KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 尊敬語は相手や話題の人の動作を高め、謙譲語は自分側の動作をへりくだって相手を立てます。
  • 迷ったら「その動作をするのは誰か」を確かめます。相手なら尊敬語、自分や身内なら謙譲語です。
  • 「お〜になる」は尊敬語、「お〜する」は謙譲語の形です。相手の動作に「お〜する」を使うのは典型的な誤りです。
  • 社外の人に自分の職場の上司の動作を話すときは、上司も「自分側」なので謙譲語を使います。
この記事の目次
  1. 01敬語は何種類?3分類と5分類
  2. 02尊敬語か謙譲語かを見分ける手順
  3. 03よく出る言いかえ一覧表
  4. 04「お〜になる」と「お〜する」の形
  5. 05例題1:お客様に資料を見てもらうときの言い方
  6. 06例題2:電話と窓口での職員の発言
  7. 07例題3と一問一答で確認
  8. 08つまずいたら、どの操作を確認する?
  9. 091分で解くための時短のコツ
  10. 10よくある質問
  11. 11出典・参考

敬語は何種類?3分類と5分類

学校では敬語を「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3種類で学ぶことが多いでしょう。文化審議会が2007年(平成19年)に答申した「敬語の指針」では、謙譲語を2つに分け、美化語を加えた5種類で整理しています。試験対策としては、まず尊敬語と謙譲語の区別を確実にするのが先です。

敬語の5分類(文化庁「敬語おもしろ相談室」の解説をもとに整理)
種類働き例
尊敬語相手側や第三者の行為・状態などについて、その人物を立てるいらっしゃる、おっしゃる、お名前
謙譲語Ⅰ自分側から相手側に向かう行為について、向かう先の人物を立てる伺う、申し上げる、お届けする
謙譲語Ⅱ(丁重語)自分側の行為などを、話の相手に対して丁重に述べる参る、申す、いたす
丁寧語話の相手に対して丁寧に述べるです、ます
美化語ものごとを美化して述べるお酒、お料理

3分類でいう「謙譲語」は、5分類の謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱを合わせたものです。どちらも自分側の動作に使う点は同じなので、「誰の動作か」で判定する方法はそのまま使えます。

尊敬語か謙譲語かを見分ける手順

  1. 文の中の動作(行く・見る・言う・聞くなど)を見つける。
  2. その動作をする人が、相手・お客様・目上の人(相手側)か、自分・身内・自分の職場の人(自分側)かを決める。
  3. 相手側の動作なら尊敬語、自分側の動作なら謙譲語が正しい。
  4. 「お〜になる」「ご〜になる」(尊敬)と、「お〜する」「ご〜する」(謙譲)の形も、同じく動作をする人で判定する。
  5. 最後に、敬語を重ねすぎていないか(二重敬語)を確認する。

手順2で迷いやすいのは、話す相手によって「自分側」が変わることです。社内で部長に話すときは部長は相手側ですが、社外の人に部長のことを話すときは、部長も自分側になります。

よく出る言いかえ一覧表

普通語・尊敬語・謙譲語の対応
普通語尊敬語(相手側の動作)謙譲語(自分側の動作)
言うおっしゃる申す、申し上げる
行くいらっしゃる、おいでになる伺う、参る
来るいらっしゃる、お見えになる、お越しになる参る
いるいらっしゃる、おいでになるおる
するなさるいたす
見るご覧になる拝見する
食べる召し上がるいただく
知るご存じだ存じる、存じ上げる
もらうお受け取りになるいただく、頂戴する
聞くお聞きになる伺う、拝聴する
会うお会いになるお目にかかる

「いただく」は「食べる」と「もらう」の両方の謙譲語、「伺う」は「行く」と「聞く」の両方の謙譲語です。また「お見えになる」は「来る」の尊敬語で、「見る」の尊敬語ではありません。選択肢でよく入れ替えられるので注意してください。

「お〜になる」と「お〜する」の形

決まった言いかえがない動詞に使う形
形種類正しい例よくある誤り
お(ご)〜になる尊敬語(お客様が)お待ちになる、ご利用になる―
お(ご)〜ください尊敬語(依頼)(お客様に)お待ちください、ご記入くださいお待ちしてください
お(ご)〜する謙譲語(職員が)お届けする、ご案内する(お客様が)ご案内される
お(ご)〜いたす謙譲語(より丁重)(職員が)ご案内いたします―

「お待ちしてください」「受付でお聞きしてください」は、お客様の動作に謙譲の「お〜する」を使っているので誤りです。「お待ちください」「お聞きください(お尋ねください)」が正しい言い方です。

例題1:お客様に資料を見てもらうときの言い方

例題1 窓口で来庁者に資料を見てもらうときの言い方として、最も適切なものはどれか。

(1)こちらの資料を拝見されますか。(2)こちらの資料をご覧になりますか。(3)こちらの資料をお見えになりますか。(4)こちらの資料を拝見なさいますか。

例題1の判定(正解は(2))
選択肢使っている語判定
(1)拝見されますか謙譲語「拝見する」+尊敬の「れる」来庁者の動作に謙譲語を使っているので誤り
(2)ご覧になりますか「見る」の尊敬語来庁者の動作に尊敬語で正しい
(3)お見えになりますか「来る」の尊敬語「見る」の意味にならないので誤り
(4)拝見なさいますか謙譲語「拝見する」+尊敬の「なさる」(1)と同じく、謙譲語に尊敬の形を足した誤り

例題2:電話と窓口での職員の発言

例題2 市役所の職員の発言ア・イについて、敬語の使い方の正誤の組合せとして正しいものはどれか。

ア (外部からの電話に)「佐藤課長は、ただいま会議に出席されています。」 イ (来庁者に)「ご不明な点は、受付でお尋ねください。」

(1)ア…正 イ…正 (2)ア…正 イ…誤 (3)ア…誤 イ…正 (4)ア…誤 イ…誤

例題2の判定(正解は(3))
発言誰の動作か判定
ア自分の職場の課長(外部の人に対しては自分側)尊敬の「れる」と敬称を使っているので誤り。「課長の佐藤は、ただいま会議に出ております」が適切
イ来庁者尊敬語の依頼「お〜ください」で正しい

アを正しいとする(1)(2)は、社内での話し方(課長は相手側)と、外部の人への話し方(課長も自分側)を混同したものです。イを誤りとする(4)は、「お尋ねください」を謙譲の「お〜する」と取り違えた場合の答えです。

例題3と一問一答で確認

例題3 社内で部長本人に、明日の出社時刻を尋ねる言い方として、最も適切なものはどれか。(1)部長は明日、何時に会社に参りますか。(2)部長は明日、何時に会社に伺いますか。(3)部長は明日、何時に会社にいらっしゃいますか。(4)部長は明日、何時に会社にお行きしますか。

答え(3)。部長の動作なので尊敬語の「いらっしゃる」を使います。(1)の「参る」、(2)の「伺う」は自分側の動作に使う謙譲語です。(4)は謙譲の「お〜する」の形で、部長の動作には使えません。

問4 「明日、先生のお宅に伺います」は正しいか。 答え 正しい。自分が行く動作なので、謙譲語の「伺う」が合っています。

問5 取引先からの電話に「山田社長はただいま外出していらっしゃいます」と答えた。どう直すべきか。 答え「社長の山田はただいま外出しております」。社外の人に自社の社長の動作を話すので謙譲語(おる)を使い、名前の後に「社長」をつけて呼びません。

つまずいたら、どの操作を確認する?

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
尊敬語か謙譲語か迷う動作をする人に丸をつけ、相手側か自分側かを決める
上司の動作で迷う誰に向かって話しているかを確認する。外部の人に対してなら上司も自分側
「お〜する」「お〜になる」を取り違える「になる」なら尊敬、「する」なら謙譲、と形で覚える
「いただく」「伺う」の意味で迷う1語が2つの普通語に対応することを一覧表で確認する
正しく見える選択肢が2つある敬語を重ねすぎていないか(二重敬語)を確認する

「おっしゃられる」「ご覧になられる」のように敬語を重ねる誤りは二重敬語とは、「御社」「弊社」や「お」「ご」の使い方は接頭語の敬語で扱っています。文章理解の全体像は職務基礎力試験の文章理解を参照してください。

1分で解くための時短のコツ

  • 選択肢を読む前に、動作をする人を決める:これだけで4つのうち2つ程度は消せます。
  • 一覧表の11語は「普通語→尊敬語→謙譲語」の順に声に出して覚える:試験では言いかえの取り違えがそのまま選択肢になります。
  • ア・イの正誤の組合せは、確実なほうから判定する:片方が決まれば、選択肢は2つに絞れます。

言いかえを確認したら、本番に近い形式で解いてみましょう。登録不要の無料お試し10問では、国語を含む4分野の問題を解いて全問の解説を確認できます。

Q & A

よくある質問

Q.「れる・られる」をつけるだけでも尊敬語になりますか?

なります。「読まれる」「来られる」も尊敬語です。ただし受け身や可能と同じ形なので、「お読みになる」「いらっしゃる」のほうが敬意がはっきり伝わります。

Q.謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱの違いは何ですか?

「敬語の指針」では、行為の向かう先の人物を立てるものを謙譲語Ⅰ(伺う、申し上げる)、話の相手に対して丁重に述べるものを謙譲語Ⅱ(参る、申す)と整理しています。試験では、まず尊敬語と謙譲語の区別を優先してください。

Q.身内の家族について話すときも謙譲語ですか?

はい。外部の人に対して自分の家族の動作を話すときは、自分側として謙譲語を使います。「母がよろしくと申しておりました」のような形です。

Q.「させていただく」はいつでも使ってよいですか?

文化庁の解説では、相手側の許可を受けて行い、そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちがある場合に適切な使い方だと説明されています。そうでない場面では「発表いたします」のように言うほうが簡潔です。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む