KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 数値の差がある順序関係は、1人を基準の0に置き、ほかの人を+・−の数で書くと、線の上に正確な位置で並べられます。
- 「AはBより3cm高い」は向きが決まっているので1通り、「AとBの差は3cm」は向きが書かれていないので上下(左右)2通りに折り返して書きます。
- 折り返しが2つあれば候補は最大4通り。「最初と最後の差」などの条件で、合わない候補を消していきます。
- 選択肢が「考えられる差」を聞いていたら、残った候補の数値をすべて出して比べます。
この記事の目次
数値の差がある順序関係とは?
順序関係の問題のうち、「AはBより4cm高い」「CとBの到着時刻の差は2分」のように、順番だけでなく差の大きさまで与えられる型です。差が分かっている分、線の上に正確な位置で書けるので、ふつうの順序関係より候補が絞りやすいのが特徴です。
一方で、「差は2cm」とだけ書かれた条件は、どちらが高いかが分かりません。ここを1通りだと思い込むと、もう一方の場合を見落とします。この「上にも下にも置ける」状態を、線の上で折り返して2か所に書くことから、折り返しと呼ぶことがあります。
差のない順序関係の基本(確定条件・かたまり・場合分け)は順序関係の解き方で先に確認しておくと、この記事の手順がつかみやすくなります。
差のある順序関係を解く4ステップ
- 基準の人を決める:条件に最も多く出てくる人を0に置く。高い(遅い)方を+、低い(早い)方を−と決めて、途中で変えない。
- 向きの決まった条件から書く:「AはBより4cm高い」なら A=+4。向きが決まっている条件は1通りに書ける。
- 差だけの条件は2通りに分ける:「CとBの差は2cm」なら C=+2 と C=−2 の両方を書く(折り返し)。
- 追加条件で候補を消し、残った候補で選択肢を確かめる:「最も高い人と低い人の差は10cm」のような条件で、合わない候補を消す。
| 条件の言い方 | 数での書き方 | 候補の数 |
|---|---|---|
| AはBより4cm高い | A=+4 | 1通り |
| DはCより3cm低い | D=C−3 | Cの位置が決まれば1通り |
| CとBの差は2cm | C=+2 または C=−2 | 2通り(折り返し) |
| 最も高い人と最も低い人の差は10cm | 最大−最小=10 | 候補を消すのに使う |
数で書いておくと、「AとDの差」のような設問も引き算1回で答えが出ます。線の図を描く場合も、目盛りを打って数字を書き込むと、目分量による取り違えが防げます。
例題1:折り返しが1つある場合
例題1 A〜Eの5人の身長について、次のことが分かっている。確実にいえるものはどれか。
・AはBより4cm高い。/・CとBの身長の差は2cmである。/・DはCより3cm低い。/・EはAより1cm低い。
1. Cは高い方から3番目である 2. CはBより高い 3. BとDの差は1cmである 4. 最も低いのはDである
整理 Bを0とすると、A=+4、E=+3。Cは+2か−2の2通りで、DはCより3低いので、それぞれ D=−1、D=−5 です。
| 場合 | 高い順の並び | Cの順位 | BとDの差 |
|---|---|---|---|
| ① C=+2 | A(+4) E(+3) C(+2) B(0) D(−1) | 3番目 | 1cm |
| ② C=−2 | A(+4) E(+3) B(0) C(−2) D(−5) | 4番目 | 5cm |
どちらの場合もDが最も低いので、正解は4です。1・2・3はいずれも①の場合にしか成り立たず、②では Cは4番目、CはBより低い、BとDの差は5cm となるため、確実にはいえません。
誤答の3つは、どれも「C=+2」だけを考えたときに正しく見える選択肢です。折り返しの片方だけで解くと、1つの場合でしか成り立たない肢を選んでしまう、というのがこの型の典型的な失点です。
例題2:全体の幅の条件で折り返しを絞る
例題2 P、Q、R、Sの4人が会場に着いた時刻について、次のことが分かっている。SはRの何分前に着いたか。
・PはQより6分早く着いた。/・RとQの到着時刻の差は4分である。/・SとPの到着時刻の差は3分である。/・最初に着いた人と最後に着いた人の差は10分だった。
1. 1分 2. 5分 3. 7分 4. 13分
整理 Qの到着を0、遅い方を+とすると P=−6。Rは+4か−4、Sは P±3 なので −3か−9。折り返しが2つあるので、候補は2×2=4通りです。
| R | S | 最初と最後の差 | 判定 | SはRの何分前 |
|---|---|---|---|---|
| +4 | −3 | 4−(−6)=10 | ○ | 7分前 |
| +4 | −9 | 4−(−9)=13 | × | (13分前) |
| −4 | −3 | 0−(−6)=6 | × | (Rが1分前) |
| −4 | −9 | 0−(−9)=9 | × | (5分前) |
条件に合うのは1通りだけで、到着順は P(−6)→S(−3)→Q(0)→R(+4)。SはRの7分前に着いたので、正解は3です。
1・2・4は、全体の幅の条件を使わずに別の候補を選んだときの値です。1は R=−4・S=−3 の候補で、この場合はむしろRがSの1分前に着いています。2は R=−4・S=−9、4は R=+4・S=−9 の候補の値で、どちらも最初と最後の差が10分になりません。
練習問題:「考えられる差」をすべて出す
練習 「AはBより5cm高い」「DとBの身長の差は2cm」のとき、AとDの身長の差として考えられる値をすべて答えよ。
答え 3cm と 7cm。Bを0にすると A=+5、Dは+2か−2です。D=+2なら差は5−2=3cm、D=−2なら5−(−2)=7cmです。
選択肢に「3cm」だけ、「7cm」だけが並んでいる場合は、「確実にいえる」かどうかで扱いが変わります。「AとDの差は3cmである」は一方の場合でしか成り立たないので確実にはいえません。「AはDより高い」はどちらの場合でも成り立つので確実にいえます。数値を問う肢と大小を問う肢を分けて確かめるのがこの型のコツです。
候補を早く減らすにはどうする?
- 基準は「条件に多く出る人」にする:例題1のBのように、複数の条件の相手になっている人を0にすると、書き直しが減ります。
- 折り返しは最後に開く:向きの決まった条件を先に全部書き、差だけの条件を最後に2通りにすると、候補の数が最小で済みます。
- 全体の幅・合計・平均の条件は「消す道具」:候補を全部出してから当てはめると一気に絞れます。平均が与えられたときは、基準からの差の合計で考えると計算が軽くなります。
つまずいた操作から確認する
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 片方の場合しか考えていなかった | 条件文に「差は」とだけあり、向き(高い・早い)の言葉がないかを確認する |
| +と−の向きが途中で入れ替わる | 線の右端に「+=高い(遅い)」と書いてから始める |
| 候補が多すぎて時間切れになる | 折り返しの条件を最後に回し、先に確定する人を全部書く |
| 「何分前」の答えの向きを間違える | 引き算の順番を「後の人−先の人」にそろえ、符号で前後を確かめる |
1分で解くための時短のコツ
- 線を描かず、数だけで書く:A=+4、E=+3 と縦にメモするだけで並びは分かります。図は答えを確かめるときだけで十分です。
- 選択肢の数値から逆算する:例題2なら、選択肢の「7分」「13分」などがどの候補から出る値かを見ると、確認すべき候補がすぐに分かります。
- 「確実にいえる」は折り返しの両側で確認:1つの場合で×になった時点で次の選択肢へ進みます。
次に練習すること
差のない順序の基本は順序関係の解き方、座席や部屋のように2方向に広がる配置は位置関係の解き方で練習できます。条件が「人×属性」に分かれる問題は対応表の解き方、差や時間の計算に不安がある場合は速さ・時間・距離の基本も参考になります。
書き方を覚えたら、登録不要の無料お試し10問で、本番と同じ1問1分のペースで条件を整理できるかを試してみてください。
Q & A
よくある質問
Q.「折り返し」とは何ですか?+
向きの分からない差の条件(「差は2cm」など)を、基準の上側と下側の2か所に書き分けることです。線の上で基準を中心に折り返した位置になるので、こう呼ばれます。
Q.差の条件が3つ以上あって候補が8通りになりそうなときは?+
向きの決まった条件を先に書き、折り返しの条件を1つずつ開きます。1つ開くごとに全体の幅などの条件で消せる候補を消すと、8通りを全部書かずに済むことが多いです。
Q.「AはBより3cm高い」と「AとBの差は3cm」の違いは?+
前者は向きが決まっているので A=B+3 の1通り、後者は向きが書かれていないので A=B+3 と A=B−3 の2通りです。問題文に「高い」「低い」「早い」「遅い」の語があるかどうかで見分けます。
Q.平均身長が与えられる問題はどう解きますか?+
基準の人を0にして、全員の「基準との差」の合計を出します。平均×人数=実際の合計なので、差の合計と比べれば基準の人の実際の値が求まります。