KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 統計の説明文の問題は、計算力より言い換えの正確さを見る問題。「倍増」「半減」「〜ポイント低下」「約3割」を正しく読み替えられるかが鍵になる。
- 誤りの選択肢の典型は、割合と実数の取り違え、%とポイントの混同、時点・対象のすり替え。
- 手順は、本文の数字すべてに印→単位・時点・対象(母数)をメモ→選択肢の数値を本文の数字で検算、の順。
- 判断に使うのは本文の数値だけ。実際の統計や常識で補わない。
この記事の目次
統計の説明文の問題では何を判断する?
行政の報告書や白書のように、調査結果を文章で説明した短い文を読み、内容と合う選択肢を選ぶ問題です。BESTの文章理解では、こうした数値入りの文章の読み取りにも備えておく必要があります。表やグラフを読む資料分析の問題と違い、数値が文章の中に埋め込まれているため、読み飛ばしや取り違えが起こりやすいのが特徴です。
判断の基準は内容一致問題と同じで、本文の記述から言えるかどうかです。本文の数字が実際の統計と違っていても、問題の中では本文の数字だけを使って判断します。
| 本文の表現 | 正しい読み替え | よくある誤った読み替え |
|---|---|---|
| 14%から28%に倍増した | 割合が2倍になった(14ポイント上昇) | 28%増えた |
| 58%から52%に6ポイント低下した | 差が6ポイント(減少率は約10%) | 6%減った |
| 約3割 | 30%前後 | 3%、または3割を超えている |
| 過半数 | 半数(50%)を超える | 半数以上なら50%ちょうども含む |
| 前年比120% | 前年の1.2倍(20%増) | 120%増えた |
| 構成比が上がった | 全体に占める割合が上がった | 実数(人数・金額)が増えた |
特に「ポイント」と「%」の違いは、選択肢で取り違えやすいところです。58%から52%への変化は「6ポイント低下」ですが、元の58%を基準にした減少率は6÷58で約10%です。本文が「ポイント」と書いていれば、選択肢の「%減った」は疑ってください。
数値と本文を照合する4つの手順
- 本文の数字すべてに印をつける:%・人・円・倍などの単位ごと囲む。
- 数字ごとに「いつ・何の・何に対する」をメモする:時点(5年前・今年)、対象(30代・全体)、母数(回答者全体か、ある年代の中か)。
- 選択肢の数値表現を本文の数字に戻す:「倍になった」「過半数」「約3割」などを本文の数字で検算する。
- 割合か実数かを確認する:選択肢が人数や金額を述べていたら、本文に実数(またはそれを出せる母数)があるか確かめる。
手順4が最もよく使う確認です。「30代は41%、70歳以上は9%」という本文から、「30代の方が人数が多い」とは言えません。年代ごとの回答者数が分からなければ、割合から人数は比べられないからです。割合と実数の関係は構成比の問題の解き方でも詳しく扱っています。
例題1:%とポイント、割合と人数を読み分ける
【例題1】次の文章の内容と合うものはどれか。(数値は架空)
「ある市が市民2,000人を対象に行った調査では、『市のホームページを月に1回以上見る』と答えた人は全体の28%で、5年前の14%から倍増した。年代別に見ると、30代では41%と最も高く、70歳以上では9%にとどまった。一方、『広報紙を毎号読む』と答えた人は52%で、5年前より6ポイント低下した。」
- 広報紙を毎号読む人の割合は、5年前と比べて6%減った。
- 調査に答えた市民の過半数が、ホームページを月に1回以上見ている。
- ホームページを月に1回以上見る人の割合は、5年前の2倍になった。
- 70歳以上でホームページを月に1回以上見る人の数は、30代の約4分の1である。
| 選択肢 | 判定 | 本文の数字での検算 |
|---|---|---|
| 1 | 誤り | 5年前は52+6=58%。6ポイントの低下で、減少率は6÷58≒10%。「6%減った」ではない |
| 2 | 誤り | 28%は半数(50%)に届かない |
| 3 | 正解 | 14%→28%で、28÷14=2。「倍増」の言い換え |
| 4 | 誤り | 9÷41≒0.22で割合は約4分の1だが、各年代の回答者数が本文にないため、人数は比べられない |
4は、計算すると「約4分の1」になるため正しく見える選択肢です。しかし比べているのは割合で、選択肢は人数を述べています。母数(年代ごとの人数)がそろっていない限り、割合の比は人数の比になりません。
例題2:実数の増加と割合の変化を分ける
【例題2】次の文章の内容と合うものはどれか。(数値は架空)
「ある県の観光客数は、2024年が800万人で、そのうち外国人観光客は40万人だった。2025年は観光客数が1,000万人に増え、外国人観光客は60万人になった。」
- 外国人観光客の数は、2024年から2025年にかけて1.5倍になった。
- 観光客全体に占める外国人観光客の割合は、2025年は2024年の1.5倍になった。
- 外国人以外の観光客の数は、2024年から2025年にかけて減少した。
- 観光客全体の増加率は、外国人観光客の増加率より大きい。
| 選択肢 | 判定 | 本文の数字での検算 |
|---|---|---|
| 1 | 正解 | 40万人→60万人で、60÷40=1.5倍 |
| 2 | 誤り | 割合は2024年が40÷800=5%、2025年が60÷1,000=6%。6÷5=1.2倍で、1.5倍ではない |
| 3 | 誤り | 外国人以外は800−40=760万人→1,000−60=940万人で、増加している |
| 4 | 誤り | 全体は200÷800=25%増、外国人は20÷40=50%増。外国人の方が大きい |
2は、実数が1.5倍になったことを、そのまま割合にも当てはめた誤りです。全体(分母)も増えているため、割合の伸びは実数の伸びより小さくなります。分子だけでなく分母も動いていないかを確認するのがポイントです。増加率の計算は増加率の問題の解き方で練習できます。
つまずき別:どの操作で確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 「6ポイント」と「6%」を同じと読む | 差(ポイント)か、元の値を基準にした率(%)かを分けて書く |
| 割合の比から人数を比べてしまう | 選択肢の主語が人数・金額なら、本文に母数があるか確かめる |
| 時点を取り違える | 数字の横に「5年前」「今年」と時点をメモする |
| 「約」「過半数」の範囲で迷う | 約3割は30%前後、過半数は50%を超える、と基準を決めておく |
| 本文にない実際の統計で判断する | 本文の数字だけで検算できるかを確認し、できなければ「言えない」とする |
数値入りの文章は、落ち着いて読めば解けても、制限時間の中では取り違えが起こりやすい問題です。本番に近い形で試したい方は、登録不要の無料お試し10問で文章理解と資料分析の問題を解けます。
1分台で解くための時短のコツ
- 選択肢の数値表現を先に見る:「倍」「過半数」「ポイント」「人数」など、検算が必要な語に印をつけてから本文を読む。
- 細かい計算は概算で:「約4分の1か」を確かめるなら、9×4=36が41に近いかを見れば足りる。正確な割り算は不要なことが多い。
- 割合と実数の選択肢は最後に:本文に母数がなければ、その選択肢はほぼ「言えない」。計算する前に母数の有無を確かめる。
- 本文の主張も確認する:数値の文章でも「一方」「しかし」の後に筆者の見方が書かれることがある。要旨を問われたら数値の細部より流れを優先する。
文章全体の主張をつかむ方法は要旨把握の問題の解き方、選択肢と本文の照合方法は現代文の内容一致問題のコツで解説しています。分野全体の進め方は文章理解の対策まとめへ。
Q & A
よくある質問
Q.「約3割」は何%から何%までを指しますか。+
決まった幅の定義はなく、30%前後を指す言い方です。試験では、本文の数字が「約3割」と言い換えられるかを、選択肢どうしを比べて相対的に判断します。境界に近い数字(例:25%や35%)で迷う選択肢は、ほかの選択肢を先に確かめると決めやすくなります。
Q.計算が苦手でも解けますか。+
多くの場合、必要なのは掛け算・割り算の概算と、言い換えの確認です。「倍増=2倍」「ポイント=差」などの読み替えを覚え、概算で検算する練習をすれば対応できます。
Q.「ポイント」と「%」の違いをもう一度教えてください。+
「ポイント」は割合どうしの差(58%−52%=6ポイント)、「%」の増減は元の値を基準にした変化の率(6÷58≒10%の減少)です。本文と選択肢で使い分けが変わっていないかを確認してください。
Q.本文の数字が実際の統計と違う場合はどうしますか。+
問題の中では本文の数字だけを使って判断します。実際の統計の知識で選択肢を判断すると、本文と合わない選択肢を選んでしまうことがあります。
Q.表やグラフの問題とは何が違いますか。+
表やグラフの問題(資料分析)は数値が一覧になっているため比較しやすい一方、文章の問題は数値が文中に散らばり、時点や対象を取り違えやすい点が違います。どちらも、単位・時点・母数を確かめる手順は共通です。