KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- BESTの合格点(ボーダー)は公表されていません。合格の決め方は、試験を実施する自治体がそれぞれ決めます。
- 市販の問題集などでは7〜8割を目標にすることが多いですが、公式の基準ではなく、当サイトも目標として使う推測値です。
- BEST-Aの結果はIRTスコア(全国の受験者の平均的な能力が50)で、正解数が同じでも得点が違うことがあります。「何割なら何点」とは換算できません。
- 目標は全体の割合より、分野別に何問落とせるかで立てると、勉強の優先順位が決まります。
この記事の目次
合格点(ボーダー)は公表されている?
日本人事試験研究センターは、BESTの合格点や合格ラインを公表していません。センターは問題を提供し、採点結果を自治体に渡す立場で、誰を合格にするかは各自治体が面接や論文など他の試験と合わせて決めます。
自治体の受験案内にも、筆記試験の基準点を具体的な数字で書いている例は多くありません。書かれていても「一定の基準に満たない場合は不合格」のような表現にとどまることがあります。インターネット上の「ボーダーは○割」という情報は、根拠が示されていないものも多いので、そのまま信じないようにしましょう。
「7〜8割」はどこから来た目安?
市販のBEST向け問題集などでは、目標を7〜8割に置く説明がよく見られます。根拠が公表されているわけではありませんが、次の2つの理由から、当サイトもこの範囲を目標として勧めています。
- 出題が基礎的:センターは、基礎的な内容なので特別な対策や勉強は不要と説明しています。多くの受験者が正解できる問題が中心だと考えられるため、1問の差で順位が動きやすくなります。
- 筆記の後に面接がある:社会人採用や経験者採用では、筆記で一定の点を取った後、面接や論文で評価されることが多い構成です。筆記で余裕を持っておくと、次の試験に集中できます。
ただし、倍率が低い区分では7割に届かなくても次に進めることもあれば、倍率が高い区分では8割でも足りないこともありえます。割合はあくまで準備の目標と考えてください。
IRTスコアと「何割」はどう関係する?
BEST-Aの結果は、正解数をそのまま点にするのではなく、IRT(項目反応理論)にもとづくIRTスコアで示されます。センターの説明では、IRTスコアは1題1点ではなく、正解した問題の統計的な性質によって決まるため、正解した題数が同じでも、どの問題に正解したかでスコアが異なる場合があります。全国の受験者の平均的な能力が50として表示されます。
そのため「48問正解なら何点」のような換算はできません。一方で、正解が多いほどスコアが高くなりやすいことに変わりはなく、受験者にできることは1問でも多く正解することです。仕組みはIRTスコアの記事で詳しく説明しています。
筆記の結果は合否にどう使われる?
筆記の使われ方は自治体によって違います。受験案内の「合格者の決定方法」「試験の内容」「配点」などの欄から、次のどれに近いかを読み取っておくと、準備の重点が決まります。
| 使われ方 | 受験案内での書かれ方の例 | 準備の重点 |
|---|---|---|
| 次の試験に進む人を筆記の順位で絞る | 「第1次試験の成績上位者を第2次試験の対象とする」 | 筆記の点を上げる。時間配分と社会情勢の知識 |
| 一定の基準を満たせば次に進む | 「基準に達しない場合は不合格とする」 | 基準は非公表でも、取りこぼしを減らす練習が有効 |
| 筆記と面接の点を合算する | 「各試験の結果を総合して決定する」 | 筆記の1点も最後まで効く。面接準備と並行する |
| 筆記は参考程度で面接重視 | 配点が面接に大きく置かれている | 筆記は足を引っ張らない水準に。面接準備に時間を回す |
分野別の目標点は?
全体で7〜8割を目指す場合の、分野別の目標の一例です。問題数は予想問題集などで紹介される構成(論理12・資料6・文章18・社会24)にもとづきます。
| 分野 | 問題数 | 目標(正解数) | 落としてよい数 | 考え方 |
|---|---|---|---|---|
| 社会情勢 | 24 | 18〜20 | 4〜6 | 最大の分野。知識を積めば伸びやすい |
| 文章理解 | 18 | 13〜15 | 3〜5 | 国語・英単語は暗記で、現代文・英文は読み方で安定させる |
| 論理的思考 | 12 | 8〜9 | 3〜4 | 型を知っている問題は確実に。難しい問題は飛ばす判断も |
| 資料分析 | 6 | 4〜5 | 1〜2 | 単位と概算で取りこぼしを防ぐ |
| 合計 | 60 | 43〜49 | 11〜17 | 約72〜82% |
表から分かるとおり、社会情勢で2問落とす差は、資料分析の全問の3分の1に当たります。問題数の多い分野を固めることが、全体の割合を上げる近道です。勉強の順番は職務基礎力試験の勉強法にまとめています。
初回の結果から目標をどう立てる?
目標は、最初に時間を計って解いた結果から逆算して立てます。次は、60問を通しで解いて36問正解(6割)だった人を想定した当サイトの例です。
| 分野 | 初回の正解 | 目標 | 差 | 主な原因(例) | 次にやること |
|---|---|---|---|---|---|
| 社会情勢 | 13/24 | 19 | +6 | 地方自治と時事の知識不足 | 地方自治のまとめを1周し、ドリルで確認 |
| 文章理解 | 12/18 | 14 | +2 | 敬語と英単語で迷う | 尊敬語と謙譲語の見分け方 |
| 論理的思考 | 7/12 | 8 | +1 | 順序の問題で時間切れ | 順序関係の解き方 |
| 資料分析 | 4/6 | 5 | +1 | 単位の読み違い | 表の読み取りの手順 |
この例では、伸ばす10問のうち6問を社会情勢で稼ぐ計画です。論理は1問しか上げていませんが、時間切れを減らすことで他の分野に回せる時間も増えます。最初の1回は、登録不要の無料お試し10問で分野ごとの手応えを確かめるところから始められます。
8割に届かない人が落としやすい1問とは?
7割前後で止まるときは、難問よりも「解けたはずの問題」で失点していることがあります。典型は、問われている量の取り違えです。当サイトが作った架空データの例題で確認します。
【例題】ある市の4つの図書館の年間利用者数は、2024年→2025年でA館8,000人→9,200人、B館20,000人→22,000人、C館5,000人→6,000人、D館12,000人→13,080人だった(架空データ)。増加率が最も大きいのはどれか。 1.A館 2.B館 3.C館 4.D館
| 選択肢 | 増加量 | 増加率 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 1.A館 | 1,200人 | 1,200÷8,000=15% | 誤り(C館より小さい) |
| 2.B館 | 2,000人 | 2,000÷20,000=10% | 誤り(増加量は最大だが率は小さい) |
| 3.C館 | 1,000人 | 1,000÷5,000=20% | 正解 |
| 4.D館 | 1,080人 | 1,080÷12,000=9% | 誤り(最小) |
2を選んだ人は、増加率ではなく増加量で比べています。こうした失点は知識や計算力ではなく、設問を読む手順で防げます。「何の最大か」に丸を付けてから数値を見る、という1つの習慣で拾える1問です。増加率の比べ方は増加率の求め方で練習できます。
取りこぼしを減らす3つの習慣
- 時間を計って解く:本番のペースで解いたときの正解数が、本当の実力です。時間無制限の正解数は目標設定に使いません。
- 間違えた理由を分類する:「知らなかった」「読み違えた」「時間が足りなかった」を分け、知識不足だけを暗記で補います。
- 同じ論点を別の問題で確かめる:同じ問題を何度も解いて答えを覚えても、本番の初見問題には効きにくくなります。
時間の使い方は60問60分の時間配分、難しさの正体は難易度の記事も参考にしてください。
Q & A
よくある質問
Q.6割でも合格できますか?+
合格基準は自治体ごとに決まり、倍率によっても変わるため、一概には言えません。準備の目標としては7〜8割に置くことを勧めます。
Q.自分のIRTスコアは教えてもらえますか?+
採点結果は自治体に渡されます。受験者への開示の有無や方法は自治体の定めによるので、受験案内や人事担当課で確認してください。
Q.BEST-Pの結果は点数に入りますか?+
BEST-Pは正解のない性格検査で、センターは面接の参考資料としての活用を想定しています。扱いは自治体が決めます。
Q.教養試験と同じ目標でよいですか?+
教養試験は出題範囲が広く、問題も1問あたりの時間が長い試験です。BESTは基礎的な問題を短い時間で多く解く試験なので、正答率の目標は高めに置き、そのぶん時間配分の練習に力を入れるのが現実的です。
Q.ボーダーの情報を掲示板で見ました。信じてよいですか?+
BESTの合格点は公表されていないので、根拠を確かめられない情報です。自分の目標は分野別の正解数で立ててください。