KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 被選挙権の年齢は、地方では知事だけが満30歳以上。市町村長・都道府県議会議員・市町村議会議員は満25歳以上(公職選挙法10条)。
  • 地方議員は「その選挙権を有する者」が条件なので、引き続き3か月以上の住所要件がある。首長には住所要件がない。
  • 任期は首長も地方議員も4年。国会議員は衆議院が25歳以上・4年、参議院が30歳以上・6年。
  • 覚え方は「知事と参議院は30、ほかは25」「参議院だけ6年」「住所要件は地方議員だけ」の3本の線。
この記事の目次
  1. 01被選挙権とは?選挙権とどう違う?
  2. 02被選挙権と任期の一覧表
  3. 03首長に住所要件がないのはなぜ?
  4. 04任期はいつからいつまで?途中で終わることは?
  5. 05よくある引っかけ4パターン
  6. 06地方選挙の選挙権の要件は?
  7. 07年齢を満たしても立候補できない場合は?
  8. 08練習問題:空欄の数字を埋める
  9. 09練習問題2:住所要件を見分ける
  10. 10よくある質問
  11. 11出典・参考

被選挙権とは?選挙権とどう違う?

選挙権は投票する権利、被選挙権は選挙に立候補して当選できる権利です。選挙権は満18歳以上ですが、被選挙権はそれより高い年齢が決められています。年齢の要件は公職選挙法10条にあり、年齢は選挙の期日(投票日)で数えます。

地方の公職で覚える年齢の数字は実質1つだけで、「知事だけが30歳、あとは全部25歳」です。国会議員と合わせると、「30歳グループ=参議院議員と知事」「25歳グループ=衆議院議員・市町村長・地方議員」になります。

被選挙権と任期の一覧表

被選挙権と任期(公職選挙法9条・10条、地方自治法93条・140条、日本国憲法45条・46条、2026年9月27日確認)
公職被選挙権の年齢住所要件任期
衆議院議員満25歳以上なし4年(解散あり)
参議院議員満30歳以上なし6年(3年ごとに半数改選)
都道府県知事満30歳以上なし4年
市町村長満25歳以上なし4年
都道府県議会議員満25歳以上あり(その選挙権が必要)4年
市町村議会議員満25歳以上あり(その選挙権が必要)4年

表を縦に見ると、任期が4年でないのは参議院議員だけ、住所要件があるのは地方議員だけという特徴がはっきりします。

首長に住所要件がないのはなぜ?

ここが引っかけの定番です。公職選挙法10条は、都道府県議会議員と市町村議会議員について「その選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のもの」と定めています。一方、知事と市町村長については年齢だけが書かれ、「選挙権を有する者」という条件がありません。

地方選挙の選挙権には「引き続き3か月以上その市町村の区域内に住所があること」という要件があります(公職選挙法9条2項)。そのため、地方議員に立候補するには3か月以上の住所要件が必要ですが、首長には住所要件がありません。ほかの地域に住む人でも、年齢などを満たせば知事や市長に立候補できます。

首長は地域の外からも広く人材を求められるように、議員はその地域の住民の代表として、という違いと考えると覚えやすいでしょう(覚えるための当サイトの整理で、法律の説明文ではありません)。

任期はいつからいつまで?途中で終わることは?

地方議員の任期は4年(地方自治法93条)、首長の任期も4年(同140条)です。任期は原則として選挙の日から数えますが、任期満了前に選挙が行われ前任者が任期満了まで在任した場合は、前任者の任期満了の翌日から数えます(公職選挙法258条・259条)。

4年たつ前に任期が終わることもあります。

  • 議会の解散:首長の不信任議決に対して首長が解散した場合(議会と首長の関係)、住民の直接請求による解散の投票で過半数が同意した場合など。
  • 議員・首長の失職:解職の投票(リコール)で過半数が同意した場合(直接請求権の一覧表)。
  • 首長の失職:不信任議決を受けて10日以内に議会を解散しなかった場合、解散後の初めての議会で再び不信任議決を受けた場合。
  • 辞職や死亡など。

よくある引っかけ4パターン

被選挙権と任期は、数字を1つ入れ替えるだけで誤りの記述が作れる分野です。次の4パターンを知っておくと、見た瞬間に判断できます。

引っかけの記述 → 正しい内容
引っかけの記述判定正しい内容
市町村長の被選挙権は満30歳以上誤り満25歳以上。30歳は知事と参議院議員だけ
知事に立候補するには、その都道府県に3か月以上住んでいる必要がある誤り首長には住所要件がない
地方議員の任期は6年で、3年ごとに半数を改選する誤りそれは参議院議員。地方議員は4年
18歳になれば市町村議会議員に立候補できる誤り18歳は選挙権の年齢。被選挙権は25歳以上

覚え方は、「知事と参議院はサンジュウ(30)」とまとめ、残りはすべて25歳と考えるのが簡単です。任期は「参議院だけ6年、あとは全部4年」。住所要件は「地方議員だけ」。この3本の線で、表のすべてのマスを埋められます。

地方選挙の選挙権の要件は?

選挙権は、国政選挙なら満18歳以上の日本国民が持ちます(公職選挙法9条1項)。地方選挙では、さらに引き続き3か月以上その市町村の区域内に住所があることが必要です(同条2項)。

都道府県の選挙には特例があります。同じ都道府県内の別の市町村に引っ越した場合でも、以前の市町村に3か月以上住所があり、その後も引き続き同じ都道府県内に住んでいれば、都道府県の議員・知事の選挙権を失いません(同条3項)。

直接請求の署名ができるのも、この地方選挙の選挙権を持つ人です。選挙と直接請求は「誰が参加できるか」でつながっていると押さえておきましょう。

年齢を満たしても立候補できない場合は?

被選挙権は年齢だけで決まるわけではありません。公職選挙法11条は、選挙権と被選挙権を持たない人として、拘禁刑以上の刑に処せられその執行を終わるまでの人や、選挙・投票に関する犯罪で拘禁刑に処せられ執行猶予中の人などを挙げています。選挙違反で刑に処せられた人は、252条により一定期間、選挙権と被選挙権を失うこともあります。試験では細部より「年齢以外の要件もある」ことを知っていれば十分です。

公務員として採用されたあとに関係するのが、公務員の立候補制限です。公職選挙法89条は、国や地方公共団体の公務員は原則として在職中に公職の候補者になれないと定め、90条は、立候補の届出をしたときはその公務員の職を辞したものとみなすとしています。自治体職員が地方議員などに立候補するときは、職を離れることになる、と押さえておきましょう。服務上のルール全体は地方公務員の服務と義務で扱っています。

練習問題:空欄の数字を埋める

当サイトのオリジナル問題です。1問1分を目安にしてください。

問1 次の文の空欄ア・イに入る数字の組合せとして正しいものはどれか。「都道府県知事の被選挙権は満(ア)歳以上であり、市町村議会議員の任期は(イ)年である。」

  1. ア 25 イ 4
  2. ア 30 イ 6
  3. ア 25 イ 6
  4. ア 30 イ 4
問1の解説|正解は4(公職選挙法10条1項4号、地方自治法93条)
選択肢正誤理由
1誤りイは正しいが、アの25歳は市町村長・地方議員の年齢
2誤りアは正しいが、イの6年は参議院議員の任期
3誤りアもイも誤り。市町村長と参議院議員の数字の組合せ
4正しい知事は満30歳以上、地方議員の任期は4年

練習問題2:住所要件を見分ける

問2 地方の選挙に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 市町村議会議員に立候補するには、その市町村の議会議員の選挙権を持っていることが必要である。
  2. 市町村長の被選挙権は、満30歳以上の日本国民が持つ。
  3. 都道府県知事に立候補するには、その都道府県内に引き続き3か月以上住所があることが必要である。
  4. 都道府県議会議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選される。
問2の解説|正解は1(公職選挙法10条1項5号)
選択肢正誤理由
1正しい地方議員は「その選挙権を有する者」が条件で、3か月以上の住所要件がかかる
2誤り市町村長の被選挙権は満25歳以上
3誤り首長には住所要件がない
4誤り地方議員の任期は4年。半数改選は参議院議員

Q & A

よくある質問

Q.18歳で地方議員に立候補できますか?

できません。選挙権は18歳からですが、地方議員の被選挙権は満25歳以上です。

Q.東京に住んでいる人が別の県の知事選挙に立候補できますか?

年齢などの要件を満たせばできます。知事の被選挙権は満30歳以上の日本国民とされ、住所の要件はありません。

Q.市長選挙で当選した人の任期はいつから数えますか?

原則は選挙の日からです。任期満了前に選挙が行われ、前任者が任期満了まで在任した場合は、前任者の任期満了の日の翌日から数えます(公職選挙法259条)。

Q.数字を覚えたら、どう練習すればよいですか?

空欄補充や正誤の4択で、数字を1つずつ切り離して判定する練習をしてください。登録不要の無料お試し10問では、社会情勢を含む4分野を1問1分のペースで解けます。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む