KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 日本人事試験研究センターの教養試験は40題・120分または90分の5肢択一、BEST-Aは60題・1時間です。1問にかけられる時間は、BESTが教養試験の半分以下です。
- 教養試験のStandardは知識20題・知能20題で、自然科学などの一般知識も含みます。BESTは基礎的な内容で、社会情勢は社会常識・義務教育の知識とニュースが中心です。
- 文章理解・判断推理・数的推理・資料解釈・時事の勉強はBESTに流用できます。一方、自然科学などの細かい暗記の優先度は下がります。
- センター自身が、BEST-Aは教養試験に代わるものとして活用できると説明しています。
この記事の目次
教養試験とBESTは何が違う?比較表
| 項目 | 教養試験(Standard) | 教養試験(Logical) | BEST-A |
|---|---|---|---|
| 問題数・時間 | 40題・120分または90分 | 40題・120分または90分 | 60題・1時間 |
| 形式 | 五肢択一式 | 五肢択一式 | 公式例題は4択 |
| 内訳 | 知識20題・知能20題 | 知能27題・知識13題 | 論理・文章・資料・社会情勢(分野別の数は非公表) |
| 知識分野の範囲 | 時事、社会・人文、自然に関する一般知識 | 時事、社会・人文に関する一般知識(自然はなし) | 社会常識・義務教育で学んだこと・ニュースで報道された内容 |
| 対象の目安 | Ⅰは大学卒業程度以上、Ⅱは高校卒業程度以上 | 同じ | すべての方 |
| 結果の表示 | 120分版は標準点、90分版はIRTスコア | 同じ | IRTスコア |
センターの教養試験では、古文、哲学・文学・芸術等、国語(漢字の読み、ことわざ等)は出題しないとされています。時事を重視し、ICTや環境問題などの幅広い題材を扱う点は、BESTの社会情勢と共通しています。
1問にかけられる時間はどれくらい違う?
| 試験 | 問題数・時間 | 1問あたりの平均 |
|---|---|---|
| 教養試験(120分版) | 40題・120分 | 180秒 |
| 教養試験(90分版) | 40題・90分 | 135秒 |
| BEST-A | 60題・60分 | 60秒 |
教養試験の勉強をしてきた人がBESTで一番戸惑うのは、この時間の差です。教養試験では1問に2〜3分使える判断推理も、BESTでは90秒程度に収める必要があります。そのかわりBESTの問題文は短く、基礎的な内容が中心です。「じっくり考える」から「素早く判断する」へ、解き方の感覚を切り替える練習が欠かせません。目安として、教養試験で2分かかっていた問題を、同じ手順のまま90秒以内で解けるかを試してみてください。
流用できる勉強・優先度が下がる勉強は?
| 教養試験の勉強 | BESTへの流用 | 理由 |
|---|---|---|
| 判断推理・数的推理 | 流用できる | BESTの論理的思考(順序・対応・集合・割合など)と重なる。時間を短くする練習を追加 |
| 資料解釈 | 流用できる | 構成比・増加率・指数の読み方は同じ。BESTの資料は比較的シンプル |
| 文章理解(現代文・英文) | 流用できる | BESTは文章が短いので、より速く読む練習を |
| 時事 | 流用できる | BESTの社会情勢の中心の1つ。最新の情報に更新する |
| 社会科学(政治・経済・法律) | 一部流用できる | 地方自治・憲法・金融などの基本は役立つ。細かい学説や判例の暗記は優先度が下がる |
| 自然科学・人文科学の細かい暗記 | 優先度が下がる | BESTは義務教育レベルの基礎知識が中心とされる |
逆に、教養試験の勉強で手薄になりがちなのが、敬語・漢字の読み・慣用句などの国語の知識です。センターの教養試験では国語(漢字の読み、ことわざ等)は出題しないとされていますが、BEST向けの市販教材では国語の問題も扱われています。BESTを受けるなら、国語の基本は別に確認しておきましょう(文章理解のまとめ)。
共通する力を独自例題で確認
教養試験の数的推理で学んだ解き方が、BESTでも時間内に使えるかを確かめます。当サイトが作った例題です。目標は60秒です。
【例題1】ある仕事を、Aが1人ですると12日、Bが1人ですると6日かかる。2人で一緒にすると何日で終わるか。 1.4日 2.6日 3.9日 4.18日
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1.4日 | 正解 | 仕事全体を12とすると、Aは1日1、Bは1日2。2人で1日3なので12÷3=4日 |
| 2.6日 | 誤り | 速いBだけの日数。2人で協力すればそれより早く終わる |
| 3.9日 | 誤り | 12日と6日の平均をとった誤り。仕事の速さは日数の平均では求められない |
| 4.18日 | 誤り | 12日と6日を足した誤り。協力すると日数は短くなる |
仕事全体を日数の最小公倍数(ここでは12)と置くと、分数を使わずに解けて速くなります。教養試験で同じ型を学んだ人なら、BESTでは式を書く量を減らして暗算に近づけるのが目標です。詳しくは仕事算の解き方へ。
BESTで追加したい準備を独自例題で確認
BEST向けの市販教材では、英語の説明文に合う英単語を選ぶ形式もよく扱われます。教養試験の英文読解とは違い、語彙そのものを問う問題です。当サイトの例題で確かめます。
【例題2】次の説明に最も合う語はどれか。 a public place where people can borrow books and read them 1.bookstore 2.library 3.museum 4.publisher
| 選択肢 | 意味 | 判定と理由 |
|---|---|---|
| 1.bookstore | 書店 | 誤り。本を買う場所で、借りる(borrow)場所ではない |
| 2.library | 図書館 | 正解。公共の場所で、本を借りたり読んだりできる |
| 3.museum | 博物館・美術館 | 誤り。展示品を見る場所で、本を借りる場所ではない |
| 4.publisher | 出版社 | 誤り。本を作って発行する会社で、public place(公共の場所)ではない |
説明文の中の限定語(public place、borrow)に印を付けると、似た語の中から1つに絞れます。行政や公共施設の英単語は公務員試験に出る英単語一覧でまとめて確認できます。
受験案内で教養試験かBESTかを見分けるには?
自治体によっては、BESTを「教養試験」の欄に書くことがあります。たとえば鹿児島県姶良市は、令和8年度の採用試験で教養試験として「職務基礎能力試験(BEST-A)」を採用すると案内していました。科目名だけで判断せず、次の点を確かめてください。
- 問題数と時間:40題で90分・120分なら教養試験、60題(60問)・60分ならBEST-Aの可能性が高い
- 括弧書きの名称:「BEST」「BEST-A」「職務能力試験」の表記があるか
- 択一の形式:五肢択一と書かれていれば教養試験の可能性が高い
- 分からないとき:人事担当課に、筆記試験の種類と問題数・時間を問い合わせる
表記の例は受験案内でBESTかどうか見分ける方法で詳しく紹介しています。
教養試験とBESTを併願するコツは?
- 共通部分を土台にする:判断推理・数的推理・資料解釈・文章理解・時事は、どちらの試験にも効きます。
- BESTの時間感覚を別に作る:週に1回は60題・60分の形式で解き、1問60秒のペースを体に入れます。
- BEST用に国語・英単語を足す:敬語・漢字の読み・慣用句・英単語を、スキマ時間で少しずつ。
- 直前は試験日が近いほうに寄せる:教養試験が先なら知識分野の仕上げ、BESTが先なら時間配分の確認を優先します。
BESTの形式に触れるには、登録不要の無料お試し10問で4分野を10分で解いてみるのが手軽です。時間配分の決め方は60問60分の時間配分、社会人採用で教養試験が課される場合の考え方は社会人採用で教養試験が課されるときにまとめています。
Q & A
よくある質問
Q.BESTは教養試験より易しいですか?+
センターはBEST-Aを基礎的な内容の試験と位置づけ、特別な対策や勉強は不要としています。ただし1問にかけられる時間は短いので、易しさと時間の厳しさの両方を考えて準備してください。
Q.教養試験の問題集はBESTに使えますか?+
判断推理・数的推理・資料解釈・文章理解・時事の練習には使えます。ただし時間の感覚と、国語・英単語などの知識は、BESTの形式で別に確認してください。
Q.自治体が教養試験からBESTに変えるのはなぜですか?+
センターは、BEST-Aは教養試験に代わるものとして活用でき、公務員試験の勉強をしていない民間企業併願者や社会人も受けやすいと説明しています。変更の理由は自治体ごとに違います。
Q.教養試験の90分版とBESTは同じ採点方法ですか?+
センターのQ&Aでは、教養試験のStandard・Logicalの90分版とBEST-Aの結果はどちらもIRTスコアで表示されるとされています。