KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 「AはBの2倍を超えるか」は、A÷BではなくB×2とAを比べると速く判定できます。
- 「○%を超えるか」も、全体×○%を先に出して比べます。10%は1桁ずらす、5%はその半分です。
- まず上から2桁の概算で、明らかに当てはまる・当てはまらない項目を切ります。
- 概算で差が小さいぎりぎりの項目だけ正確に計算します。丸めの向きで結論が逆転することがあるからです。
この記事の目次
倍率の問題は、割り算をかけ算に直す
資料分析の倍率の問題は、「○倍を超える項目はいくつか」「○%を超えるのはどれか」のように、条件に当てはまる数を数える形が中心です。項目ごとに割り算をして倍率を出すと、4〜6項目分の割り算で時間を使い切ってしまいます。
条件の基準(2倍、15%など)は問題文で決まっているので、基準の側をかけ算で作って比べるのが速い方法です。かけ算は割り算より暗算しやすく、ミスも減ります。
| 基準 | 速算のしかた | 例(元の値4,860) |
|---|---|---|
| 10% | 1桁ずらす | 486 |
| 5% | 10%の半分 | 243 |
| 15% | 10%+5% | 486+243=729 |
| 20% | 10%の2倍 | 972 |
| 25% | 4で割る | 1,215 |
| 1.5倍 | 元の値+その半分 | 4,860+2,430=7,290 |
| 2倍 | 2をかける | 9,720 |
「○倍超」「○%超」を数える手順
- 条件の言い回し(「超える」「以上」「未満」など)と、何を基準にするか(分母)を確認する。
- 各項目で、基準の値×倍率(または全体×%)を上から2桁の概算で出す。
- 概算の結果と比べる値の差がはっきりしている項目は、その場で当てはまる・当てはまらないを決める。
- 差が小さいぎりぎりの項目だけ、丸めずに正確に計算する。
- 当てはまる項目に丸をつけて数える。
手順3で「はっきりしている」とは、概算の誤差(数%程度)では結論が変わらない差があることです。目安として、比べる2つの値の差が1割以上あれば、上から2桁の概算で十分です。
例題1:10年で2倍を超えた項目はいくつ?
例題1 次の表は、ある県の5つの地域の登録事業所数を示したものである(架空のデータ)。2025年の事業所数が2015年の2倍を超えている地域はいくつあるか。
- (1)2つ:Pを「3,500×2=7,000、2025年は7,000」と丸め、同じなので超えないと判断した場合の数です。2015年を切り上げたために、基準が実際より大きくなっています。
- (3)4つ:Qを「2,100×2=4,200、2025年は4,300」と丸め、超えると判断した場合の数です。2015年を切り捨て、2025年を切り上げたため、差が実際と逆向きになっています。
- (4)5つ:Sも含めた数です。Sは2倍の10,140に大きく届きません。
| 地域 | 2015年 | 2025年 | 2015年×2 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| P | 3,480 | 7,020 | 6,960 | 超える(ぎりぎり) |
| Q | 2,150 | 4,280 | 4,300 | 超えない(ぎりぎり) |
| R | 1,620 | 3,900 | 3,240 | 超える |
| S | 5,070 | 8,890 | 10,140 | 超えない |
| T | 980 | 2,010 | 1,960 | 超える |
(1)2つ (2)3つ (3)4つ (4)5つ
解き方 RとSは概算だけで決まります(R:1,600×2=3,200に対し3,900、S:5,000×2=10,000に対し8,900)。Tも1,000×2=2,000に対し2,010ですが、2015年の980を1,000に切り上げているので、実際の2倍(1,960)はさらに小さく、確実に超えます。PとQはぎりぎりなので正確に計算し、Pは6,960<7,020で超える、Qは4,300>4,280で超えない。当てはまるのはP・R・Tで、正解は(2)3つです。
例題2:割合が15%を超える施設はいくつ?
例題2 次の表は、4つの施設の年間利用者数と、そのうち市外からの利用者数を示したものである(架空のデータ)。利用者全体に占める市外からの利用者の割合が15%を超える施設はいくつあるか。
- (1)1つ:Cの市外930を900に丸め、915に届かないと判断した場合の数です。比べる値だけを切り捨てると、実際より小さく見えます。
- (3)3つ:Dの400÷2,700=約14.8%を「約15%」と丸めて含めた場合の数です。15%を「超える」かどうかの判定なので、丸めてはいけません。
- (4)4つ:分母を市外を除いた人数(全体−市外)にした場合の数です。Aは690÷4,110=約16.8%、Dは400÷2,300=約17.4%となり、すべて15%を超えてしまいます。割合の分母は「利用者全体」です。
| 施設 | 利用者全体 | うち市外 | 全体の15%(10%+5%) | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| A | 4,800 | 690 | 480+240=720 | 超えない |
| B | 3,200 | 520 | 320+160=480 | 超える |
| C | 6,100 | 930 | 610+305=915 | 超える(ぎりぎり) |
| D | 2,700 | 400 | 270+135=405 | 超えない(ぎりぎり) |
(1)1つ (2)2つ (3)3つ (4)4つ
解き方 全体の15%を「10%+5%」で出し、市外の人数と比べます。15%を超えるのはBとCで、正解は(2)2つです。
概算の誤差の向きをどう考える?
概算は速い反面、丸めた向きによって結論が変わることがあります。安全な判定をしたいときは、次のように丸めます。
| 確かめたいこと | Aの丸め方 | Bの丸め方 | 結論 |
|---|---|---|---|
| 確実に超えると言いたい | 切り捨て(小さめ) | 切り上げ(大きめ) | それでもA>B×2なら、確実に超える |
| 確実に超えないと言いたい | 切り上げ(大きめ) | 切り捨て(小さめ) | それでもA<B×2なら、確実に超えない |
どちらの丸め方でも結論が出ないときが、正確に計算すべき「ぎりぎりの項目」です。概算の基本ルールは資料解釈の概算のコツでくわしく扱っています。
つまずいたら、どの操作を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 項目ごとに割り算して時間が足りない | 基準の値×倍率(全体×%)を作り、かけ算で比べる |
| 概算の結果が正解と合わない | ぎりぎりの項目を丸めずに計算する。丸めの向きを確認する |
| 割合の分母を取り違える | 「何に占める割合か」を問題文から探し、分母に下線を引く |
| 「超える」と「以上」を混同する | ちょうどの値がある項目は、言い回しで含むか含まないかを決める |
| 15%や1.5倍の計算で迷う | 10%+5%、元の値+半分のように分解して暗算する |
増えた年・減った年を数える問題は資料解釈の増減を数える問題、グラフから値を読み取る問題は2軸グラフの読み方で練習できます。資料分析全体の手順は資料解釈のコツにまとめています。
1分で解くための時短のコツ
- 明らかな項目を先に片づける:差が1割以上ある項目は概算で即決し、ぎりぎりの1〜2項目だけに時間を使います。
- 基準の列を書き込む:表の横に「×2」「15%」の値を書いておくと、比べる作業が目で済みます。
- 選択肢の数を手がかりにする:数える問題では、ぎりぎりの項目を含めるかどうかで選択肢が分かれることが多いので、その項目を重点的に確認します。
手順を確認したら、時間を計って解いてみましょう。登録不要の無料お試し10問では、資料分析を含む4分野の問題を解いて全問の解説を確認できます。
Q & A
よくある質問
Q.「2倍以上」と「2倍を超える」はどう違いますか?+
「2倍以上」はちょうど2倍を含み、「2倍を超える」は含みません。資料の数値がちょうど2倍になっている項目があるときだけ、答えが変わります。
Q.散布図で「2倍を超える」点を数えるには?+
縦軸の値が横軸の値の2倍になる点を結んだ直線(原点を通る傾き2の線)を書き込み、その線より上にある点を数えます。線の近くの点だけ数値を読んで確かめます。
Q.「○%減」の判定も同じ方法でできますか?+
できます。「10%以上減った」なら、前年×0.9と今年を比べ、今年がそれ以下なら当てはまります。減る場合も、基準の値を先に作るのは同じです。
Q.3倍や2.5倍のような基準はどう速算しますか?+
3倍は「2倍+1倍」、2.5倍は「2倍+半分」、1.2倍は「元の値+10%の2倍」のように、10%・半分・2倍の組合せに分解すると暗算しやすくなります。4,860の2.5倍なら、9,720+2,430=12,150です。
Q.BESTで倍率の問題は出ますか?+
公式に問題ごとの出題テーマは公表されていないため、出るとは断定できません。対策書では、比率の条件(2倍超など)に当てはまる数を数える問題や、内訳の割合が基準%を超えるものを数える問題が資料分析で扱われています。