にない」は区別する必要がありますか。+
「合うもの」を選ぶ問題では、どちらも不正解なので区別しなくても答えは出ます。ただ、区別できると「なぜ誤りか」をすばやく説明でき、2択で迷う時間が減ります。
Q.本文の内容から推測できることは「合う」になりますか。+
本文の記述から必ず言えることなら「合う」と判断できます。一方、「たぶんそうだろう」という推測は「合う」になりません。「必ず言えるか」を基準にしてください。
Q.要旨把握の問題との違いは何ですか。+
内容一致は本文の一部と合っていれば正解になり得ますが、要旨把握は文章全体の中心となる主張を選ぶ問題です。内容としては正しくても、具体例だけを述べた選択肢は要旨になりません。