KEY TAKEAWAYS

この記事でわかること

  • BEST-Aは60題・1時間で、論理・文章・資料に加えて社会情勢の知識問題が出ます。SPI3の能力検査は言語・非言語が中心で、知識問題の範囲は狭めです。
  • 割合・推論などの数的な問題と、文章の読み取りはどちらにも使える力です。SPIの勉強はBESTの論理・資料・現代文に役立ちます。
  • 地方行政・時事などの社会情勢はBEST専用の準備が必要です。60題中の比重も大きいとされます。
  • 併願するなら、共通部分を先に固め、試験日が近いほうの専用部分と形式に寄せていくのが効率的です。
この記事の目次
  1. 01BESTとSPIは何が違う?比較表
  2. 02共通して使える力は?
  3. 03共通問題の例:割合を掛け合わせる
  4. 04BESTにしかない準備は?社会情勢の例
  5. 05SPIにしかない形式は?
  6. 06併願するときの勉強の順番は?
  7. 07よくある質問
  8. 08出典・参考

BESTとSPIは何が違う?比較表

各提供元の公式ページ(2026年9月27日確認)をもとに当サイトが整理。SPI3の時間は料金表に示された実施方法別の所要時間です
項目職務基礎力試験(BEST-A)SPI3(大卒・中途向けの基礎能力)
提供元日本人事試験研究センター(公的部門向け)リクルートマネジメントソリューションズ(企業・団体向け)
時間60題・1時間性格検査と合わせてテストセンターで65分、ペーパーで110分。基礎能力のみならWEBで35分、ペーパーで70分
分野論理的思考・文章理解・資料分析・社会情勢言語・非言語が中心。英語や構造的把握力を加える場合もある
知識問題社会情勢(地方行政・時事など)が出る語彙などを除き、知識を問う範囲は狭い
性格検査BEST-P(150項目・20分)性格検査を組み合わせる
実施方式マークシート・テストセンターテストセンター・WEBテスティング・インハウスCBT・ペーパーテスティング
結果IRTスコア(全国平均の能力が50)提供元の方式で報告

大きな違いは、BESTには社会情勢の知識問題があることと、60題を1時間で解くペースです。SPIの経験がある人ほど、この2点に準備を集中させると効率が上がります。

市役所の筆記試験にSPI3を使う自治体もあり、BESTとSPI3を選べる自治体もあります。たとえば埼玉県ふじみ野市の令和8年度の採用試験では、第2次試験の筆記を教養試験・SPI3・専門試験・職務基礎力試験(BEST)から選べる区分がありました(職種・区分によって異なる。ふじみ野市の記事)。

共通して使える力は?

BESTの論理的思考・資料分析・文章理解と、SPIの非言語・言語は、使う頭の働きが重なっています。SPIの問題集で練習した割合の計算や推論、長文の読み取りは、BESTでもそのまま生きます。民間企業の転職活動でSPIを受けたことがある社会人は、その経験が土台になります。

当サイトの整理
BESTの分野SPIで近い分野共通する操作BESTで気をつけること
論理的思考非言語(推論・割合・損益・速さなど)条件を図や表に整理する。割合を掛け合わせる1問の時間がSPIより短く感じやすい。90秒を目安に
資料分析非言語(表の読み取り)単位を確認し、必要な数値だけ計算する構成比と実数、増加率と増加量の取り違えに注意
文章理解(現代文)言語(長文読解)本文に書かれていることと、書かれていないことを分けるBESTは短い文章が多い。選択肢の言い過ぎを見抜く
文章理解(国語・英語)言語(語彙)・英語語の意味を正確に知っているBESTは敬語・漢字の読み・慣用句・英単語なども出る

共通問題の例:割合を掛け合わせる

SPIでもBESTでも使える操作の例として、当サイトが作った例題を解いてみます。

【例題1】ある商品に原価の3割の利益を見込んで定価をつけたが、売れなかったので定価の2割引で売った。このときの利益は原価の何%か。 1.4% 2.10% 3.24% 4.利益は出ず、損失になる

正解は1
選択肢判定理由
1.4%正解原価を1とすると定価は1.3、売値は1.3×0.8=1.04。利益は0.04で原価の4%
2.10%誤り30%−20%と割合をそのまま引いた誤り。2割引は定価に対する割合で、原価に対する割合ではない
3.24%誤り0.3×0.8=0.24と、利益の割合だけに0.8を掛けた誤り
4.損失誤り売値1.04は原価1より高いので、わずかだが利益が出ている

時短のコツは、原価を1(または100)と置いて、割合を順に掛けることです。割合の足し引きで済ませたくなったら、何に対する割合かを確かめます。同じ型は割合と損益算で練習できます。SPIでもBESTでも、この操作を30秒ほどで終えられれば、残りの時間を他の問題に回せます。

BESTにしかない準備は?社会情勢の例

SPIの勉強だけでは足りないのが社会情勢です。センターは、公的部門の職員として必要な基礎知識(社会常識や義務教育で学んだことなど)と、ニュース等で報道された内容が出題されると説明しています。自治体の採用試験なので、地方自治の制度は特に押さえておきたい範囲です。当サイトの例題で確かめます。

【例題2】次の文の空欄ア・イに入る語の組合せとして正しいものはどれか。「地方公共団体は、議会の議決を経て(ア)を制定する。また、長は、その権限に属する事務に関し(イ)を制定することができる。」 1.ア条例・イ規則 2.ア規則・イ条例 3.ア条例・イ要綱 4.ア政令・イ規則

正解は1
選択肢判定理由
1.ア条例・イ規則正解条例の制定・改廃は議会の議決事件(地方自治法96条)。長は権限に属する事務に関し規則を制定できる(同法15条)
2.ア規則・イ条例誤り条例と規則を入れ替えた取り違え
3.ア条例・イ要綱誤り要綱は事務を進めるための内部の基準で、長が法的に制定する規則とは別のもの
4.ア政令・イ規則誤り政令は内閣が定める国の命令で、地方公共団体の議会が定めるものではない

こうした知識は、SPIの問題集にはほとんど出てきません。一方で、覚えていれば数十秒で答えられるので、BESTでは時間を生み出す分野にもなります。条例と規則の違いは条例と規則の違い、社会情勢全体の範囲は社会情勢はどこまで勉強するかで確認してください。

SPIにしかない形式は?

  • WEBテスティング:自宅などのパソコンで受ける方式。BESTはマークシートとテストセンターの2方式です。
  • 画面ならではの回答形式:SPIの提供元は、パソコンで受ける場合は手元で計算して画面で答えを選ぶ、次の画面に進むと前の画面に戻れないなど、独特の形式があると説明しています。BESTのテストセンター方式の画面仕様は当日の説明で確認します。
  • 構造的把握力・英語:企業の選択によって追加されます。BESTでは英語は文章理解の中に含まれます。

SPIの提供元は、事前の対策による得点の伸びは「慣れ」程度だとしつつ、出題形式を知ることやパソコンでの受検に慣れておくことは大切だと説明しています。BESTでも同じで、形式に慣れておくことが実力を出す近道です。

併願するときの勉強の順番は?

  1. 共通部分を先に固める:割合・推論・表の読み取り・長文読解。SPIでもBESTでも得点源になります。
  2. BESTの社会情勢を始める:地方自治の制度と最近の時事から。毎日少しずつ積み上げる分野です。
  3. 試験日が近いほうの形式に寄せる:SPIが先なら画面で解く練習、BESTが先なら60題・60分の通し練習を増やします。
  4. BEST直前は時間配分と社会情勢の見直し:60問60分の時間配分を確認します。

BESTの形式に触れるには、登録不要の無料お試し10問で4分野を一通り解いてみるのが手軽です。併願の日程の組み方は社会人採用の併願スケジュール、SCOAとの比較はSCOAとの違いにまとめています。

Q & A

よくある質問

Q.SPIの問題集だけでBESTに対応できますか?

論理・資料・現代文には役立ちますが、社会情勢(地方行政・時事など)と国語の知識問題はカバーできません。BEST向けの準備を別に加えてください。

Q.SPIとBEST、どちらが難しいですか?

問われる力が違うので一概には言えません。BESTは基礎的な問題を短い時間で多く解く試験で、知識問題も含みます。

Q.公務員試験でSPIを使う自治体はありますか?

あります。筆記をSPI3で行う自治体や、BEST・SPI3・教養試験から選べる自治体もあります。受験案内で確認してください。

Q.BESTとSPIを選べるなら、どちらを選ぶべきですか?

SPIの勉強を済ませていて社会情勢に自信がなければSPI、時事や地方自治に関心があり60題・60分のペースに慣れているならBEST、というように、今までの準備と得意分野で選ぶのが現実的です。どちらを選んでも、選んだ試験の形式で時間を計って練習してください。

Q.性格検査はどちらも同じように答えればよいですか?

正直に一貫して答えるという基本は同じです。BEST-Pは150項目・20分なので、ペースを知っておいてください(BEST-Pの答え方)。

出典・参考

読了、おつかれさまでした。ほかの対策ガイドを読む