KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 2軸グラフは、単位の違う2つの数量を、左右の縦軸で1つのグラフに重ねたものです。
- 最初に凡例で、どの棒・線がどちらの軸の目盛りを使うかを確認します。
- 次に、左右それぞれの単位と、目盛りが0から始まっているかを確認します。
- 棒と線の高さの位置関係は、数値の大小とは関係ありません。比べるときは必ず数値に読み替えます。
この記事の目次
2軸グラフ・複合グラフとは?
2軸グラフは、左の縦軸と右の縦軸にそれぞれ別の目盛りをつけ、2種類のデータを1つの図に重ねたグラフです。棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた複合グラフが代表的で、「施設数(棒・左軸)と利用者数(折れ線・右軸)」「件数(棒・左軸)と割合(折れ線・右軸)」のように、単位の違う数量をいっしょに見せるときに使われます。
便利な一方で、同じ高さでも左右で表す数値がまったく違うため、読み違えが起きやすい資料です。解く前の10秒の確認で、ほとんどの読み違いは防げます。
2軸グラフを読む手順
- 凡例を見て、棒と線(または線の色・形)がそれぞれ何を表すかを確認する。
- 凡例や軸の近くの表示で、どの系列が左軸・右軸を使うかを確認する(「右目盛り」などの注記に注意)。
- 左右の軸の単位(件・万人・%・億円など)を確認する。
- 左右の目盛りが0から始まっているかを確認する。途中から始まる軸では、高さの比は数値の比になりません。
- 選択肢で使う年・系列の数値だけを読み取り、表の形に書き出す。
- 1施設当たりや件数×率などの計算は、書き出した数値で行う。
手順5で数値を書き出すのがポイントです。グラフを見ながら計算すると、途中で別の軸の目盛りを読んでしまうことがあります。書き出した後は、ふつうの表の問題と同じように解けます。表の読み取りの手順は表の読み取り問題の解き方にまとめています。
例題1:1施設当たりの利用者数が最も多い年は?
例題1 ある市の複合グラフでは、棒グラフ(左軸、単位:施設)が公共施設の数、折れ線グラフ(右軸、単位:万人)が年間利用者数を表している。グラフから読み取った値は下の表のとおりである(架空のデータ)。1施設当たりの年間利用者数が最も多い年はどれか。
- (1)2021年:1施設当たりはちょうど3万人で、2022年・2024年より少ない年です。
- (2)2022年:3を超えますが、2024年とわずかな差で届きません(約3.10万人と約3.13万人)。
- (4)2025年:利用者数・施設数とも最大の年ですが、1施設当たりは3万人です。折れ線の高さだけで判断すると選んでしまいます。
| 年 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|
| 施設数(棒・左軸、施設) | 40 | 42 | 45 | 48 | 50 |
| 利用者数(折れ線・右軸、万人) | 120 | 130 | 135 | 150 | 150 |
(1)2021年 (2)2022年 (3)2024年 (4)2025年
解き方 1施設当たりは利用者数÷施設数です。2021年は120/40=3、2023年は135/45=3、2025年は150/50=3でどれも3万人。2022年の130/42と2024年の150/48はどちらも3を超えるので、この2つを交差してかけて比べます。130×48=6,240、150×42=6,300で、2024年のほうが大きい。正解は(3)2024年です。
例題2:件数と割合から「件数×率」を比べる
例題2 ある窓口の複合グラフでは、棒グラフ(左軸、単位:件)が相談件数、折れ線グラフ(右軸、単位:%)がその年に解決した割合(解決率)を表している。読み取った値は、2023年が400件・80%、2024年が500件・70%、2025年が450件・80%である(架空のデータ)。解決した件数が最も多い年はどれか。
(1)2023年 (2)2024年 (3)2025年 (4)軸が違うので判断できない
- (1)2023年:解決率は最も高い80%ですが、相談件数が少ないため解決件数は320件です。割合だけで判断する誤りです。
- (2)2024年:相談件数(棒)は最多ですが、解決率が70%と低いため350件にとどまります。件数だけで判断する誤りです。
- (4)左右の軸の単位は違いますが、件数×割合で同じ単位(件)の数量が出せます。軸が違っても、数値に直せば組み合わせて計算できます。
| 年 | 相談件数×解決率 | 解決した件数 |
|---|---|---|
| 2023年 | 400×0.8 | 320件 |
| 2024年 | 500×0.7 | 350件 |
| 2025年 | 450×0.8 | 360件 |
2軸グラフでよくある読み違い
| 読み違い | なぜ誤りか | 正しい読み方 |
|---|---|---|
| 折れ線が棒より上にあるので、利用者数のほうが施設数より多い | 左右で目盛りが違うので、高さの位置関係に意味はない | それぞれの軸で数値を読み、単位をそろえて比べる |
| 棒の高さが2倍なので、件数も2倍 | 軸が0から始まっていないと、高さの比は数値の比にならない | 目盛りの数値を読んで比べる |
| 線の傾きが急なので、増加率が大きい | 傾きは目盛りの取り方で変わる。増加率は前年の値で割って比べる | 数値を読み、増加量÷前年で比べる |
| 右軸の値を左軸で読んだ | 凡例・注記の確認を飛ばしている | 凡例で系列と軸の対応を確認してから読む |
2行目の具体例です。左軸の目盛りが400から始まるグラフで、2024年の棒が450、2025年の棒が500だとします。目盛りの下端(400)からの高さは50と100なので、棒の見た目は2倍になります。しかし実際の値は450から500で、増加率は50÷450=約11%です。「棒が2倍に伸びたので件数も2倍」と読むと、大きく誤ります。軸の下端に波線(省略の印)があるときは、特に注意してください。
3行目のように、2軸グラフでは見た目の傾きと実際の増加率が一致しないことがあります。増加率を比べる選択肢は、資料解釈の増加率の求め方の手順で数値から判定してください。
つまずいたら、どの操作を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| どの線がどの軸か分からない | 凡例と「右目盛り」などの注記を最初に確認し、グラフに左・右と書き込む |
| 単位を読み落とす | 左右の軸の上や横にある単位(件・万人・%)に丸をつける |
| 見た目の高さで大小を判断した | 必要な年の数値を表の形に書き出してから比べる |
| 軸が違う数量を組み合わせられない | 件数×率、利用者数÷施設数のように、式にすれば計算できる |
| 目盛りの細かい値が読めない | 選択肢の差が大きければ概算で十分。ぎりぎりの値だけ目盛りを丁寧に読む |
1施設当たりの比較は1人当たりの値の比較、目盛りから読んだ値の概算は資料解釈の概算のコツ、「○倍を超える」の判定は倍率の判定で練習できます。資料分析全体の進め方は資料解釈のコツを参照してください。
1分で解くための時短のコツ
- 最初の10秒は凡例と軸だけを見る:系列・左右・単位・0の位置の4点を確認してから選択肢に進みます。
- 必要な数値だけ書き出す:選択肢で使う年と系列だけを小さな表にすると、軸の読み違いがなくなります。
- 折れ線の最大の年が答えとは限らない:割り算・かけ算を含む問いでは、最大の年を代表にして、ほかの年と交差してかけて比べます。
手順を確認したら、時間を計って解いてみましょう。登録不要の無料お試し10問では、資料分析を含む4分野の問題を解いて全問の解説を確認できます。
Q & A
よくある質問
Q.2軸グラフで、左右どちらの軸か表示がないときは?+
凡例の並び順や、棒と線の種類から判断することになりますが、確実ではありません。多くの資料では凡例や軸の近くに「右目盛り」などの注記があるので、まずそれを探してください。
Q.折れ線が2本とも同じ軸を使うこともありますか?+
あります。2本の線が同じ単位なら同じ軸を使い、棒だけが別の軸ということもあります。凡例で1系列ずつ確認するのが確実です。
Q.散布図も2軸グラフですか?+
散布図は横軸と縦軸にそれぞれ別の数量をとったグラフで、左右2本の縦軸を持つ2軸グラフとは別物です。ただし、軸の単位と0の位置を最初に確認する手順は同じです。
Q.目盛りの間の値はどう読み取ればよいですか?+
目盛り1つ分がいくつかを先に確認し、点や棒の先端が目盛りの間のどのあたりにあるかで読みます。選択肢の差が大きければ概算で足ります。差が小さい場合は、グラフに数値が添えられていないかも確認してください。
Q.BESTで2軸グラフは出ますか?+
公式に問題ごとの出題テーマは公表されていないため、出るとは断定できません。対策書では、棒と折れ線の複合グラフから1施設当たりの値を比べる問題が資料分析で扱われています。