KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 損益算は「原価→定価→売値」の順に、かける数を重ねていくだけです。
- 定価=原価×(1+利益率)、売値=定価×(1−割引率)の2式で大半が解けます。
- 原価が分からないときは原価を1とおき、最後に「利益の金額÷利益の割合」で実際の金額に戻します。
- 「2割5分増しの2割引き」は元に戻り、「2割増しの2割引き」は損になります。割合は足し引きせず、かけ算で扱います。
この記事の目次
原価 → 利益を上乗せ → 定価 → 値引き → 売価
説明用の例:1,000 × 1.2 × 0.9 = 1,080円。定価の1割引き後の利益は80円。
損益算で最初に確認することは?
損益算で迷う原因のほとんどは、何をもとにした割合かの取り違えです。「原価の3割の利益を見込む」なら原価がもと、「定価の2割引き」なら定価がもとです。もとが違う割合どうしは、足したり引いたりできません。
割合は、かける数に直して使います。0.1=1割=10%、0.25=2割5分=25%です。「3割増し」は×1.3、「15%引き」は×0.85です。
| 用語 | 意味 | 式 |
|---|---|---|
| 原価(仕入れ値) | 仕入れにかかった金額 | もとにする量 |
| 定価 | 利益を見込んでつけた値段 | 原価×(1+利益率) |
| 売値 | 実際に売った値段 | 定価×(1−割引率) |
| 利益 | もうけ(マイナスなら損失) | 売値−原価 |
原価を1とおく解き方の手順
- 原価が分からなければ、原価を1とおく。
- 定価を「1×(1+利益率)」で出す。
- 売値を「定価×(1−割引率)」で出す。
- 利益の割合を「売値−1」で出す。
- 問題にある利益の金額を、利益の割合で割って原価の金額に戻す。
- 問われているのが原価・定価・売値のどれかを確認し、必要なら原価の金額に割合をかける。
原価を100とおいて整数で計算する方法もあります。「原価100→3割増しの定価130→2割引きの売値104→利益4」のように、小数を避けたいときに使いやすい方法です。
例題1:利益の金額から原価を求める
例題1 ある品物に、原価の3割の利益を見込んで定価をつけた。売れないので定価の2割引きで売ったところ、利益は1個あたり80円だった。この品物の原価はいくらか。
(1)800円 (2)2,000円 (3)2,080円 (4)2,600円
- (1)800円:「3割増しで2割引きなら1割のもうけ」と割合を引き算し、80÷0.1とした値です。2割引きのもとは定価なので、引き算はできません。
- (3)2,080円:売値です。原価を聞かれているのに、計算の途中の値で止めると選びます。
- (4)2,600円:定価です。どの金額を問われているかを最後に確認すれば防げます。
| 手順 | 計算 | わかったこと |
|---|---|---|
| 原価を1とおく | 原価=1 | ― |
| 定価 | 1×1.3=1.3 | 定価は原価の1.3倍 |
| 売値 | 1.3×0.8=1.04 | 売値は原価の1.04倍 |
| 利益の割合 | 1.04−1=0.04 | 利益は原価の4% |
| 原価に戻す | 80÷0.04=2,000 | 原価は2,000円 |
| 検算 | 定価2,600円、売値2,080円、2,080−2,000=80 | 一致 |
例題2:増やして同じ割合で引くと元に戻る?
例題2 原価1,500円の品物に、原価の2割5分増しの定価をつけ、定価の2割引きで売った。このときの損益として正しいものはどれか。
(1)375円の利益 (2)75円の利益 (3)利益も損失もない (4)150円の損失
- (1)375円の利益:定価で売ったときの利益(1,875−1,500)です。2割引きを反映し忘れると選びます。
- (2)75円の利益:「25%増しで20%引きなら5%のもうけ」と引き算し、1,500×0.05とした値です。
- (4)150円の損失:増し率と引き率を入れ替え、1,500×1.2×0.75=1,350とした値です。
| 手順 | 計算 | わかったこと |
|---|---|---|
| 定価 | 1,500×1.25=1,875 | 定価は1,875円 |
| 売値 | 1,875×0.8=1,500 | 売値は1,500円 |
| 損益 | 1,500−1,500=0 | 利益も損失もない |
1.25×0.8=1になる組合せは覚えておくと便利です。一方、「2割増しの2割引き」は1.2×0.8=0.96で、元より4%下がります。同じ割合で増やして減らしても元には戻らないことは、資料分析の増加率の問題でもよく使う考え方です。
例題3:何割引きまでなら損をしない?
例題3 原価の4割の利益を見込んで定価をつけた品物がある。定価から1割単位で値引きするとき、損をしない範囲で最大何割引きまでできるか。
(1)1割引き (2)2割引き (3)3割引き (4)4割引き
- (1)1割引き:損はしませんが、2割引きでも損をしないので「最大」ではありません。
- (3)3割引き:ちょうど損をしない値引き率は1−1÷1.4=約28.6%で、3割には届きません。「約3割」と丸めて選ぶと誤ります。
- (4)4割引き:見込んだ利益率と同じだけ引けば元に戻る、と考えた値です。値引きのもとは定価なので、4割引くと原価を大きく下回ります。
| 値引き | 売値(原価を1とする) | 判定 |
|---|---|---|
| 2割引き | 1.4×0.8=1.12 | 原価1を上回る。損をしない |
| 3割引き | 1.4×0.7=0.98 | 原価1を下回る。損をする |
| 4割引き | 1.4×0.6=0.84 | 損をする |
個数が絡む損益算はどう整理する?
「仕入れた品物の一部を定価で売り、残りを値引きして売った」という問題は、売り方ごとに行を分けた表を作ると混乱しません。次は説明用の架空の数値です。
| 売り方 | 1個の売値 | 個数 | 売上 |
|---|---|---|---|
| 定価で販売 | 400×1.5=600円 | 30個 | 18,000円 |
| 2割引きで販売 | 600×0.8=480円 | 20個 | 9,600円 |
| 合計 | ― | 50個 | 27,600円 |
仕入れの合計は400×50=20,000円なので、利益は27,600−20,000=7,600円です。1個あたりの利益(定価なら200円、2割引きなら80円)を先に出し、200×30+80×20=7,600円と計算しても同じ答えになります。どちらの方法でも、売り方ごとに1個の値段を確定してから個数をかけるのがポイントです。
つまずいたら、どの操作を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 割合を足し引きしてしまう | 「何の何割か」を書き、もとが違えば必ずかけ算にする |
| 原価が分からず式が立たない | 原価を1(または100)とおき、利益の割合を先に出す |
| 途中の値を答えてしまう | 問われているのが原価・定価・売値・利益のどれかに印をつける |
| 損をしない境界で迷う | 候補の値引き率を2つ代入し、売値と原価(1)を比べる |
| 個数が絡むと混乱する | 1個あたりの利益を先に出し、個数をかけて合計する |
割合を「かける数」で扱う練習は、ほかの文章題にもつながります。全体を1とおく考え方は仕事算、受け渡しの前後で式を立てる問題はやりとり算・年齢算で扱っています。論理的思考の全体像は論理的思考の出題パターンまとめを参照してください。
1分で解くための時短のコツ
- 原価を100とおくと、定価・売値がすべて整数や小数1桁で出せることが多く、筆算が減ります。
- 「1.25×0.8=1」「1.2×0.8=0.96」「1.5×0.8=1.2」のような組合せは、見た瞬間に分かるようにしておきます。
- 選択肢の金額を原価として当てはめ、利益が問題の金額になるかを確かめる方法も、4択では速いことがあります。
解き方を確認したら、時間を計って解いてみましょう。登録不要の無料お試し10問では、4分野の問題を解いて全問の解説を読めます。
Q & A
よくある質問
Q.利益率はいつも原価をもとにしますか?+
問題文しだいです。多くの問題は「原価の○割の利益」と原価をもとにしますが、「売値の○%が利益」のように売値をもとにする問題もあります。必ず「何の」割合かを問題文で確認してください。
Q.原価を1とおくのと100とおくのは、どちらがよいですか?+
どちらでも答えは同じです。割合が小数になるときは100とおくと整数で計算しやすく、式を短く書きたいときは1とおく方法が向いています。
Q.複数個を仕入れて一部を値引きする問題はどう解きますか?+
定価で売った個数と値引きして売った個数に分け、それぞれの売上を足してから仕入れの合計を引きます。1個あたりの利益を先に出しておくと計算が短くなります。
Q.「利益率」と「利益の金額」はどう使い分けますか?+
利益率は原価に対する利益の割合、利益の金額は売値−原価です。例題1では利益率は4%、利益の金額は80円です。選択肢に割合と金額が混ざっていることがあるので、単位(%か円か)を最後に確認してください。
Q.BESTで損益算は出ますか?+
公式に問題ごとの出題テーマは公表されていないため、出るとは断定できません。割合の計算は資料分析でも使うので、論理的思考と資料分析の両方の練習として取り組む価値があります。