KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 2集合は n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B)。まず「全体−どちらでもない人」で A∪B を出すのが最初の一手です。
- 3集合は公式を暗記するより、図の内側(3つとも)から順に数字を書き込む方が間違えにくく、途中の数も確認できます。
- 2つの条件の組合せは、2×2のクロス表にすると「足りない1マス」を引き算で埋められます。
- 「少なくとも何人」は、2つの人数の合計から全体を引いた数が最小になります(0未満なら0人)。
この記事の目次
少なくとも一方 = Aの人数 + Bの人数 − 両方の人数
関係を示す模式図です。円や領域の面積は人数の割合を表しません。
ベン図の問題は何を聞いている?
ベン図の問題は、アンケートなどで「Aに当てはまる人」「Bに当てはまる人」の人数が与えられ、両方に当てはまる人・片方だけの人・どちらでもない人の数を求める形が基本です。判断推理の「集合」、数的推理の「集合算」と呼ばれることもあります。
使う計算は足し算と引き算だけです。難しさは計算ではなく、同じ人を2回数えていないか、どちらにも当てはまらない人を忘れていないかという数え方の整理にあります。図か表に書き出せば、ほとんどの問題は1分前後で解ける型です。
命題の問題で「〜な人もいる」という形が出てきたときにも、ベン図で集合の重なりを考えると判断しやすくなります。矢印で解く型は命題と対偶の解き方で扱っています。
ベン図を解く手順と公式
- 問題文から「全体」「Aの人数」「Bの人数」「両方」「どちらでもない」のうち、分かっている数に印をつける。
- 全体−どちらでもない=少なくとも一方に当てはまる人数(A∪B) を先に出す。
- 2集合なら公式、3集合なら図の内側から数字を書き込んで、求める部分を出す。
- 最後に、図の各部分の合計が全体と一致するかを確かめる。
| 場面 | 式 |
|---|---|
| 2集合 | n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B) |
| どちらでもない人 | 全体−n(A∪B) |
| Aだけの人 | n(A)−n(A∩B) |
| 3集合 | n(A∪B∪C)=n(A)+n(B)+n(C)−n(A∩B)−n(B∩C)−n(C∩A)+n(A∩B∩C) |
| 両方の最小人数 | n(A)+n(B)−全体(0未満なら0) |
2集合の公式で引き算をするのは、A と B を足したときに「両方」の人を2回数えているからです。3集合の式の最後で「3つとも」を足し戻すのも同じ理由で、引きすぎた分を戻しています。
例題1:2集合で「両方」の人数を求める
例題1 職員80人に資格の有無を調べたところ、簿記を持つ人が45人、パソコン検定を持つ人が38人、どちらも持っていない人が12人だった。両方を持っている人は何人か。
1. 3人 2. 23人 3. 15人 4. 30人
解き方 少なくとも一方を持つ人は 80−12=68人。公式に入れると 68=45+38−(両方)なので、両方=83−68=15人です。
| 部分 | 人数 | 求め方 |
|---|---|---|
| 両方 | 15 | 45+38−68 |
| 簿記だけ | 30 | 45−15 |
| パソコン検定だけ | 23 | 38−15 |
| どちらでもない | 12 | 問題文 |
| 合計 | 80 | 15+30+23+12 |
正解は3です。1の3人は、どちらでもない12人を忘れて 45+38−80 と計算した値です。2の23人は「パソコン検定だけ」、4の30人は「簿記だけ」の人数で、求める部分の取り違えです。
例題2:3集合は内側から書き込む
例題2 職員50人に話せる外国語を調べた。英語22人、中国語18人、韓国語15人。英語と中国語の両方7人、中国語と韓国語の両方5人、韓国語と英語の両方6人、3つとも話せる人が2人だった。どれも話せない人は何人か。
1. 13人 2. 15人 3. 25人 4. 11人
解き方 図の中心(3つとも)に2を書き、次に「2つだけ」の部分を、2つの両方の人数から2を引いて埋めます。最後に「1つだけ」の部分を埋めます。
| 部分 | 人数 | 求め方 |
|---|---|---|
| 3つとも | 2 | 問題文 |
| 英語と中国語だけ | 5 | 7−2 |
| 中国語と韓国語だけ | 3 | 5−2 |
| 韓国語と英語だけ | 4 | 6−2 |
| 英語だけ | 11 | 22−5−4−2 |
| 中国語だけ | 8 | 18−5−3−2 |
| 韓国語だけ | 6 | 15−3−4−2 |
| 少なくとも1つ | 39 | 上の7つの合計 |
どれも話せない人は 50−39=11人で、正解は4です。公式でも 22+18+15−7−5−6+2=39 と同じ結果になります。1の13人は最後の+2(3つとも)を足し戻し忘れた値、2の15人は+2を−2にしてしまった値です。3の25人は「1つだけ話せる人」(11+8+6)で、求める部分が違います。
表(クロス表)で整理するには?
条件が2つだけなら、2×2の表に「当てはまる/当てはまらない」を並べると、縦と横の合計を使って空いたマスを埋められます。例題1をクロス表にすると次のとおりです。
| パソコン検定あり | パソコン検定なし | 計 | |
|---|---|---|---|
| 簿記あり | 15 | 30 | 45 |
| 簿記なし | 23 | 12 | 35 |
| 計 | 38 | 42 | 80 |
「簿記なし」は 80−45=35、その中の「パソコン検定なし」が12なので、簿記なし・パソコン検定ありは 35−12=23。ここからパソコン検定ありの合計38を使えば、両方は 38−23=15 と出ます。1行・1列の中で分からないマスが1つだけになったら引き算で埋まる、というのが表の強みです。男女別・年代別など、属性が2つずつに分かれる問題では図より速いことがあります。
例題3:「少なくとも何人」を求める
例題3 職員40人のうち、電車で通勤している人は28人、自転車を持っている人は25人である。電車で通勤していて、かつ自転車を持っている人は、少なくとも何人いるか。
1. 12人 2. 13人 3. 15人 4. 25人
解き方 両方に当てはまる人が最も少なくなるのは、「どちらでもない人」が0人のときです。このとき 40=28+25−(両方)なので、両方=53−40=13人。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1. 12人 | × | 電車で通勤していない人数(40−28)。両方が12人だと合計が 28+25−12=41人となり全体を超える |
| 2. 13人 | ○ | どちらでもない人が0人のときに実現できる最小値 |
| 3. 15人 | × | 自転車を持っていない人数(40−25)。両方が15人の配置は可能だが最小ではない |
| 4. 25人 | × | 両方になりうる最大の人数(少ない方の25人全員が電車通勤の場合) |
正解は2です。「少なくとも」は最小値、「多くとも」は最大値を聞いています。最大値は2つの人数のうち小さい方(ここでは25人)です。
つまずいた操作から確認する
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 答えが選択肢にない・合わない | 「どちらでもない人」を引いてから公式に入れたか確認する |
| 3集合で数が合わない | 中心→2つだけ→1つだけの順に書き、7つの部分の合計を全体と比べる |
| 「だけ」と「両方」を取り違える | 問題文の「〜だけ」「〜も」「両方とも」に線を引き、図のどの部分かを指さす |
| 最小・最大で迷う | 最小は「どちらでもない」を0人、最大は小さい方の集合が丸ごと重なる場合を考える |
1分以内で解くための時短のコツ
- 図は丸2つ(3つ)だけ書き、数字を直接書き込む:きれいな図は不要。部分ごとの数字が見えれば十分です。
- 選択肢を逆算に使う:2集合なら、選択肢の数を「両方」に入れて全体の人数が合うかを確かめるだけでも答えが出ます。
- 3集合の公式は最後の検算用:書き込み法で出した合計と公式の結果が一致すれば、見直しの時間を省けます。
次に練習すること
集合の考え方は、倍数の個数の求め方(「3でも5でも割り切れない数」など)にもそのまま使えます。矢印の向きで条件を判定する型は必要条件と十分条件の見分け方、条件を並べる型は順序関係の解き方へ。論理的思考のほかの型は出題パターンまとめで一覧にしています。
図の書き方を覚えたら、登録不要の無料お試し10問で、本番と同じ1問1分のペースで解けるかを試してみてください。
Q & A
よくある質問
Q.3集合の公式は覚えるべきですか?+
覚えておくと検算に便利ですが、解くときは図の内側から数字を書き込む方法の方が、途中の部分の人数も分かり、設問が「〜だけの人」を聞いていても対応できます。
Q.「3つとも」の人数が分からない問題はどうしますか?+
分からない部分を x と置いて図に書き込み、全体の人数の式を作ります。x が1つだけなら、足し算と引き算で求められます。
Q.人数ではなく割合(%)で与えられた場合は?+
全体を100として同じ手順で解けます。最後に実際の人数を聞かれたら、全体の人数に割合をかけて戻します。割合のまま足し引きしてよいのは、同じ全体に対する割合どうしのときだけです。
Q.クロス表とベン図はどちらを使えばよいですか?+
条件が2つで、「あり・なし」がはっきり分かれる問題はクロス表、条件が3つある問題はベン図が向いています。どちらも自分が速く書ける方で構いません。