KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 政治・法律の問題は、2つの記述の正誤の組合せや空欄の語句の組合せで問われる形が中心です。1語・1つの数字の入れ替えで誤りが作られます。
- 覚える単位は「数字+主語+結論」。たとえば「法律案の再可決は、衆議院の出席議員の3分の2以上」のように、誰が・何分の何・どうなるかをセットにします。
- 時間がない人は、衆議院の優越、国会の種類、人権の分類、違憲判決、司法への国民参加(国民審査・裁判員)の5つから固めると効率的です。
- 条文はe-Gov法令検索で原文を確認できます。衆議院の定数削減法案や同性婚訴訟のように、2026年9月27日時点で結論が出ていない論点もあります。
この記事の目次
BESTの政治・法律はどんな形で問われるか
職務基礎力試験BEST(BEST-A)の社会情勢では、政治・法律は中学公民から高校の政治・経済の基礎レベルが中心です。公式に分野ごとの問題数は公表されていないため、この記事では「何問出るか」ではなく、「どう問われても答えられる覚え方」を中心に整理します。
当サイトで想定している形式は、次の3つです。どの形式でも、1つの記述を確実に判定できれば選択肢を半分に絞れます。
| 形式 | 例(当サイトの説明用) | 誤りの作られ方 |
|---|---|---|
| ア・イの正誤の組合せ | ア:臨時会は…。イ:特別会は…。正誤の組合せは? | 主語(内閣/国会)や数字(4分の1/3分の1)を入れ替える |
| 空欄の語句の組合せ | (ア)の3分の2以上で再可決 | 総議員/出席議員、30日/10日を入れ替える |
| 説明に合う語を1つ選ぶ | 「首相と国務大臣は文民でなければならない」原則は? | 似た概念(法の支配・三権分立など)を並べる |
選択肢は4つでも、実際に判断するのは2つの記述です。片方しか分からないときの絞り方は4択の消去法と見直しのコツにまとめています。
政治・法律の論点一覧表(数字と主語をセットで)
BEST対策で押さえたい論点と、ひとことで言えるポイントです。詳しい解説と独自の練習問題は各記事にあります。
| 論点 | 覚えるポイント | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 基本的人権の分類 | 自由権・社会権・参政権・請求権+平等権。25条(生存権)は社会権 | 人権の分類 |
| 信教の自由と政教分離 | 20条・89条。津地鎮祭は合憲、愛媛玉串料・空知太神社・孔子廟は違憲 | 政教分離の判例 |
| 違憲審査と違憲判決 | 81条。法令違憲は2026年2月の旧警備業法の判決で14例目 | 違憲判決一覧 |
| 最高裁裁判官の国民審査 | 任命後初の衆院総選挙、その後10年経過後の総選挙ごと | 国民審査 |
| 裁判員制度 | 重大な刑事事件の第一審。原則 裁判官3人+裁判員6人。18歳以上から選ばれる | 裁判員制度 |
| 文民統制 | 66条2項。首相と国務大臣は文民。自衛隊の最高指揮監督権は首相 | 文民統制 |
| 国会の種類 | 常会(1月召集・150日)、臨時会、特別会、参議院の緊急集会 | 国会の種類 |
| 衆議院の優越 | 法律案は出席議員の3分の2で再可決。予算・条約は30日、首相指名は10日 | 衆議院の優越 |
| 内閣不信任と解散 | 69条。不信任可決から10日以内に解散しなければ総辞職 | 内閣不信任と解散 |
| 選挙制度 | 衆院465(小選挙区289・比例176)、参院248で3年ごとに半数改選 | 選挙制度 |
| 選挙権年齢18歳 | 2016年の参院選から。成年年齢は2022年4月から18歳 | 選挙権18歳 |
| ネット選挙運動 | 2013年解禁。現在、電子メールは候補者・政党等のみ(2027年3月から規制廃止) | ネット選挙 |
| 憲法改正 | 各議院の総議員の3分の2以上で発議、国民投票で過半数 | 憲法改正の手続き |
時間がない人はどの5つから覚えるか
働きながら受験する人は、次の5つから固めると効率的です。どれも数字や結論の入れ替えで誤りを作りやすく、1つ覚えると複数の記述の判定に使えます。出題頻度を示すものではなく、覚える順番の提案です。
- 衆議院の優越の数字:3分の2(法律案の再可決)、60日(法律案のみなし否決)、30日(予算・条約)、10日(首相指名)。
- 国会の召集の条件:常会は毎年1月・150日、臨時会はいずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求、特別会は総選挙の日から30日以内。
- 人権の分類と条文番号:25条=生存権(社会権)、22条=職業選択の自由(経済的自由)、13条=幸福追求権(新しい人権の根拠)。
- 違憲判決と政教分離:判例名・年・合憲か違憲か、の3点を対にする。
- 司法への国民参加:国民審査のタイミングと罷免の条件、裁判員の人数・年齢・評決の条件。
正誤の記述を判定する手順
政治・法律の記述は、長くても判断するポイントは数か所です。次の順に確認すると、読み飛ばしが減ります。
- 主語に印をつける:内閣か国会か、衆議院か参議院か、天皇か首相か。
- 数字と単位を確かめる:総議員か出席議員か、何分の何か、何日以内か。
- 結論の向きを確かめる:合憲か違憲か、可決か否決か、できるかできないか。
- 「必ず」「すべて」「のみ」を疑う:例外規定がある制度(緊急時の事後承認など)で誤りになりやすい。
- 判断できない部分は保留して、もう一方の記述で選択肢を絞る。
| よくある入れ替え | 正しい組合せ | 根拠 |
|---|---|---|
| 総議員 ⇔ 出席議員 | 法律案の再可決は出席議員、憲法改正の発議は総議員 | 59条2項、96条1項 |
| 30日 ⇔ 10日 | 予算・条約は30日、首相指名は10日 | 60条2項・61条、67条2項 |
| 内閣 ⇔ 国会 | 臨時会の召集を決めるのは内閣、首相を指名するのは国会 | 53条、67条1項 |
| 合憲 ⇔ 違憲 | 津地鎮祭は合憲、愛媛玉串料は違憲 | 1977年・1997年の最高裁判決 |
| 衆議院 ⇔ 参議院 | 内閣不信任決議ができるのは衆議院、緊急集会は参議院 | 69条、54条2項 |
独自の練習問題:本番と同じ形で解いてみる
当サイトが書き下ろした練習問題です。選択肢の並びは「ア正・イ正/ア正・イ誤/ア誤・イ正/ア誤・イ誤」の順にそろえています。
- 問1 次のア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。ア:法律案について参議院が衆議院と異なる議決をした場合、衆議院が総議員の3分の2以上の多数で再び可決すれば法律となる。イ:内閣は、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、臨時会の召集を決定しなければならない。(1)ア正・イ正(2)ア正・イ誤(3)ア誤・イ正(4)ア誤・イ誤
- 問2 空欄に入る語句の組合せとして正しいものはどれか。「最高裁判所の裁判官は、任命後初めて行われる(ア)の際に国民審査に付される。裁判員裁判は、原則として裁判官3人と裁判員(イ)人で行う。」(1)ア 衆議院議員総選挙・イ 6(2)ア 参議院議員通常選挙・イ 6(3)ア 衆議院議員総選挙・イ 9(4)ア 参議院議員通常選挙・イ 3
| 問 | 正解 | 各選択肢が誤りになる理由 |
|---|---|---|
| 問1 | (3)ア誤・イ正 | アは「総議員」ではなく「出席議員」の3分の2以上(59条2項)。イは53条のとおり正しい。(1)(2)はアを正とした点、(4)はイを誤とした点で誤り |
| 問2 | (1) | 国民審査は衆議院議員総選挙の際に行う(79条2項)ので(2)(4)は誤り。裁判員は原則6人(裁判員法2条2項)なので(3)の9人、(4)の3人は誤り |
問1のように、1語の入れ替えを見抜けるかが得点の分かれ目です。問2は、アだけ分かれば(1)(3)の2択に絞れる構造です。
条文と最新の動きをどう確かめるか
憲法や法律の条文は、デジタル庁が運営するe-Gov法令検索で無料で読めます。要約だけで覚えると「総議員」と「出席議員」のような細かな語を取り違えやすいので、よく使う条文は一度原文を見ておくと安心です。
- e-Gov法令検索で法令名(日本国憲法、国会法、公職選挙法など)を検索する。
- 目次またはページ内検索で条番号(例:第五十九条)を探す。
- 主語・数字・結論に印をつけて読む。
- 法律は改正されるので、施行日と改正履歴で最新版かを確かめる。
| 2026年9月27日時点で動いている論点 | 現在の状態 | 確認先 |
|---|---|---|
| 衆議院の定数削減 | 法案は提出済みだが未成立(継続審議)。現行の定数は465 | 衆議院・総務省 |
| 同性婚を認めない規定 | 2026年3月に最高裁大法廷に回付。統一判断はまだ出ていない | 最高裁判所 |
| 電子メールによる選挙運動 | 2026年7月の改正で規制廃止が決定。2027年3月1日施行 | 参議院の議案情報・総務省 |
つまずき別:次に確認すること
間違えた記述を「知らなかった」で終わらせず、どこで判断を誤ったかを分けると、復習する記事が決まります。
| つまずき | 確認する操作 | 進む記事 |
|---|---|---|
| 数字は覚えたのに正誤を間違える | 数字の前の主語(総議員・出席議員、内閣・国会)を書き出す | 衆議院の優越 |
| 判例の結論を取り違える | 判例名・年・合憲/違憲を1行で書く | 違憲判決一覧 |
| 権利の分類で迷う | 「国家からの自由」か「国家による自由」かで分ける | 人権の分類 |
| 選挙の数字が古い | 総務省の公表で現行の定数を確認する | 選挙制度 |
知識を覚えたら、時間を計って本番と同じ4択で解くと定着を確かめられます。登録不要の無料お試し10問では、社会情勢を含む4分野の問題と全問の解説を確認できます。地方自治の論点は地方自治のまとめ、経済は経済分野のまとめへ進んでください。
Q & A
よくある質問
Q.BESTの政治・法律は何問くらい出ますか?+
公式に分野ごとの問題数は公表されていません。社会情勢全体の範囲の考え方は社会情勢はどこまで勉強するかで整理しています。政治・法律と地方自治は制度の知識なので、一度覚えれば長く使えます。
Q.条文番号まで覚える必要はありますか?+
すべてを覚える必要はありません。9条・13条・14条・25条・41条・59条・69条・96条など、よく引用される条文だけ番号と内容を対にしておくと、記述の正誤判断が速くなります。
Q.判例は名前だけ覚えればよいですか?+
判例名と「合憲か違憲か」、それに年代の3点をセットで覚えるのがおすすめです。記述では結論を入れ替えて誤りを作ることが多いためです。
Q.議員定数などの数字はいつ時点のものを覚えればよいですか?+
受験時点の現行法の数字です。この記事は2026年9月27日時点の法令にもとづいています。衆議院の定数削減法案は同日時点で未成立のため、受験前に総務省や衆議院のサイトで最新の状況を確認してください。