KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 資料の数値は上から2桁に丸めて計算すると、筆算の量が大きく減ります。
- 丸めると誤差が出ます。分子を切り上げ・分母を切り捨てると、割り算の結果は大きめに出ます。誤差の向きを意識します。
- 選択肢の差が小さいとき(2つの値の差が数%以内)や「以上・超」の境界に近いときは、丸めずに計算します。
- ÷0.8=×1.25、÷25=×4÷100のように、割り算をかけ算に変える速算も時間短縮に役立ちます。
この記事の目次
資料解釈で計算に時間がかかるのはなぜ?
資料分析の問題は、4桁の数どうしの割り算や、複数項目の比較を短時間で求められます。すべてを筆算すると1問に3分以上かかることもあり、60問・60分のBEST-Aでは時間が足りなくなります。
ただし、資料問題の多くは正確な値ではなく、大小や「約○%」が分かればよいように作られています。どこまで丸めてよいかの判断基準を持っておけば、計算量を大きく減らせます。資料分析全体の解き方は資料解釈のコツで整理しています。
上から2桁で概算する手順
- 選択肢どうしの差を先に見る。差が大きい(1割以上)なら概算で十分、小さいなら精算を覚悟する。
- 計算に使う数値を、上から3桁目で四捨五入して2桁にする(6,318→6,300、487→490、0.0734→0.073)。
- 丸めた数で計算し、答えの見当をつける。
- 丸めの向き(切り上げたか・切り捨てたか)をメモし、答えが大きめ・小さめのどちらにずれたかを確認する。
- 選択肢の境界に近い答えになったときだけ、元の数値で計算し直す。
| 分子(割られる数) | 分母(割る数) | 結果 |
|---|---|---|
| 切り上げ(大きめ) | 切り捨て(小さめ) | 実際より大きく出る |
| 切り捨て(小さめ) | 切り上げ(大きめ) | 実際より小さく出る |
| 同じ向きに丸める | 同じ向きに丸める | ずれが打ち消し合い、比較的正確 |
かけ算では、2つの数を同じ向きに丸めるとずれが重なり、逆向きに丸めると打ち消し合います。割り算とは逆なので注意してください。
例題1:割合に最も近いものを選ぶ(概算で十分な問題)
例題1 ある県の人口は1,862千人で、そのうち65歳以上は527千人である(架空のデータ)。人口に占める65歳以上の割合に最も近いものはどれか。
(1)25% (2)28% (3)31% (4)35%
- (1)25%:1,862×0.25=約466で、527から大きく離れています。
- (3)31%:1,862×0.31=約577で、527より50ほど大きく、28%のほうが近いです。
- (4)35%:1,862×0.35=約652で、527から大きく離れています。
| 手順 | 計算 | わかったこと |
|---|---|---|
| 選択肢の間隔 | 25・28・31・35で、3〜4ポイントずつ離れている | 概算で十分 |
| 2桁に丸める | 527→530、1,862→1,900 | 530÷1,900 |
| 概算 | 1,900×0.28=532 | 530に最も近いのは28% |
| 念のため確認 | 1,862×0.28=約521、1,862×0.31=約577 | 527は28%のほうに近い |
選択肢の間隔が広い問題では、細かく計算するほど時間を失います。「最も近いもの」を選ぶ問題は、まず選択肢の間隔を見るのが最初の一手です。
例題2:概算すると逆の答えになる問題
例題2 A市の歳出総額は8,160百万円で、そのうち福祉関係の支出は3,440百万円である。B市の歳出総額は7,040百万円で、そのうち福祉関係の支出は2,960百万円である(架空のデータ)。歳出総額に占める福祉関係の支出の割合について、正しいものはどれか。
(1)A市のほうが大きい (2)B市のほうが大きい (3)両市とも同じである (4)この資料からは判断できない
- (2)B市:2桁に丸めた結果です。A市は分子を切り捨て・分母を切り上げて小さめに、B市は分子を切り上げて大きめに出たため、大小が逆転しました。
- (3)同じ:どちらも「約42%」なので同じと判断した誤りです。割合の差は小さいものの、同じではありません。
- (4)判断できない:必要な数値はすべてそろっているので、計算すれば判断できます。
| 方法 | A市 | B市 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 上から2桁の概算 | 3,400÷8,200=約0.415 | 3,000÷7,000=約0.429 | B市が大きく見える(誤り) |
| 交差してかける(精算) | 3,440×7,040=24,217,600 | 2,960×8,160=24,153,600 | A市が大きい |
| 参考:実際の割合 | 約42.16% | 約42.05% | 差は約0.1ポイント |
概算してよい場面・精算すべき場面の見分け方
| 場面 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 選択肢の数値が1割以上離れている | 2桁の概算でよい | 丸めの誤差(数%)では順位が変わらない |
| 「最も大きい」を選ぶが、候補の値が近い | 候補の2つだけ精算 | 例題2のように丸めで大小が逆転しうる |
| 「○%以上」「○倍を超える」の境界に近い | 精算 | ちょうどの値かどうかで正誤が変わる |
| 増減の向き(増えたか減ったか)だけ | 計算不要 | 数値の大小を見るだけで決まる |
| 概算で出した値が選択肢の中間 | 3〜4桁で計算し直す | 丸めの向きしだいでどちらにも転ぶ |
迷ったときは、「この丸めで結論が変わりうるか」を自分に問いかけます。変わりえないなら概算のまま進み、変わりうるならその部分だけ精算する、という使い分けが、正確さと速さを両立させるコツです。
割り算をかけ算に変える速算
| 計算 | 言い換え | 例 |
|---|---|---|
| ÷5 | ×2÷10 | 340÷5=680÷10=68 |
| ÷25 | ×4÷100 | 1,300÷25=5,200÷100=52 |
| ÷0.8 | ×1.25 | 360÷0.8=360+90=450 |
| ÷1.25 | ×0.8 | 500÷1.25=400 |
| ×9 | ×10−1つ分 | 480×9=4,800−480=4,320 |
| ×99など | ×100−1つ分 | 63×99=6,300−63=6,237 |
| 498×6など | 500×6−2×6 | 3,000−12=2,988 |
「○%以上増えた」「○倍を超える」の判定は、割り算を使わずに基準の値をかけ算で作るのが基本です。くわしくは倍率の判定で練習できます。
つまずいたら、どの操作を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 全部を筆算して時間が足りない | 選択肢の間隔を先に見て、差が大きければ2桁で概算する |
| 概算の答えが正解と逆になった | 丸めの向きを確認し、差が数%以内なら精算する |
| どこまで丸めてよいか分からない | 上から2桁が基本。選択肢の差が小さいときは3〜4桁 |
| 割り算の途中で桁を間違える | 千・百万などの単位は計算前にそろえ、最後に桁を戻す |
| かけ算の丸めで誤差が大きくなる | 2つの数を逆向きに丸め、ずれを打ち消す |
表の単位や注記の確認は表の読み取り問題の解き方、グラフから数値を読み取る問題は2軸グラフの読み方で扱っています。
1分で解くための時短のコツ
- 選択肢の間隔を最初に見る:間隔が広ければ概算、狭ければ精算。これだけで計算の深さが決まります。
- ぎりぎりの比較は交差してかける:割り算を2回するより、かけ算2回のほうが速く、誤差もありません。
- きりのよい数を基準にする:0.25、0.5、2倍などの基準と比べて、上か下かだけを判定します。
手順を確認したら、時間を計って解いてみましょう。登録不要の無料お試し10問では、資料分析を含む4分野の問題を解いて全問の解説を確認できます。
Q & A
よくある質問
Q.上から2桁と3桁、どちらで丸めればよいですか?+
基本は2桁です。選択肢の差が数%以内の場合や、「以上」「超」の境界に近い場合は、3桁以上で計算するか、丸めずに交差してかけてください。
Q.概算で出した値が、2つの選択肢のちょうど中間になったら?+
丸めの向きを確認し、実際の値がどちらにずれるかを考えます。それでも決まらなければ、元の数値で計算し直してください。
Q.筆算はどこに書けばよいですか?+
メモ用紙や筆記用具の扱いは、マークシート方式かテストセンター方式か、また会場によって異なる可能性があります。受験案内や当日の説明で確認し、限られたスペースで計算する練習をしておくと安心です。
Q.暗算が苦手でも概算はできますか?+
できます。2桁×1桁のかけ算(48×6など)と、10%・5%の計算ができれば、資料問題の概算の多くは足ります。まずは例題の数値を2桁に丸めて計算する練習を、時間を計らずに繰り返すところから始めてください。
Q.BESTで計算の多い問題は出ますか?+
公式に問題ごとの内容は公表されていません。資料分析では割り算・かけ算による比較が中心と考えられ、対策書でも概算や分母と分子の大小で判定する解き方が紹介されています。