KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • P→Q が成り立つとき、矢印の元の P が十分条件、矢印の先の Q が必要条件です。覚えるのはこの1ルールだけで足ります。
  • 判定は「P→Q は成り立つか」「Q→P は成り立つか」を1つずつ確かめ、成り立たない方には反例を1つ挙げます。両方成り立てば必要十分条件です。
  • 集合で考えると、小さい集合(内側)が十分条件、大きい集合(外側)が必要条件になります。
  • 「AのためにはBが必要」「BでなければAでない」はどちらも A→B です。言い方に惑わされたら矢印に直します。
この記事の目次
  1. 01必要条件・十分条件は何を聞いている?
  2. 02必要条件・十分条件を判定する手順
  3. 03集合の包含関係で確かめるには?
  4. 04例題1:倍数の関係を判定する
  5. 05例題2:文章題では「分かっていない向き」に注意
  6. 06例題3:両方向が成り立つ場合
  7. 07言い換えのひっかけをどう読む?
  8. 08つまずいた操作から確認する
  9. 091分以内で解くための時短のコツ
  10. 10次に練習すること
  11. 11よくある質問
  12. 12出典・参考

必要条件・十分条件は何を聞いている?

「PはQであるための何条件か」という問いは、PとQの間に、どちら向きの矢印が成り立つかを聞いています。P→Q(PならばQ)が成り立つとき、次のように呼びます。

  • P は Q であるための十分条件:P が成り立てば、それだけで Q がいえる(P で十分)。
  • Q は P であるための必要条件:P が成り立つには、少なくとも Q が成り立っている必要がある。

たとえば「東京都に住んでいる → 日本に住んでいる」は成り立つので、東京都に住んでいることは日本に住んでいるための十分条件、日本に住んでいることは東京都に住んでいるための必要条件です。

判断推理の命題と同じく、矢印の向きを取り違えないことがすべてです。矢印の書き方そのものに不安がある場合は、先に命題と対偶の解き方で書き換えのルールを確認しておくと、この記事の内容がすっと入ります。

必要条件・十分条件を判定する手順

  1. 問われている2つの条件を P(「〜は」の方)と Q(「〜であるための」の方)に分ける。
  2. P→Q が成り立つかを確かめる。成り立たないなら、P を満たすのに Q を満たさない例(反例)を1つ挙げる。
  3. Q→P が成り立つかを同じように確かめる。
  4. 下の表に当てはめて答えを決める。
2方向の結果と答え(P は Q であるための何条件か)
P→QQ→P答え
成り立つ成り立たない十分条件だが必要条件ではない
成り立たない成り立つ必要条件だが十分条件ではない
成り立つ成り立つ必要十分条件(同値)
成り立たない成り立たない必要条件でも十分条件でもない

「成り立たない」と判断するときは、必ず反例を1つ頭の中で作ります。反例が作れないのに「なんとなく成り立たない」と判断すると、必要十分条件の問題で間違えます。

集合の包含関係で確かめるには?

条件を満たすものの集まり(集合)で考えると、向きの取り違えを防げます。P を満たすものの集合が、Q を満たすものの集合にすっぽり入っていれば P→Q です。

集合の大小と条件の関係
集合の関係矢印内側の条件外側の条件
P の集合 ⊂ Q の集合P→QP:十分条件Q:必要条件
6の倍数 ⊂ 3の倍数6の倍数→3の倍数6の倍数:十分条件3の倍数:必要条件
x>5 の範囲 ⊂ x>2 の範囲x>5→x>2x>5:十分条件x>2:必要条件

「小さい方が十分、大きい方が必要」と覚えると、数の範囲の問題は数直線を書くだけで答えが出ます。集合の図を描くのに慣れていない場合は、ベン図の問題の解き方の図の書き方も参考になります。

例題1:倍数の関係を判定する

例題1 整数 x について、「x が6の倍数であること」は「x が3の倍数であること」であるための何条件か。

1. 必要条件だが十分条件ではない 2. 十分条件だが必要条件ではない 3. 必要十分条件 4. 必要条件でも十分条件でもない

例題1の確認(P:6の倍数、Q:3の倍数)
方向成り立つか理由・反例
P→Q(6の倍数→3の倍数)成り立つ6=3×2 なので、6の倍数はすべて3の倍数
Q→P(3の倍数→6の倍数)成り立たない反例:x=3(3の倍数だが6の倍数ではない)

正解は2です。1は向きを逆に読んだ場合の答えです。3は反例 x=3 があるので誤り、4は P→Q が成り立つので誤りです。

例題2:文章題では「分かっていない向き」に注意

例題2 ある研修について「受講した人は全員、事前課題を提出している」ことが分かっている。このとき、「事前課題を提出していること」は「研修を受講したこと」であるための何条件か。与えられた情報だけから確実にいえるものを選べ。

1. 必要条件である 2. 十分条件である 3. 必要十分条件である 4. 必要条件でも十分条件でもない

例題2の確認(P:提出、Q:受講)
方向分かっていること判定
Q→P(受講→提出)「受講した人は全員提出」と書かれている成り立つ
P→Q(提出→受講)書かれていない。提出したが受講しなかった人がいても矛盾しない確実にはいえない

受講→提出 が成り立つので、矢印の先にある「提出」は「受講」の必要条件です。正解は1です。2と3は、書かれていない提出→受講の向きを前提にしています。4は、受講→提出が成り立っていることと矛盾します。

この例題のように、文章題では片方の向きしか情報がないことがあります。「十分条件ではない」と言い切れるかどうかも与件しだいなので、選択肢の言い方を最後まで読みます。

例題3:両方向が成り立つ場合

例題3 整数 x について、「x² が偶数であること」は「x が偶数であること」であるための何条件か。

1. 必要条件だが十分条件ではない 2. 十分条件だが必要条件ではない 3. 必要十分条件 4. 必要条件でも十分条件でもない

例題3の確認(P:x² が偶数、Q:x が偶数)
方向成り立つか理由
Q→P(x が偶数→x² が偶数)成り立つx=2k なら x²=4k² で偶数
P→Q(x² が偶数→x が偶数)成り立つ対偶「x が奇数→x² が奇数」が成り立つ(x=2k+1 なら x²=2(2k²+2k)+1)

正解は3です。1・2は片方の向きしか確かめていない場合の答え、4は両方成り立つことと矛盾します。P→Q を直接示しにくいときは、例題3のように対偶で確かめると楽になります。

言い換えのひっかけをどう読む?

条件の問題は、同じ関係がいろいろな言い方で出てきます。迷ったら次の表で矢印に直します。

言い方と矢印(どれも A→B を表す)
問題文の言い方矢印十分条件必要条件
AならばBA→BAB
AであるためにはBが必要だA→BAB
BでなければAではないA→B(対偶で読む)AB
AでさえあればBだA→BAB
Aのときに限りBB→ABA

最後の「Aのときに限りB」は向きが逆になる言い方で、取り違えやすい表現です。「Bが起きるのはAのときだけ」と言い直すと B→A だと分かります。

つまずいた操作から確認する

つまずき確認する操作
必要と十分を逆に答えてしまう矢印を書いてから「元が十分、先が必要」と指で指して読む
必要十分条件かどうかで迷う成り立たない方向の反例を具体的に1つ書く。書けなければ両方向を再確認する
数の範囲の問題で混乱する数直線に2つの範囲を書き、内側(小さい方)が十分条件と確認する
文章題で答えが2つに見える与件に書かれている向きと、書かれていない向きを分けて判定する

1分以内で解くための時短のコツ

  • 反例探しを先にする:「成り立たない向き」は反例1つで確定できるので、怪しい向きから確かめると速い。
  • 選択肢は2段階で絞る:P→Q の結果で選択肢を2つに絞り、Q→P の結果で1つに決める。
  • 数の問題は小さい数で試す:倍数や偶奇の問題は、x=1〜6 程度を当てはめるだけで反例が見つかることが多い。

例題1・3のように選択肢が「必要だが十分でない/十分だが必要でない/必要十分/どちらでもない」の4つで並ぶ形なら、判定表の4行と1対1で対応させておくと、選択肢を読み比べる時間も省けます。

次に練習すること

矢印をつなぐ三段論法は命題と対偶の解き方、集合の人数を求める問題はベン図の問題の解き方で練習できます。条件を並べて整理する問題に進むなら順序関係の解き方へ。論理的思考のほかの型は出題パターンまとめから選べます。

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Q & A

よくある質問

Q.「必要条件」と「十分条件」をどうやって覚えればよいですか?

「矢印の元が十分、先が必要」の1つだけ覚えます。集合で考えるなら「小さい方が十分、大きい方が必要」です。

Q.必要十分条件と「同値」は同じ意味ですか?

はい。P→Q と Q→P の両方が成り立つとき、P と Q は同値で、互いに必要十分条件です。

Q.「必要条件でも十分条件でもない」のはどんなときですか?

どちらの向きにも反例があるときです。たとえば「x>2」と「x<5」では、x=6 は x>2 を満たすのに x<5 を満たさず、x=1 は x<5 を満たすのに x>2 を満たしません。数直線に書くと、2つの範囲が一部だけ重なっている形になります。

Q.判断推理の命題の問題と関係がありますか?

考え方は同じです。命題の問題で矢印をつなげる練習をしておくと、必要条件・十分条件の判定も速くなります。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む