KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- やりとり算は2人の合計が変わらない、年齢算は2人の差が変わらないことに注目します。
- 変わらない量を先に書き、「○倍」を比の目もり(1目もりの大きさ)で表すと、方程式なしでも解けます。
- 何年後の問題では、全員が同じだけ年をとることを式に入れ忘れないようにします。
- 何人かの年齢の和は、1年で人数分だけ増えます。
この記事の目次
やりとり算・年齢算は何に注目すれば解ける?
受け渡しや年月の経過で数が変わる問題は、変わるものと変わらないものを分けるのが出発点です。変わらない量が1つ決まれば、「○倍」の条件から1目もりの大きさが出て、残りは引き算と足し算で求まります。
| 場面 | 変わらないもの | 変わるもの |
|---|---|---|
| 2人の間でやりとりする | 2人の合計 | 2人の差(渡した数の2倍だけ変わる) |
| 2人が同じ年数だけ年をとる | 2人の差 | 2人の合計・倍率 |
| 2人がそれぞれ外から受け取る・使う | (両方とも変わる) | 合計も差も変わる。式を2本立てる |
職務基礎力試験BEST(BEST-A)は60問・60分なので、1問に使える時間は平均1分です。論理的思考の問題の全体像は論理的思考の出題パターンまとめを参照してください。
解くときの手順
- 問題の場面が「やりとり」か「年月の経過」かを確認し、変わらない量(合計か差か)を書く。
- 「○倍になった後」の状態を、比の目もりで表す(2倍なら1目もりと2目もり)。
- 変わらない量が何目もり分にあたるかを数え、1目もりの大きさを出す。
- 「○倍になった後」の各人の数を出す。
- やりとり・年数の分を戻して、問われている時点の数を答える。
- 最初の条件(合計・差・倍率)に当てはめて検算する。
例題1:受け渡し後に「2倍」になる(やりとり算)
例題1 AさんとBさんは合わせて84枚のカードを持っている。AさんがBさんに6枚渡すと、Aさんの枚数はBさんの枚数のちょうど2倍になった。はじめにAさんが持っていたカードは何枚か。
(1)50枚 (2)56枚 (3)62枚 (4)68枚
- (1)50枚:渡した後の56枚から、さらに6枚引いた値です。「渡した」を戻す向きを逆にすると選びます。
- (2)56枚:渡した後の枚数です。問われている時点(はじめ)に戻し忘れると選びます。
- (4)68枚:6枚渡すと2人の差が12枚変わることと混同し、56+12とした値です。Aさん自身の枚数は6枚しか変わりません。
| 手順 | 計算 | わかったこと |
|---|---|---|
| 変わらない量 | やりとりしても合計は84枚 | 渡した後も合計84枚 |
| 渡した後の比 | A:B=2:1で合計3目もり | 1目もり=84÷3=28枚 |
| 渡した後 | A=28×2=56、B=28 | A56枚、B28枚 |
| はじめに戻す | Aは6枚渡したので56+6 | はじめのAは62枚 |
| 検算 | はじめのBは22枚。62+22=84、渡した後56は28の2倍 | 一致 |
例題2:父の年齢が子の2倍になるのは何年後?(年齢算)
例題2 現在、父は42歳、子は12歳である。父の年齢が子の年齢のちょうど2倍になるのは何年後か。
(1)3年後 (2)9年後 (3)18年後 (4)30年後
- (1)3年後:2:1の差を「2目もり」と数え、30÷2=15歳を子の年齢とした値です。差は2−1=1目もりです。
- (2)9年後:子だけが年をとると考え、42=2×(12+x)とした値です。父も同じだけ年をとります。
- (4)30年後:そのときの子の年齢(30歳)を、何年後かと取り違えた値です。
| 手順 | 計算 | わかったこと |
|---|---|---|
| 変わらない量 | 42−12=30 | 2人の差はずっと30歳 |
| 2倍になったときの比 | 父:子=2:1で、差は1目もり | 1目もり=30歳 |
| そのときの年齢 | 子30歳、父60歳 | ― |
| 何年後か | 30−12 | 18年後 |
| 方程式で検算 | 42+x=2×(12+x) → x=18 | 一致 |
例題3:家族の年齢の和は1年で何歳増える?
例題3 ある家族の両親2人の年齢の和は、子ども2人の年齢の和のちょうど4倍である。10年後には、両親の年齢の和が子どもの年齢の和のちょうど2.5倍になる。現在の子ども2人の年齢の和は何歳か。
(1)10歳 (2)20歳 (3)40歳 (4)80歳
- (1)10歳:10年で和が10歳しか増えないと考え、4C+10=2.5×(C+10)とした値です。2人分の和は2×10=20歳増えます。
- (3)40歳:10年後の子どもの和です。現在の値に戻し忘れると選びます。
- (4)80歳:現在の両親の和です。どちらの和を問われているかを確認すれば防げます。
| 手順 | 計算 | わかったこと |
|---|---|---|
| 10年で増える分 | 2人×10年=20歳 | 両親の和も子どもの和も20歳ずつ増える |
| 式を立てる | 現在の子どもの和をCとすると、4C+20=2.5×(C+20) | ― |
| 解く | 4C+20=2.5C+50 → 1.5C=30 | C=20 |
| 検算 | 現在:両親80歳・子ども20歳。10年後:100歳と40歳で2.5倍 | 一致 |
線分図で考えるときのコツ
線分図は、2人の数を横棒の長さで表す図です。例題2なら、子の棒を1本、父の棒をその2本分の長さで描き、2本の棒の差(はみ出した部分)に「30」と書きます。はみ出した部分が子の棒1本分と同じ長さだと分かれば、子は30歳と読み取れます。
紙の上で図を描く時間がないときは、「比の数の差=変わらない差の目もり数」と覚えておきます。3倍なら差は2目もり、4倍なら3目もりです。やりとり算では「比の数の和=合計の目もり数」になります。
3人のやりとりや「何年前」の問題はどう解く?
3人の間でやりとりする場合も、3人の合計は変わりません。ただし比が3つの数になるので、「最後の状態」を比の目もりで表し、そこから1回ずつやりとりを逆にたどるのが確実です。
例えば、A・B・Cの3人が合わせて60個のあめを持ち、AがBに5個、BがCに3個渡したところ、3人の個数の比が3:4:5になったとします。最後の状態は1目もり=60÷12=5個で、A15個・B20個・C25個。逆にたどると、BがCに渡す前はB23個・C22個、AがBに渡す前はA20個・B18個です。はじめはA20個・B18個・C22個で、合計60個と一致します。
年齢算で「何年前」を聞かれたときも、差が変わらないことは同じです。例題2の親子で「父が子の4倍だったのは何年前か」なら、差30が4−1=3目もりなので1目もり10歳。子が10歳のときなので、12−10=2年前です。
つまずいたら、どの操作を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 何が変わらないか分からない | 2人の間のやりとりなら合計、同じ年数の経過なら差、と場面で決める |
| 1目もりの大きさが出ない | ○倍の比の和(やりとり)または差(年齢)が何目もりかを数える |
| 答えの時点がずれる | 問われているのが「はじめ」「渡した後」「現在」「何年後」のどれかに印をつける |
| 渡した数の扱いを間違える | 渡した人は−、受け取った人は+。2人の差は渡した数の2倍変わる |
| 年齢の和の増え方を間違える | 1年で「人数」だけ増える。2人なら10年で20歳 |
1分で解くための時短のコツ
- 問題文を読みながら、変わらない量(合計○、差○)を最初に数字で書くだけで、式を立てる時間が半分になります。
- 選択肢の数を代入するのも有効です。例題2なら「18年後→父60歳・子30歳で2倍」と1つずつ確かめても、4択なら短時間で済みます。
- 最後の10秒で、はじめの条件(合計・差・倍率)に戻して検算します。時点の取り違えはこれでほぼ防げます。
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Q & A
よくある質問
Q.やりとり算で、2人とも外からもらう場合はどうしますか?+
2人の間のやりとりではないので、合計も差も変わります。受け取った後の数をそれぞれ式で表し、「○倍」の条件から方程式を1本立てるのが確実です。
Q.年齢算で「何年前」を聞かれたときは?+
考え方は同じです。差が変わらないことから○倍のときの年齢を出し、現在の年齢との差を計算します。答えがマイナスになる場合は、「何年後」と「何年前」を取り違えていないか確認してください。
Q.方程式と線分図は、どちらを使えばよいですか?+
どちらでも同じ答えになります。2人の問題は線分図(比の目もり)が速く、3人以上や家族の年齢の和の問題は方程式が確実です。
Q.BESTでこの型は出ますか?+
公式に問題ごとの出題テーマは公表されていません。対策書では、受け渡し後の倍数関係から元の数を出す問題が論理的思考の計算問題として扱われていますが、毎回出るとは限りません。