KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 1人当たりの値=全体の量÷人数。資料の問題では、ほとんどが分数の大小比較になります。
- 分子が大きく分母が小さいほうが大きい。これで決まらないときだけ、交差してかけて比べます。
- 全体の量が最も多い項目や、人数が最も少ない項目が、1人当たりで最大とは限りません。
- ha÷万人=m²÷人のように、単位を読み替えると計算が簡単になることがあります。
この記事の目次
1人当たり・1施設当たりの計算とは?
「1人当たり」「1施設当たり」「1世帯当たり」は、全体の量を数で割った値です。市の公園面積を人口で割れば1人当たり公園面積、図書館の貸出冊数を館数で割れば1館当たり貸出冊数になります。
資料分析では、「1人当たりの値が最も大きいのはどれか」「前年より増えたか」のように、割った結果どうしを比べる問題が中心です。正確な値を出す必要はなく、大小さえ決まればよいので、割り算をできるだけ省きます。
| 方法 | 使える場面 | 例 |
|---|---|---|
| 分子と分母を見比べる | 一方が「分子大・分母小」 | 90/20と70/24 → 90/20が大きい |
| 片方を何倍かして比べる | 分母や分子が簡単な倍数の関係 | 45/20と90/41 → 45/20は90/40と同じで、分母が小さいので大きい |
| 交差してかける | 上の方法で決まらないとき | 70/16と90/20 → 70×20=1,400、90×16=1,440で90/20が大きい |
| 概算で割る | 選択肢どうしの差が大きいとき | 150/40≒3.8、120/30=4 → 後者が大きい |
1人当たりの値を比べる手順
- 何を何で割るのか(分子と分母)を、表の列名で確認する。
- 単位を確認し、必要なら読み替える(千人・万人、ha・m²など)。
- 分子が大きく分母が小さい組み合わせがあれば、それだけで大小を決める。
- 決まらない候補どうしを、交差してかけて比べる。
- 「最大はどれか」なら勝ち抜き戦で1つずつ比べ、全部を割り算しない。
- 境界に近い2つだけ、必要なら正確に計算して確かめる。
例題1:1人当たり公園面積が最も大きい市は?
例題1 次の表は、4つの市の公園面積と人口を示したものである(架空のデータ)。人口1人当たりの公園面積が最も大きい市はどれか。
- (1)A市:1人当たり4m²で、B市の4.5m²に届きません。
- (3)C市:公園面積は最大ですが、人口も最大なので1人当たりは3.75m²と4市で最も小さくなります。分子だけで判断する誤りです。
- (4)D市:人口は最小ですが、1人当たりは4.375m²でB市よりわずかに小さい。分母だけで判断すると選んでしまいます。
| 市 | 公園面積(ha) | 人口(万人) |
|---|---|---|
| A市 | 120 | 30 |
| B市 | 90 | 20 |
| C市 | 150 | 40 |
| D市 | 70 | 16 |
(1)A市 (2)B市 (3)C市 (4)D市
解き方 勝ち抜き戦で比べます。A市120/30=4とB市90/20=4.5ではB市が大きい。C市150/40は4を下回る(160/40=4なので)のでB市より小さい。最後にD市70/16とB市90/20を交差してかけると、70×20=1,400、90×16=1,440でB市のほうが大きい。正解は(2)B市です。
ha÷万人はm²÷人と同じなので(1ha=1万m²)、B市は1人当たり4.5m²と読めます。
例題2:全体が増えても1人当たりは減ることがある
例題2 ある町の図書館の年間貸出冊数は、2024年が36万冊、2025年が39.6万冊だった。同じ期間に、利用登録者数は1.2万人から1.4万人に増えた(架空のデータ)。登録者1人当たりの貸出冊数の変化として最も近いものはどれか。
(1)約17%増えた (2)約10%増えた (3)変わらない (4)約6%減った
- (1)約17%増えた:登録者数の増加率(1.2万→1.4万)です。1人当たりの値は、分母が増えると小さくなります。
- (2)約10%増えた:貸出冊数の増加率(36万→39.6万)だけを見た値です。
- (3)変わらない:貸出冊数も登録者数も増えたので相殺されると考えた誤りです。増え方(1.1倍と約1.17倍)が違うので、1人当たりは変わります。
| 手順 | 計算 | わかったこと |
|---|---|---|
| 2024年の1人当たり | 36÷1.2 | 30冊 |
| 2025年の1人当たり | 39.6÷1.4 | 約28.3冊 |
| 変化 | 28.3÷30 | 約0.94倍で、約6%減 |
| 倍率で確認 | 貸出1.1倍÷登録者約1.17倍=約0.94倍 | 一致 |
例題3:基準の値を超える項目はいくつ?
例題3 例題1の表で、人口1人当たりの公園面積が4m²を超える市はいくつあるか。
(1)1つ (2)2つ (3)3つ (4)4つ
| 市 | 人口×4(ha) | 公園面積(ha) | 4m²を超えるか |
|---|---|---|---|
| A市 | 30×4=120 | 120 | ちょうど4。超えない |
| B市 | 20×4=80 | 90 | 超える |
| C市 | 40×4=160 | 150 | 超えない |
| D市 | 16×4=64 | 70 | 超える |
(1)1つは、D市の70/16を「分母が16で割りにくい」と後回しにして見落とすと選びます。(3)3つは、ちょうど4のA市を含めた数です。「超える」はちょうどを含みません。(4)4つは、A市(ちょうど4)とC市(3.75)まで含めた数で、表のように人口×4と比べれば当てはまらないことが分かります。基準の値と比べる問題は、基準×分母と分子を比べるかけ算に直すと、割り算なしで判定できます。
単位の違いで間違えないために
1人当たりの問題では、分子と分母の単位が違うことがほとんどです。単位を読み替えると、割り算そのものが簡単になることがあります。
| 表の単位 | 読み替え | 例 |
|---|---|---|
| ha ÷ 万人 | m² ÷ 人 | 90ha÷20万人=4.5m²/人 |
| 百万円 ÷ 千人 | 千円 ÷ 人 | 600百万円÷300千人=2千円/人 |
| 千トン ÷ 万人 | 100kg ÷ 人 | 50千トン÷25万人=2(×100kg)=200kg/人 |
| 億円 ÷ 施設 | 億円 ÷ 施設(そのまま) | 12億円÷8施設=1.5億円/施設 |
大小比較だけなら、単位をそろえる必要はありません。すべての項目が同じ単位なら、表の数値のまま比べて構いません。単位が効いてくるのは「1人当たり○m²を超えるか」のように、具体的な数値と比べる選択肢です。単位や注記の確認手順は表の読み取り問題の解き方にまとめています。
つまずいたら、どの操作を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 全体の量が最大の項目を選んでしまう | 分母(人数・施設数)も必ず見る。分子大・分母小の組だけが即決できる |
| 全部を割り算して時間が足りない | 勝ち抜き戦にして、2つずつ交差してかけて比べる |
| 分子と分母を逆にする | 「○当たり」の○が分母、と表の列名に書き込む |
| 全体が増えたので1人当たりも増えたと判断した | 分子の倍率÷分母の倍率で、1より大きいか確かめる |
| 単位の読み替えで桁を間違える | 万・千・百の桁を分子と分母で別々に書き、約分してから計算する |
平均と比べる問題は平均と基準の比較、「○倍を超える」項目の数を数える問題は倍率の判定、指数で表された資料は指数の読み方で練習できます。資料分析全体の進め方は資料解釈のコツを参照してください。
1分で解くための時短のコツ
- 最大・最小を聞かれたら勝ち抜き戦:4項目を全部割るより、2つずつ比べて残ったものだけ次と比べるほうが速く確実です。
- 基準の値を1つ作る:例題1なら「4(120/30)」を基準にし、150/40は160/40=4より小さい、と瞬時に判定できます。
- 倍率の割り算で変化を見る:年をまたぐ1人当たりの増減は、分子の倍率÷分母の倍率が1を超えるかだけで決まります。
手順を確認したら、時間を計って解いてみましょう。登録不要の無料お試し10問で、資料分析を含む4分野の問題と全問の解説を確認できます。
Q & A
よくある質問
Q.交差してかける方法は、なぜ正しいのですか?+
a/bとc/dの両方に、正の数b×dをかけても大小は変わらないからです。かけると左がa×d、右がc×bになるので、この2つを比べれば元の分数の大小が分かります。
Q.1施設当たりの値をグラフから読む問題では?+
棒グラフと折れ線グラフの両方を使う2軸グラフで出ることがあります。どの線・棒がどの軸の目盛りかを確認してから、分子と分母の値を読み取ってください。
Q.人口が「千人」、面積が「km²」のときの人口密度は?+
人口密度は人口÷面積なので、千人÷km²のまま比べられます。具体的な人数(人/km²)が必要なら、値に1,000をかけます。
Q.BESTで1人当たりの問題は出ますか?+
公式に問題ごとの出題テーマは公表されていないため、出るとは断定できません。対策書では1人当たりや1施設当たりの値を比べる問題が資料分析で扱われているので、割り算を省く方法を身につけておく価値があります。