KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 旅人算は、2人の間の距離が1分(1時間)でどれだけ縮むかを考えれば、公式を丸暗記しなくても解けます。
- 向かい合って進む(出会い)なら縮む速さは速さの和、同じ向きに追いかける(追いつき)なら速さの差です。
- 出会う時間=2人の間の距離÷速さの和、追いつく時間=最初の差の距離÷速さの差。
- 池の周りでは、逆方向に進むと1周分で出会い(和)、同じ方向に進むと1周分の差で追いつきます(差)。
この記事の目次
旅人算とは?何を求める問題?
旅人算は、2人(2台)が同時に、または時間差をつけて動くときに、出会う時刻・追いつく時刻・その地点を求める問題です。数的推理の速さの分野の代表的な型の1つで、中学受験の算数でもおなじみです。
1人ずつ別々に計算しようとすると、式が複雑になります。旅人算では、2人の動きを「2人の間の距離が縮む速さ」の1つにまとめて考えるのがポイントです。距離・速さ・時間の関係(はじき)に不安がある場合は、先に速さ・時間・距離の基本を確認してください。
出会いは和・追いつきは差になる理由
| 型 | 動き方 | 1分で縮む距離 | 求める時間 |
|---|---|---|---|
| 出会い算 | 向かい合って進む | a+b(速さの和) | 2人の間の距離÷(a+b) |
| 追いつき算 | 同じ向きに進み、速い方が追う | a−b(速さの差) | 最初の差の距離÷(a−b) |
| 池の周り(逆方向) | 反対向きに回る | a+b | 1周の長さ÷(a+b)で初めて出会う |
| 池の周り(同方向) | 同じ向きに回る | a−b | 1周の長さ÷(a−b)で初めて追いつく |
向かい合って進むと、Aが a、Bが b 進んだ分だけ、2人の間は1分で a+b 縮みます。同じ向きなら、Aが a 進むあいだにBも b 進んで逃げるので、縮むのは a−b だけです。「1分で何m縮むか」を先に書くと、和と差の取り違えがなくなります。
旅人算を解く4ステップ
- 単位をそろえる:分速と時速、mとkmが混ざっていたら、どちらかに統一する。
- 型を決める:向かい合う(出会い)か、同じ向きで追う(追いつき)か。池の周りなら、回る向きを確認する。
- 「縮む速さ」と「縮めるべき距離」を書く:出会いなら和と2人の間の距離、追いつきなら差と先に進んでいた距離。
- 割り算で時間を出し、聞かれているものに直す:出会う地点を聞かれたら、時間×一方の速さで距離を出す。
例題1:向かい合って出会う時間
例題1 2.4km離れた2地点から、Aは分速70m、Bは分速50mで、向かい合って同時に歩き始めた。2人が出会うのは出発から何分後か。
1. 48分後 2. 20分後 3. 120分後 4. 40分後
解き方 単位をmにそろえると距離は2400m。向かい合って進むので、1分で縮む距離は 70+50=120m。2400÷120=20分後です。
| 選択肢 | 判定 | どこから出る数か |
|---|---|---|
| 1. 48分後 | × | 2400÷50。Bだけで2400m歩くとした値 |
| 2. 20分後 | ○ | 2400÷(70+50) |
| 3. 120分後 | × | 2400÷(70−50)。出会いなのに速さの差で割った値 |
| 4. 40分後 | × | 2400÷60。2人の速さの平均で割った値 |
正解は2です。出会う地点は、Aが 70×20=1400m、Bが 50×20=1000m 進んだところで、合計がちょうど2400mになることでも確かめられます。
例題2:時間差で出発して追いつく
例題2 弟が家を出て分速60mで歩き始めた。その12分後に、兄が同じ道を分速150mの自転車で追いかけた。兄が弟に追いつくのは、兄が出発してから何分後か。
1. 20分後 2. 4.8分後 3. 8分後 4. 12分後
解き方 兄が出発するとき、弟はすでに 60×12=720m 先にいます。同じ向きに進むので、1分で縮む距離は 150−60=90m。720÷90=8分後です。
| 選択肢 | 判定 | どこから出る数か |
|---|---|---|
| 1. 20分後 | × | 12+8。弟が出発してからの時間 |
| 2. 4.8分後 | × | 720÷150。弟が止まっているとした値 |
| 3. 8分後 | ○ | 720÷(150−60) |
| 4. 12分後 | × | 弟が先に歩いた時間そのもの |
正解は3です。検算:8分後に兄は 150×8=1200m、弟は 60×(12+8)=1200m 進んでいて、同じ地点にいます。「何分後か」の基準が兄の出発か弟の出発かで答えが変わるので、問題文の基準を必ず確認します。
例題3:池の周りを回る
例題3 1周1800mの池の周りを、Aは分速80m、Bは分速70mで、同じ地点から同時に出発して回る。逆向きに回るときに2人が初めて出会うまでの時間と、同じ向きに回るときにAがBに初めて追いつくまでの時間の組合せとして正しいものはどれか。
1. 12分・180分 2. 180分・12分 3. 6分・90分 4. 12分・90分
解き方 逆向きなら、2人で合わせて1周分進んだときに出会うので、1800÷(80+70)=12分。同じ向きなら、AがBより1周分(1800m)多く進んだときに追いつくので、1800÷(80−70)=180分です。
| 選択肢 | 判定 | どこから出る数か |
|---|---|---|
| 1. 12分・180分 | ○ | 逆向き:1800÷150、同じ向き:1800÷10 |
| 2. 180分・12分 | × | 和と差を逆に使った値 |
| 3. 6分・90分 | × | 1周ではなく半周(900m)で計算した値 |
| 4. 12分・90分 | × | 同じ向きの方だけ半周で計算した値 |
正解は1です。池の周りでは、同じ向きの追いつき=1周分の差がつくとき、と覚えておきます。スタート地点が同じなら「最初の差の距離」は0ではなく1周分になる点が、直線の追いつき算との違いです。
練習問題:時間差と2回目の出会い
練習1 例題1と同じ2地点(2400m)で、Aが分速70mで先に出発し、その12分後にBが分速50mで向かい合って出発した。2人が出会うのは、Bが出発してから何分後か。
答え 13分後。Bが出発するとき、Aはすでに 70×12=840m 進んでいるので、2人の間は 2400−840=1560m。ここから向かい合って進むので、1560÷(70+50)=13分です。時間差がある出会い算は、後の人が出発した時点の距離に直してから和で割る、の2段階で解きます。
練習2 例題3の池で、2人が逆向きに回るとき、2回目に出会うのは出発から何分後か。
答え 24分後。1回目に出会ったあと、2人がもう一度合わせて1周分(1800m)進むと再び出会います。12分×2=24分です。同じ向きで2回目に追いつくのも、同じく 180分×2=360分後になります。
つまずいた操作から確認する
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 和と差を取り違える | 「1分で2人の間は何m縮むか」を言葉で書いてから式にする |
| 単位が合わない | 距離をm、速さを分速にそろえる(時速は÷60で分速) |
| 時間差の出発で答えがずれる | 後から出る人の出発時点で、先の人がどれだけ先にいるかを先に計算する |
| 池の周りで追いつく距離を間違える | 同じ地点から同じ向きなら、追いつくのは1周分の差がついたとき |
1分で解くための時短のコツ
- 「縮む速さ」をまず1行で書く:和か差かが決まれば、あとは割り算1回です。
- 選択肢で検算する:選んだ時間で2人の進んだ距離を出し、合計(出会い)や差(追いつき)が合うかを確かめると、10秒で確認できます。
- 2回目以降の出会いは同じ間隔:池の周りで2回目に出会うのは、1回目からさらに同じ時間がたったときです。
次に練習すること
距離・速さ・時間の関係や、往復の平均の速さのわなは速さ・時間・距離の基本で練習できます。仮定して差を割る考え方は鶴亀算・過不足算とも共通しています。確率の分野を先に固めたい場合は「少なくとも1回」の確率へ。
和と差の使い分けを覚えたら、登録不要の無料お試し10問で、本番と同じ1問1分のペースで解けるかを試してみてください。
Q & A
よくある質問
Q.旅人算の公式は覚える必要がありますか?+
「出会いは和、追いつきは差」だけ覚えれば十分です。迷ったら「1分で2人の間が何m縮むか」を考えると、公式を思い出さなくても式が作れます。
Q.出会う地点を聞かれたらどうしますか?+
出会うまでの時間を出してから、どちらか一方の速さをかけます。もう一方の人の進んだ距離も出して、合計が2人の間の距離になるかを確かめると確実です。
Q.「旅人算」と「通過算」はどう違いますか?+
通過算は、列車が人や鉄橋を通過する問題で、列車の長さを進む距離に含めるのが特徴です。2本の列車がすれ違う・追い越す問題では、旅人算と同じく「すれ違いは和、追い越しは差」で考え、距離は2本の列車の長さの合計になります。
Q.途中で速さが変わる問題は?+
速さが変わる時点で区切り、区間ごとに「縮む速さ」を計算します。区切った時点での2人の間の距離を出してから、次の区間を考えます。