KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • 限界集落は、一般に65歳以上の人が住民の半数以上を占め、共同生活の維持が難しくなりつつある集落を指す。法律上の定義ではなく、研究者が提唱した言葉。
  • コンパクトシティは、住まいや病院・商業などの機能を中心部や駅の周りに集め、公共交通でつなぐまちづくり。市町村は立地適正化計画で誘導する。
  • Uターンは地元に戻る、Iターンは縁のない地域へ移る、Jターンは地元に近い都市へ移る。
  • 関係人口は、移住した定住人口でも観光客の交流人口でもなく、地域と継続的に関わる人々。地方創生2.0基本構想(2025年6月閣議決定)でも拡大が柱の一つ。
この記事の目次
  1. 01地域・都市の用語を一覧で確認するには?
  2. 02限界集落の基準は?「65歳以上が半数以上」
  3. 03コンパクトシティは何をめざす?
  4. 04取り違えやすい組合せはどれ?
  5. 05地域用語の問題を解く手順
  6. 06関係人口と二地域居住が注目される理由は?
  7. 07練習問題1:用語の説明で正しいのは?
  8. 08練習問題2:まちづくりの記述の正誤は?
  9. 09つまずいたときは何を確認する?
  10. 10よくある質問
  11. 11出典・参考

地域・都市の用語を一覧で確認するには?

地方行政にかかわる問題では、地域・都市の用語が選択肢に並ぶことがあります。まずは一覧で全体をつかみましょう。

地域・都市の用語
用語意味例・ポイント
限界集落65歳以上が住民の半数以上を占め、冠婚葬祭や水路・道の管理など共同生活の維持が難しくなりつつある集落山間部や離島に多い
コンパクトシティ居住や都市機能を中心部に集め、公共交通で結ぶまちづくり郊外に広がった市街地をまとめ直す
ドーナツ化現象都心の居住人口が減り、郊外の人口が増える現象地価の高騰や住環境の悪化が背景
インナーシティ問題都心周辺の古い市街地で、人口流出・高齢化・建物の老朽化が進む問題欧米の大都市で先に問題化
スプロール現象郊外で市街地が無秩序に広がる現象道路や下水道の整備が追いつかない
Uターン地方出身者が都市で暮らした後、出身地に戻る秋田出身→東京→秋田
Iターン都市出身者が縁のない地方へ移る東京出身→長野
Jターン地方出身者が、出身地に近い地方都市へ移る山間の町出身→東京→同じ県の県庁所在市
関係人口移住でも観光でもなく、特定の地域と継続的に多様に関わる人々ふるさと納税、副業、祭りへの参加
二地域居住都市と地方など、2つの地域に生活の拠点を持って暮らす平日は都市、週末は地方

限界集落の基準は?「65歳以上が半数以上」

限界集落は、社会学者の大野晃氏が提唱した言葉で、一般に65歳以上の人が住民の半数以上を占め、集落の共同作業や行事を続けることが難しくなりつつある集落を指します。高齢化がさらに進むと、集落そのものがなくなるおそれがあります。

法律で定められた言葉ではなく、言葉の響きが強いため、行政の文書では「過疎地域の集落」「小規模集落」などと表現されることも多くあります。試験では65歳以上・半数以上という基準が問われやすいので、高齢化率と同じ65歳が区切りだと覚えておきましょう。

コンパクトシティは何をめざす?

人口が増えた時代には、郊外に住宅地や大型店が広がりました。しかし人口が減ると、広がった市街地を保つための道路・上下水道・ごみ収集などの費用が重くなり、車を運転できない高齢者の生活も不便になります。

そこで、住まいや病院・商業・行政の機能を中心部や駅の周りに集め、公共交通でつなぐのがコンパクトシティの考え方です(国は「コンパクト・プラス・ネットワーク」と呼んでいます)。市町村は、都市再生特別措置法に基づき、住宅や都市機能を誘導する区域を定める立地適正化計画を作ることができます。強制的に移住させる政策ではなく、時間をかけて誘導する点がポイントです。

取り違えやすい組合せはどれ?

意味が近い用語や、動きの向きが逆の用語は、選択肢で入れ替えられやすいところです。次の表で「見分けるポイント」を確認しましょう。

取り違えやすい用語の組合せ
用語A用語B見分けるポイント
ドーナツ化現象都心回帰ドーナツ化は都心から郊外へ、都心回帰は郊外から都心へ。人の動きが逆
ドーナツ化現象インナーシティ問題ドーナツ化は人口分布の変化、インナーシティは都心周辺の既成市街地が衰える問題
スプロール現象コンパクトシティスプロールは無秩序な拡大、コンパクトシティはそれをまとめ直す政策
IターンJターンIは縁のない土地へ、Jは出身地の近くの都市へ
関係人口交流人口・定住人口交流人口は観光などで訪れる人、定住人口は住んでいる人。関係人口はその中間で継続的に関わる人

U・I・Jは、アルファベットの形を人の動きに見立てると覚えやすくなります。Uは行って同じ場所に戻る形、Iは一直線に進む形、Jは戻るけれど少し手前で止まる形です。自治体の経験者採用ではUIJターン希望者を歓迎する募集もあり、面接での伝え方はUIJターンで役所に転職するにまとめています。

地域用語の問題を解く手順

用語の問題は、定義を丸暗記していなくても、何を問う用語なのかを分類すれば選択肢を絞れます。

  1. 用語を「人口の動き(ドーナツ化・都心回帰・U・I・J)」「地域の状態(限界集落・インナーシティ・スプロール)」「政策・関わり方(コンパクトシティ・関係人口・二地域居住)」に分ける
  2. 人口の動きなら、どこからどこへ移るかを矢印で書き、向きが合っているかを確かめる
  3. 数字が出たら、限界集落は65歳以上・半数以上の組合せかを確認する
  4. 政策の選択肢で「強制」「義務」などの強い言葉があれば、誘導型の政策と合っているかを疑う

関係人口と二地域居住が注目される理由は?

人口減少が続く中で、すべての地域が移住者(定住人口)を大きく増やすのは簡単ではありません。一方、観光で一度訪れるだけの交流人口では、地域の担い手にはなりにくい面があります。その間にあるのが関係人口です。ふるさと納税で同じ町を毎年応援する人、週末に農作業を手伝う人、地域の企業の仕事を副業で請け負う人などが当てはまります。

二地域居住は、都市と地方の両方に生活の拠点を持つ暮らし方です。2024年11月1日に施行された改正広域的地域活性化基盤整備法で、二地域居住を進める市町村の計画などの仕組みが整えられました。2025年6月13日に閣議決定された地方創生2.0基本構想でも、関係人口の拡大や二地域居住の推進が取り上げられています。

練習問題1:用語の説明で正しいのは?

地域に関する用語の説明として最も妥当なものはどれか。

1. Jターンとは、都市出身者が縁のない地方に移り住むことをいう。 2. ドーナツ化現象とは、郊外の人口が減り、都心の居住人口が増える現象をいう。 3. 関係人口とは、地域に移住して住民票を移し、そこで暮らす人々をいう。 4. 限界集落とは、一般に65歳以上の人が住民の半数以上を占める集落をいう。

正解は4。

選択肢ごとの判定
選択肢判定理由
1誤りIターンの説明。Jターンは出身地に近い地方都市へ移ること
2誤り向きが逆。ドーナツ化は都心が減り郊外が増える現象
3誤り定住人口の説明。関係人口は移住せずに継続的に関わる人
4正しい限界集落の一般的な説明どおり

練習問題2:まちづくりの記述の正誤は?

次の記述ア・イの正誤の組合せとして正しいものはどれか。

ア コンパクトシティは、住民を中心部へ強制的に移住させることを基本とする政策である。

イ スプロール現象とは、郊外で市街地が無秩序に広がる現象をいう。

1. ア正・イ正 2. ア正・イ誤 3. ア誤・イ正 4. ア誤・イ誤

正解は3。

選択肢ごとの判定
選択肢判定理由
1 ア正・イ正誤りアは誤り。立地適正化計画などで時間をかけて誘導する
2 ア正・イ誤誤りアとイの正誤が逆
3 ア誤・イ正正しいアは「強制」が誤り、イは定義どおり
4 ア誤・イ誤誤りイを誤りとする根拠がない

時短のコツ:人口の動きを問う選択肢は、余白に「都心→郊外」のように矢印を1本書いてから読むと、向きを逆にした誤りをすぐ見抜けます。

つまずいたときは何を確認する?

つまずき → 確認する操作
つまずき確認する操作
U・I・Jが混ざる出発地・都市・行き先の3点を矢印で書き、形がU・I・Jのどれかを見る
限界集落の数字を忘れる高齢化率と同じ65歳、割合は半数以上、と2点で確認する
人口の動きの向きを逆にする都心と郊外のどちらが減るかを矢印で書き出す
関係人口と交流人口を混同する「継続して関わるか」「一度きりか」で分ける

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Q & A

よくある質問

Q.限界集落の定義は法律で決まっていますか?

法律上の定義ではなく、研究者が提唱した言葉です。一般に65歳以上が住民の半数以上を占める集落を指します。

Q.IターンとJターンの違いは何ですか?

Iターンは縁のない地方へ移ること、Jターンは出身地に近い地方都市へ移ることです。

Q.関係人口と交流人口はどう違いますか?

交流人口は観光などで訪れる人、関係人口はその地域と継続的に関わる人です。関わりの深さと継続性が違います。

Q.コンパクトシティは住民を強制的に移住させるのですか?

いいえ。立地適正化計画などで、住宅や施設を中心部に時間をかけて誘導する考え方です。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む