KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 場合の数は、「または」(どちらか一方が起きる)なら足す、「続けて」「かつ」(両方が順に起きる)ならかける、の2つで大半を処理できます。
- 数え漏れと重複を防ぐには、樹形図(1つ目の選び方ごとに枝を分ける)か表(2つの組合せを縦横に並べる)で書き出します。
- 条件のついた位置(先頭に0は置けない、末尾は偶数など)があるときは、条件の強い位置から先に数えると場合分けが減ります。
- 答えの数が大きくなりそうなら、公式に頼る前に小さな例で書き出して、数え方が正しいかを確かめます。
この記事の目次
場合の数の問題は何を聞いている?
場合の数の問題は、「全部で何通りあるか」を数える問題です。道順、カードの並べ方、サイコロの目の出方、代表の選び方など題材はさまざまですが、やることはもれなく、重複なく数えることだけです。
計算自体は足し算とかけ算がほとんどです。難しさは、どの場面で足し、どの場面でかけるかの判断と、同じものを2回数えていないかの確認にあります。この記事では、その判断のしかたと書き出し方を整理します。
並べ方と選び方の公式(nPr・nCr)は順列と組合せの使い分け、道順は最短経路の数え方、確率への応用は確率の基本で扱っています。
和の法則と積の法則はどう使い分ける?
| 法則 | 使う場面 | 問題文の言葉 | 例 |
|---|---|---|---|
| 和の法則(足す) | 同時には起きない場合のどれか1つ | または、あるいは、〜か〜 | 電車3通り・バス2通りのどちらかで行く → 3+2=5通り |
| 積の法則(かける) | 1つ目を決めたあと、続けて2つ目を決める | 続けて、かつ、〜してから〜 | 上着3着・ズボン2本から1つずつ選ぶ → 3×2=6通り |
迷ったときは「1つ目の選び方それぞれに対して、2つ目の選び方が全部そろっているか」を考えます。そろっていればかけ算、別々のルートのどちらかなら足し算です。
和の法則を使うときは、2つの場合が同時に起きない(重なりがない)ことを確かめます。重なりがある場合は、ベン図のように重なった分を引く必要があります。
数え漏れを防ぐ書き出し方の手順
- 何を1通りと数えるかを決める:並び順を区別するのか(AB と BA は別か)、同じものを含むかを確認する。
- 条件の強い位置・人から決める:先頭に0は置けない、末尾は偶数など、選べる数が少ない位置を最初に数える。
- 樹形図か表で書き出す:選ぶものが3段階以上なら樹形図、2つの組合せなら表が向く。
- 規則が見えたら計算に切り替える:枝の数が毎回同じになると分かったら、残りはかけ算で出す。
たとえば A・B・C の3人の並び方を樹形図で書くと、先頭が A の枝から ABC・ACB、B の枝から BAC・BCA、C の枝から CAB・CBA の6通りです。先頭3通り×2番目2通り×最後1通り=6 と、かけ算でも同じになります。
例題1:足すかかけるかを判断する
例題1 A町からB町へ行く道が3本、B町からC町へ行く道が4本ある。また、A町からC町へB町を通らずに行く道が2本ある。A町からC町へ行く方法は何通りか。ただし、同じ町を2度通らないものとする。
1. 9通り 2. 12通り 3. 14通り 4. 24通り
解き方 B町を通るルートは「A→Bを選び、続けてB→Cを選ぶ」ので 3×4=12通り。直接行くルートは2通り。この2つは同時には起きないので足して、12+2=14通りです。
| 選択肢 | 判定 | どこから出る数か |
|---|---|---|
| 1. 9通り | × | 3+4+2。続けて選ぶ部分まで足してしまった値 |
| 2. 12通り | × | B町を通るルートだけを数え、直接の2本を忘れた値 |
| 3. 14通り | ○ | 3×4+2 |
| 4. 24通り | × | 3×4×2。「または」の部分までかけてしまった値 |
正解は3です。ルートを「B町経由」「直接」に分けてから、それぞれの中で積の法則を使う、という順番で考えると迷いません。
例題2:先頭に0を置けない整数を数える
例題2 0・1・2・3 の4枚のカードから3枚を選んで並べ、3けたの整数を作る。作れる整数は何通りか。
1. 6通り 2. 18通り 3. 24通り 4. 27通り
解き方 条件の強い百の位から数えます。百の位は0以外の3通り。十の位は、残り3枚(0を含む)から3通り。一の位は残り2枚から2通り。3×3×2=18通りです。
| 選択肢 | 判定 | どこから出る数か |
|---|---|---|
| 1. 6通り | × | 先頭が0になる並び(0□□)の数。除く側の数を答えた値 |
| 2. 18通り | ○ | 3×3×2(または 24−6) |
| 3. 24通り | × | 4×3×2。先頭の0を除いていない値 |
| 4. 27通り | × | 3×3×3。同じカードを2回使えるとした値 |
正解は2です。全体の24通りから、先頭が0の6通り(残り3枚から2枚を並べる3×2)を引いても18通りになります。条件の強い位置から数える方法と、全体から除く方法のどちらでも解けるので、片方で解いたらもう片方で検算できます。
例題3:表で数えて「または」を足す
例題3 大小2つのサイコロを同時に投げるとき、出た目の和が5の倍数になるのは何通りか。
1. 7通り 2. 4通り 3. 12通り 4. 3通り
解き方 目の和は2〜12なので、5の倍数になるのは和が5か10のときです。大きいサイコロの目ごとに表で数えます。
| 大の目 | 和が5になる小の目 | 和が10になる小の目 | 個数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 4 | ― | 1 |
| 2 | 3 | ― | 1 |
| 3 | 2 | ― | 1 |
| 4 | 1 | 6 | 2 |
| 5 | ― | 5 | 1 |
| 6 | ― | 4 | 1 |
| 計 | 4通り | 3通り | 7通り |
和が5と和が10は同時には起きないので足して、4+3=7通り。正解は1です。2は和が5の場合だけ、4は和が10の場合だけを数えた値です。3は「和が5」と「和が10」の個数をかけた値で、「または」を積の法則で処理してしまっています。
大小2つのサイコロは区別するので、(大1, 小4) と (大4, 小1) は別の1通りとして数えます。
重複して数えていないかはどう確かめる?
積の法則でかけ算をすると、同じ組を順番違いで2回数えることがあります。A〜Dの4人から2人を選ぶ場面で比べてみます。
| 問題 | 並び順を区別するか | 数え方 | 答え |
|---|---|---|---|
| 委員長と副委員長を1人ずつ選ぶ | 区別する(A委員長・B副 と B委員長・A副 は別) | 4×3 | 12通り |
| 2人の担当者を選ぶ | 区別しない(AとB、BとAは同じ組) | 4×3÷2 | 6通り |
区別しない場合は、区別して数えた12通りの中に、同じ組が「AB・BA」のように2回ずつ入っています。そのため2で割ります。書き出して確かめると、AB・AC・AD・BC・BD・CD の6通りです。
役割や順番に意味があるかを問題文で確かめ、意味がなければ割る、と覚えておくと、答えが2倍(3人なら6倍)になる失敗を防げます。この判断は順列と組合せの使い分けの中心でもあります。
つまずいた操作から確認する
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 足すかかけるかで迷う | 「1つ目の各選び方に、2つ目の選び方が全部つくか」を確かめる |
| 答えが大きすぎる | 同じものを2回数えていないか、並び順を区別しすぎていないかを確かめる |
| 答えが小さすぎる | 場合分けのどれかを忘れていないか、樹形図の枝を数え直す |
| 条件つきの位置で間違える | 先頭・末尾など条件の強い位置から先に数え直す |
1分で解くための時短のコツ
- 「全体−条件に合わないもの」を使う:例題2のように、除く側の方が数えやすいときは引き算が速いです。
- 樹形図は1本の枝だけ書く:枝ごとの数が同じと分かれば、1本数えてかけ算に切り替えます。
- 選択肢の数を見てから数え始める:選択肢の差が大きければ、細かい書き出しをせずに概算で絞れることもあります。
次に練習すること
並べる・選ぶを公式で速く数えるには順列と組合せの使い分け、碁盤の目の道順は最短経路の数え方へ進んでください。場合の数を確率に使う問題は確率の基本、試合の組合せの数はリーグ戦の勝敗表の書き方で確認できます。
数え方の型を覚えたら、登録不要の無料お試し10問で、本番と同じ1問1分のペースで解けるかを試してみてください。
Q & A
よくある質問
Q.樹形図と表はどちらを使えばよいですか?+
2つのものの組合せ(サイコロ2つ、2人の選び方など)は表、3段階以上で順に決めていく場合は樹形図が向いています。どちらも、規則が見えたらかけ算に切り替えます。
Q.「少なくとも1つ」を数える問題は?+
全体の数から「1つもない場合」を引くと速く数えられます。確率の問題でも同じ考え方を使います。
Q.サイコロを2つ投げる問題で、目の組を区別しないのはどんなときですか?+
問題文が「目の組合せ」を聞いている場合や、同じ形のサイコロで区別できないと書かれている場合です。確率を求める問題では、区別して36通りで数えるのが基本です。
Q.同じカードが2枚あるときの並べ方は?+
同じものを区別しないので、区別したときの並べ方を、同じもの同士の並べ方の数で割ります。たとえば A・A・B の並べ方は 3×2×1÷2=3通り(AAB・ABA・BAA)です。