KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 2013年の公職選挙法改正で、インターネットを使った選挙運動が解禁されました。ホームページ・SNS・動画サイトでの選挙運動は、有権者を含めて誰でもできます。
  • 2026年9月27日時点では、電子メールによる選挙運動は候補者と政党等に限られ、一般の有権者はできません。
  • 2026年7月に成立した改正法で、電子メールの規制は廃止されウェブサイト等の規制に統一されます。施行は2027年3月1日で、それ以後に公示・告示される選挙から適用されます。
  • 18歳未満の選挙運動と、投票日当日の選挙運動は、ネットでも禁止されています。
この記事の目次
  1. 01候補者と有権者で何が違うか(一覧表)
  2. 02ネット選挙運動の解禁と「選挙運動」の意味
  3. 03有権者ができること・注意すること
  4. 04電子メールの制限はどう変わるか
  5. 05記述の正誤を判定する手順
  6. 06独自の練習問題:誰が何を使えるか
  7. 07つまずき別:次に確認すること
  8. 08よくある質問
  9. 09出典・参考

候補者と有権者で何が違うか(一覧表)

まず、2026年9月27日時点の現行ルールを一覧で確認します。

公職選挙法142条の3〜142条の6、総務省資料、第221回国会の改正法の要旨にもとづく整理(2026年9月27日確認)
行為候補者・政党等一般の有権者(18歳以上)
ホームページ・ブログでの選挙運動できるできる
SNS(X、Facebookなど)での投稿・拡散できるできる
LINEやSNSのメッセージ機能できるできる(「ウェブサイト等」に当たる)
動画共有サイトでの配信できるできる
電子メールでの選挙運動できる(送信先などに制限あり)できない(2027年3月1日以後の選挙から可能になる)
選挙運動用の有料インターネット広告政党等のみ一定の範囲でできるできない
ウェブの選挙運動用画面を印刷して配るできないできない

ネット選挙運動の解禁と「選挙運動」の意味

以前の公職選挙法では、選挙運動に使える文書図画(ビラやはがきなど)が厳しく制限されており、ホームページの更新などもこれに違反するおそれがあるとされていました。インターネットの普及を受けて、2013年(平成25年)の公職選挙法改正でインターネット等を利用する方法による選挙運動が解禁され、同年7月の参議院議員通常選挙から適用されています。

「選挙運動」とは、特定の選挙で特定の候補者の当選を目的として投票を呼びかける行為で、公示・告示日から投票日の前日までしかできません(公職選挙法129条)。公示前に投票を呼びかけることは事前運動として禁止されています。

有権者ができること・注意すること

一般の有権者も、ウェブサイト等を使って、応援する候補者への投票を呼びかけることができます。SNSで投票を呼びかける、候補者の演説動画を共有する、ブログで支持の理由を書く、といった行為です。

ウェブサイト等で選挙運動をする人には、電子メールアドレスなどの連絡先を表示する義務があります。SNSの場合は、その機能で返信を受けられることなどで足りるとされています。

  • 投票日当日:新たな投稿や更新はできない。前日までに掲載した選挙運動用の投稿は、そのまま表示しておくことができる。
  • なりすまし・虚偽情報:候補者の名前をかたる行為や虚偽の事実の公表は処罰の対象。落選を目的とした活動(落選運動)をネットで行う人にも連絡先の表示義務がある。
  • 18歳未満:投稿だけでなく、選挙運動の投稿をリポスト(拡散)することも選挙運動にあたりうるので行わない。

電子メールの制限はどう変わるか

現行ルール(2026年9月27日時点):電子メールによる選挙運動は、候補者・政党等に限って認められています(142条の4)。一般の有権者が友人に選挙運動用のメールを送ることや、候補者から届いた選挙運動用メールを転送することはできません。ここでいう電子メールは、SMTP方式と電話番号方式(SMS)です。LINEやSNSのダイレクトメッセージは「ウェブサイト等」に当たるため、有権者も使えます。

2026年の改正:2026年7月13日に成立し7月17日に公布された改正法(公職選挙法及び情報流通プラットフォーム対処法の一部改正)の要旨では、電子メールを利用する方法による文書図画の頒布に係る規制を廃止し、ウェブサイト等の規制に統一するとされています。施行は(一部を除き)2027年3月1日で、施行日以後に公示・告示される選挙から適用されます。

参議院「議案情報」の議案要旨にもとづく整理(2026年9月27日確認)
改正の主な内容(要旨より)ポイント
電子メールの規制の廃止ウェブサイト等と同じルールに統一。施行前に公示・告示された選挙は従前の例による
生成AIで作成・改変した画像や映像の表示義務選挙運動などに使う文書図画に、原則としてその旨を表示する
インターネット利用者の責務候補者について虚偽や事実をゆがめた情報を公にして選挙の公正を害さないようにする
大規模プラットフォーム事業者の措置選挙の公正を害するおそれのある情報の流通による悪影響を軽減する措置を講じる

試験の記述は作問時点の制度にもとづくため、受験時期によって正誤が変わりうる論点です。受験日が2027年3月の前か後かを意識し、総務省の最新の案内を確認してください。

記述の正誤を判定する手順

  1. 誰がするのか(候補者・政党等か、一般の有権者か、18歳未満か)を確認する。
  2. 何を使うのか(ウェブサイト等か、電子メールか、有料広告か、印刷物か)を確認する。
  3. いつするのか(公示前、選挙期間中、投票日当日)を確認する。
  4. 電子メールの記述なら、基準時点(2027年3月1日施行の改正の前か後か)を確認する。

独自の練習問題:誰が何を使えるか

当サイトが書き下ろした4択問題です。いずれも2026年9月27日時点の制度にもとづきます。選択肢は「ア正・イ正/ア正・イ誤/ア誤・イ正/ア誤・イ誤」の順です。

  • 問1 次のア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。ア:一般の有権者は、SNSを利用して特定の候補者への投票を呼びかけることができる。イ:一般の有権者は、電子メールを利用して特定の候補者への投票を呼びかけることができる。(1)ア正・イ正(2)ア正・イ誤(3)ア誤・イ正(4)ア誤・イ誤
  • 問2 次のア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。ア:17歳の高校生は、SNSで特定の候補者への投票を呼びかける投稿をすることができる。イ:投票日の前日までにSNSに掲載した選挙運動用の投稿は、投票日当日もそのまま表示しておくことができる。(1)ア正・イ正(2)ア正・イ誤(3)ア誤・イ正(4)ア誤・イ誤
問正解各選択肢が誤りになる理由
問1(2)ア正・イ誤SNSは「ウェブサイト等」で有権者も使えるのでアは正しい。現行法では電子メールは候補者・政党等に限られるのでイは誤り。(1)はイを正、(3)(4)はアを誤とした点で誤り
問2(3)ア誤・イ正18歳未満は選挙運動ができないのでアは誤り。前日までの投稿は当日も表示しておけるのでイは正しい。(1)(2)はアを正、(4)はイを誤とした点で誤り

【時短のコツ】ネット選挙の記述は「18歳未満」「電子メール」「投票日当日」の3語を探し、どれもなければ原則「できる」と考えてから細部を確認すると速く判定できます。

つまずき別:次に確認すること

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Q & A

よくある質問

Q.候補者から届いた選挙運動メールを友人に転送してもよいですか?

2026年9月27日時点の現行法ではできません。一般の有権者は電子メールで選挙運動用の文書を送ることができず、転送もこれに当たります。SNSでの共有であれば可能です。2027年3月1日以後に公示・告示される選挙からは、電子メールの規制が廃止されます。

Q.選挙期間の前にSNSで投票を呼びかけてもよいですか?

公示・告示の前に特定の候補者への投票を呼びかけることは事前運動として禁止されています。選挙運動ができるのは公示・告示日から投票日の前日までです。

Q.ネット投票はできますか?

解禁されたのはネットを使った「選挙運動」で、インターネットでの「投票」は、2026年9月27日時点で国政選挙に導入されていません。2026年の改正法には、在外選挙でのインターネット投票の導入について検討する規定が設けられましたが、導入が決まったわけではありません。

Q.候補者はネットに有料広告を出せますか?

選挙運動用の有料インターネット広告は、候補者個人は出せません。政党等は、選挙運動用ウェブサイトに直接リンクする広告に限って出すことができます(公職選挙法142条の6)。

出典・参考

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