KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 平均=合計÷個数ですが、資料の問題では合計を出さずに判定できることがほとんどです。
- 仮平均(見当をつけたきりのよい数)からの過不足を足し、合計が+なら本当の平均は仮平均より上、−なら下です。
- 人数や件数が違うグループの平均は、人数をかけて足してから割る加重平均で出します。単純に平均の平均をとると誤ります。
- 平均と中央値(真ん中の値)は別物です。平均より上の項目が半分とは限りません。
この記事の目次
平均と比べる問題では何を聞かれる?
資料分析の平均の問題は、「平均を上回る項目はいくつあるか」「全体の平均は何点か」「基準値を超えるのはどれか」のように、平均そのものより、平均との大小関係を問う形が中心です。
6項目の数値を全部足して6で割る方法でも解けますが、時間がかかり、足し算のミスも起きやすくなります。仮平均を使えば、小さな数の足し算だけで判定できます。
| 用語 | 意味 | 例(30, 44, 46, 48, 52, 80) |
|---|---|---|
| 平均 | 合計÷個数 | 300÷6=50 |
| 仮平均 | 計算を楽にするために仮に置く基準 | 50と置く |
| 過不足 | 各値−仮平均 | −20, −6, −4, −2, +2, +30(合計0) |
| 中央値 | 小さい順に並べた真ん中の値 | 46と48の間で47 |
仮平均で平均を判定する手順
- 数値をざっと見て、真ん中あたりのきりのよい数を仮平均に決める。
- 各項目の値から仮平均を引いた過不足(+・−)を書き込む。
- 過不足を合計する。
- 本当の平均=仮平均+過不足の合計÷個数。合計が0なら仮平均がそのまま平均。
- 「平均を上回る項目の数」は、本当の平均と各値を比べて数える。
- 平均に近い値(差が1〜2程度)の項目だけ、慎重に大小を確かめる。
過不足の合計が+2で項目が6つなら、平均は仮平均より約0.33大きいだけです。平均がどちら側にどれだけずれるかが分かれば、ほとんどの項目は見ただけで平均より上か下かが決まります。
例題1:平均を上回る港はいくつ?
例題1 次の表は、6つの港の年間水揚げ量を示したものである(架空のデータ)。6港の平均を上回る港はいくつあるか。
- (1)1つ:最大80と最小30の真ん中の55を平均と考えた場合の数です(55を上回るのはB港だけ)。極端な値が1つあると、真ん中の値は平均からずれます。
- (3)3つ:中央値の47を平均と考えた場合の数です(47を上回るのはB・D・F港)。平均と中央値は違います。
- (4)4つ:数値の並びから目分量で平均を45前後と見積もった場合の数です(45を上回るのはA・B・D・F港)。仮平均で過不足を確かめれば防げます。
| 港 | A | B | C | D | E | F |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 水揚げ量 | 46 | 80 | 44 | 52 | 30 | 48 |
| 仮平均50との過不足 | −4 | +30 | −6 | +2 | −20 | −2 |
(1)1つ (2)2つ (3)3つ (4)4つ
解き方 仮平均を50とすると、過不足の合計は−4+30−6+2−20−2=0。平均はちょうど50です。50を上回るのはB港(80)とD港(52)なので、正解は(2)2つです。
例題2:人数が違う2つのグループの平均(加重平均)
例題2 ある研修の確認テストで、A課20人の平均点は60点、B課30人の平均点は70点だった。2つの課を合わせた50人の平均点は何点か。
(1)64点 (2)65点 (3)66点 (4)70点
- (1)64点:人数を入れ替え、60×30+70×20で計算した値です(3,200÷50)。
- (2)65点:60点と70点を単純に平均した値です。人数が違うので、人数の多いB課の70点寄りになるはずです。
- (4)70点:人数の多いB課の平均をそのまま全体の平均とした値です。A課の分だけ全体の平均は下がります。
| 方法 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 合計点で | 60×20+70×30=1,200+2,100=3,300。3,300÷50 | 66点 |
| 差で(てんびんの考え方) | 差10点を人数の逆比2:3に分ける。60点側から6、70点側から4 | 60+6=66点 |
例題3:項目を1つ加えると平均はどう変わる?
例題3 例題1の6港(平均50千トン)に港Gを加えた7港の平均が55千トンになった。港Gの水揚げ量は何千トンか。
(1)60千トン (2)80千トン (3)85千トン (4)90千トン
- (1)60千トン:新しい平均55に、平均の上がり幅5だけを足した値です。6港分の不足30を補う必要があります。
- (2)80千トン:平均の上がり幅5に、Gを数えずに6港分(×6)だけかけて50に足した値です(50+5×6)。代入すると7港の合計は380で、平均は約54.3になります。
- (4)90千トン:新しい平均55に、上がり幅5の7港分(35)を足した値です。G自身の分まで数えています。
| 方法 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 合計で | 7港の合計55×7=385、6港の合計300。385−300 | 85千トン |
| 過不足で | 6港それぞれが新しい平均55に5ずつ足りない(計30)。Gは55より30多い | 55+30=85千トン |
平均と中央値・基準値の違い
例題1の選択肢のように、平均・中央値・最大と最小の真ん中は、それぞれ別の値です。資料の選択肢が「平均」「中央値」「半数以上」のどれを使っているかで、判定が変わります。
| 基準 | 値 | 上回る港の数 |
|---|---|---|
| 平均 | 50 | 2つ(B・D) |
| 中央値 | 47 | 3つ(B・D・F) |
| 最大と最小の真ん中 | 55 | 1つ(B) |
「○○を超える」のように決まった基準値と比べる問題は、平均を出す必要すらありません。基準値との差の符号(+・−)を書き込んで数えるだけです。増えたか減ったかを数える問題も同じ考え方で、前年からの増減を数える問題で練習できます。
つまずいたら、どの操作を確認する?
| つまずき | 確認する操作 |
|---|---|
| 足し算に時間がかかる | 仮平均を置き、過不足(小さな数)だけを足す |
| 平均の近くの項目で迷う | 過不足の合計÷個数で、平均が仮平均からどれだけずれるかを出す |
| グループの平均を単純に平均した | 人数(件数)をかけて合計を出してから、全体の人数で割る |
| 中央値と平均を混同する | 選択肢の「平均」「中央値」「半数」に印をつける |
| 極端な値に気づかない | 1つだけ大きい(小さい)値があれば、平均がそちらに引っぱられると考える |
1人当たりの値を比べる問題は1人当たりの値の比較、「○倍を超える」数の判定は倍率の判定で扱っています。加重平均の考え方は食塩水の濃度の問題のてんびん図と同じです。資料分析全体の手順は資料解釈のコツを参照してください。
1分で解くための時短のコツ
- 仮平均はきりのよい数に:50や100のように、引き算が暗算でできる数を選びます。外れていても過不足の合計で補正できます。
- 過不足は表の数値の横に書き込む:頭の中で足すと符号を落としやすいので、+・−をつけて書きます。
- 加重平均は「人数の多いほうに寄る」:答えがどちら寄りになるかを先に見当をつけると、単純平均の選択肢をすぐに消せます。
手順を確認したら、時間を計って解いてみましょう。登録不要の無料お試し10問では、資料分析を含む4分野の問題を解いて全問の解説を確認できます。
Q & A
よくある質問
Q.仮平均はどの数にしてもよいのですか?+
どの数でも正しい平均が出ます。ただし、実際の平均に近いきりのよい数にすると、過不足が小さくなり計算が楽になります。
Q.平均を上回る項目が1つだけになることはありますか?+
あります。例題1のように、1つだけ極端に大きい値があると平均が引き上げられ、それ以外の項目がすべて平均を下回ることもあります。
Q.3つ以上のグループの加重平均は?+
それぞれ「平均×人数」で合計点を出して足し、全体の人数で割ります。仮平均を使い、各グループの「平均−仮平均」に人数をかけて足す方法でも計算できます。
Q.グラフから平均を読み取る問題はどう解きますか?+
棒グラフなら、平均の見当をつけた位置に横線を1本引き、線より上にはみ出した部分と下に足りない部分の量が釣り合うかを見ます。これは仮平均の過不足を図で確かめる方法です。釣り合わなければ、はみ出しが多い側に平均をずらします。
Q.平均点が同じ2つのグループを合わせると?+
両方の平均が同じなら、人数に関係なく合わせた平均も同じ値になります。人数の違いが効いてくるのは、平均が異なるときだけです。
Q.BESTで平均の問題は出ますか?+
公式に問題ごとの出題テーマは公表されていないため、出るとは断定できません。対策書では、グラフの最大値や平均との比較を問う問題が資料分析で扱われているので、仮平均の使い方を身につけておく価値があります。