KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 1〜N の中の a の倍数の個数は、N÷a の整数部分(商)です。1〜200 の3の倍数なら 200÷3=66 余り2 で66個。
- a と b の公倍数は、最小公倍数の倍数です。4と6の公倍数は24の倍数ではなく、12の倍数である点に注意します。
- 「a または b で割り切れる数」は、a の倍数+b の倍数−公倍数。「どちらでも割り切れない数」は全体からそれを引きます。
- 範囲が100〜300のように途中から始まるときは、(1〜300の個数)−(1〜99の個数)で数えます。
この記事の目次
倍数の個数は割り算で数えられる?
1〜N の中に a の倍数がいくつあるかは、N を a で割った商で分かります。a の倍数は a、2a、3a、… と並ぶので、「a を何回足すと N を超えないか」を数えることになり、それが N÷a の整数部分だからです。
たとえば1〜50の7の倍数は、50÷7=7 余り1 なので7個(7、14、…、49)です。余りは切り捨てます。
この個数の数え方に、ベン図の「重なりを引く」考え方を組み合わせると、「3でも5でも割り切れない数」のような問題が解けます。集合の人数を数える問題と、計算の形はまったく同じです。
公倍数・最小公倍数はどう使う?
| 2つの数 | 最小公倍数 | 1〜100の公倍数の個数 | まちがえやすい計算 |
|---|---|---|---|
| 3と4 | 12(共通の約数がない) | 100÷12=8個 | ― |
| 4と6 | 12(4×6÷2) | 100÷12=8個 | 4×6=24で割ると4個になり誤り |
| 6と9 | 18(6×9÷3) | 100÷18=5個 | 6×9=54で割ると1個になり誤り |
2つの数に共通の約数(2や3など)があるときは、かけ算しただけでは最小公倍数になりません。2つの数の積÷最大公約数で求めるか、大きい方の倍数を順に並べて、小さい方で割り切れる最初の数を探します。4と6なら、6、12…と並べて、12が4で割り切れるので最小公倍数は12です。
倍数の個数を数える手順
- 範囲を確かめる:1から始まるか、途中から始まるか。途中からなら「上端までの個数−下端の1つ前までの個数」にする。
- それぞれの倍数の個数を出す:N÷a、N÷b の整数部分。
- 公倍数の個数を出す:最小公倍数 L を求め、N÷L の整数部分。
- ベン図で組み合わせる:「a または b」=a の個数+b の個数−公倍数の個数。「どちらでもない」=全体−「a または b」。
例題1:3でも5でも割り切れない数
例題1 1から200までの整数のうち、3でも5でも割り切れない数は何個あるか。
1. 94個 2. 107個 3. 93個 4. 13個
解き方 3の倍数は 200÷3=66個、5の倍数は 200÷5=40個。3と5の最小公倍数は15なので、両方で割り切れる数は 200÷15=13個。3または5で割り切れる数は 66+40−13=93個です。どちらでも割り切れない数は 200−93=107個。
| 部分 | 個数 | 求め方 |
|---|---|---|
| 3でも5でも割り切れる(15の倍数) | 13 | 200÷15の整数部分 |
| 3だけで割り切れる | 53 | 66−13 |
| 5だけで割り切れる | 27 | 40−13 |
| どちらでも割り切れない | 107 | 200−(13+53+27) |
| 合計 | 200 | 検算 |
正解は2です。1の94個は 200−66−40 で、15の倍数13個を2回引いたまま足し戻していない値です。3の93個は「3または5で割り切れる数」で、最後に全体から引くのを忘れた値。4の13個は、両方で割り切れる数の個数です。
例題2:範囲が1から始まらない場合
例題2 100から300までの整数のうち、6の倍数は何個あるか。
1. 33個 2. 50個 3. 34個 4. 35個
解き方 1〜300の6の倍数は 300÷6=50個。1〜99の6の倍数は 99÷6=16 余り3 で16個。100〜300の中の6の倍数は 50−16=34個です。
| 選択肢 | 判定 | どこから出る数か |
|---|---|---|
| 1. 33個 | × | (300−100)÷6=33.3… の整数部分。範囲の幅で割った値で、端の数の扱いがずれている |
| 2. 50個 | × | 1〜300の6の倍数の個数。範囲の下側を引いていない値 |
| 3. 34個 | ○ | 50−16(最小102、最大300) |
| 4. 35個 | × | 両端の分として1を足した値。実際には102〜300の6の倍数は34個で、35個目にあたる306は範囲の外 |
正解は3です。確かめとして、範囲内の最小の6の倍数は102(6×17)、最大は300(6×50)なので、17番目から50番目までで 50−17+1=34個です。下端を引くときは「100」ではなく「99」までの個数を使う点がポイントです。100がちょうど6の倍数だった場合、1〜100の個数を引くと、100自身が数えられなくなるからです。
練習問題:公倍数と余りのある数
練習1 1から100までの整数のうち、4でも6でも割り切れる数は何個あるか。
答え 8個。4と6の最小公倍数は12なので、100÷12=8 余り4 で8個(12、24、…、96)。4×6=24 で割ると4個になり、12や36などを数え落とします。
練習2 1から100までの整数のうち、3で割ると2余る数は何個あるか。
答え 33個。2、5、8、…、98 と3ずつ増える数です。「3の倍数+2」と考えると、3×0+2 から 3×32+2=98 までなので、0〜32の33個です。余りのある数は、「倍数+余り」の形に直してから、何番目まであるかを数えると迷いません。
3つの数で割り切れる数はどう数える?
3つの数になっても考え方は同じで、ベン図の3集合と同じ式を使います。1〜100の中で、2・3・5のいずれかで割り切れる数を数えてみます。
| 数える対象 | 計算 | 個数 |
|---|---|---|
| 2の倍数・3の倍数・5の倍数 | 50+33+20 | 103 |
| 2つずつの公倍数(6・10・15の倍数)を引く | −(16+10+6) | −32 |
| 3つの公倍数(30の倍数)を足し戻す | +3 | +3 |
| 合計 | 103−32+3 | 74個 |
いずれでも割り切れない数は 100−74=26個です。3つの数のときは「足す→引く→足し戻す」の3段になるので、表の形で1行ずつ書くと、足し戻しを忘れません。
つまずいた操作から確認する
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 公倍数の個数が少なすぎる | 2つの数の積ではなく、最小公倍数で割ったかを確かめる |
| 「どちらでもない」の数が合わない | 重なり(公倍数)を1回だけ引いたかを、ベン図の各部分の合計で確かめる |
| 範囲が途中からで1個ずれる | 下端は「下端−1」までの個数を引く。最小・最大の倍数を書き出して検算する |
| 余りを切り上げてしまう | 個数は N÷a の整数部分(切り捨て)と確かめる |
1分で解くための時短のコツ
- 割り算は商だけ書く:200÷3 なら「66」とだけメモし、余りは書かない。
- ベン図は数字だけ:円を2つ描き、重なりに公倍数の個数を書けば、あとは引き算です。
- 3つの数のときも同じ:「2・3・5のいずれかで割り切れる数」は、3つの倍数の個数を足し、2つずつの公倍数を引き、3つの公倍数を足し戻します。
例題1のような問題は、割り算3回と足し引き2回で終わります。30秒ほどで答えが出るので、残りの時間でベン図の各部分の合計が全体と一致するかを確かめる余裕も作れます。
次に練習すること
重なりを引く計算はベン図の問題の解き方と同じなので、あわせて練習すると定着します。規則的に並ぶ数の問題は数列の解き方、表の数の並びを考える問題は魔方陣へ。仮定して割り算で数を出す型は鶴亀算・過不足算で確認できます。
数え方の手順を覚えたら、登録不要の無料お試し10問で、本番と同じ1問1分のペースで解けるかを試してみてください。
Q & A
よくある質問
Q.最小公倍数を速く求める方法は?+
大きい方の数の倍数を順に並べ、小さい方で割り切れる最初の数を探す方法が手早いです。数が大きいときは、2つの数の積を最大公約数で割ります。
Q.「3の倍数でない数」の個数はどう数えますか?+
全体の個数から3の倍数の個数を引きます。1〜200なら 200−66=134個です。「〜でない」は余事象の考え方で、全体から引くのが基本です。
Q.「4の倍数だが6の倍数でない数」はどう数えますか?+
4の倍数の個数から、4と6の公倍数(12の倍数)の個数を引きます。1〜100なら 25−8=17個です。ベン図でいえば「4の円のうち、重なりを除いた部分」にあたります。
Q.0は倍数に含めますか?+
0はすべての整数の倍数ですが、「1から N まで」の範囲なら0は含まれないので、N÷a の整数部分をそのまま使えます。範囲に0が含まれる問題では、0を1個足すかどうかを問題文で確かめます。