KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- SCOA-A(基礎能力)は言語・数理・論理・常識・英語の5尺度で、回答時間は45〜60分。BEST-Aは論理・文章・資料・社会情勢の4分野を60題・1時間で解きます。
- どちらも知識問題を含みますが、SCOAは「常識」「英語」を学力として測り、BESTは地方行政や時事などの社会情勢を問う点に特徴があります。
- 数的な処理、文章の読み取り、英語は両方に効く準備です。受験案内でどちらの試験かを確かめ、専用部分を後から足しましょう。
- SCOAの問題数は提供元の公式ページで確認できなかったため、この記事では時間で比較しています。
この記事の目次
SCOAとBESTは何が違う?比較表
| 項目 | SCOA-A(基礎能力) | BEST-A(職務能力試験) |
|---|---|---|
| 提供元 | 日本経営協会総合研究所(NOMA総研) | 日本人事試験研究センター |
| 測る力 | 言語・数理・論理・常識・英語の5尺度。知能と学力の両方 | 論理的思考・文章理解・資料分析・社会情勢の理解 |
| 時間 | 回答時間45〜60分 | 60題・1時間 |
| 知識問題の性格 | 「常識」「英語」を学力検査的な内容として測る | 社会常識・義務教育で学んだこと・ニュースで報道された内容 |
| 実施方式 | マークシート方式、テストセンター方式(会場またはオンライン監督のOLTC) | マークシート方式、テストセンター方式 |
| 組み合わせる検査 | パーソナリティ(SCOA-B)、事務能力(SCOA-C)など | 職務適応性検査(BEST-P・150項目・20分) |
SCOAはもともと企業の採用や登用試験でも使われる総合適性検査で、自治体・公的団体向けの案内も用意されています。BESTは自治体をはじめとする公的部門向けに開発された試験です。同じ「公務員試験の筆記」でも、出発点が違うことを押さえておくと、知識問題の出方の違いが理解しやすくなります。
知識問題の出方はどう違う?
SCOA-Aの提供元は、「言語」「数理」は知能検査的な内容と学力検査的な内容の両方を含み、「論理」は主に知能検査的な内容、「常識」「英語」は学力検査的な内容だと説明しています。常識は、学校で学んだ知識の幅広さを確かめる性格の尺度と考えられます。
BEST-Aの社会情勢について、日本人事試験研究センターは、公的部門の職員として必要な基礎知識(社会常識や義務教育の中で学んだことなど)と、ニュース等で報道された内容が出題されると説明しています。公式例題でも、地方自治の制度、国際情勢、高齢化の統計が扱われています。自治体の仕事と結びつく知識と、最近のニュースに寄っているのがBESTの特徴です。
| 準備したい知識 | SCOAでの重み(当サイトの見立て) | BESTでの重み(当サイトの見立て) |
|---|---|---|
| 地方自治の制度(首長・議員の選挙、財源、直接請求など) | 常識の一部として出る可能性 | 選挙で選ばれる職や財源は公式例題にも出ており、優先度が高い |
| 最近の時事(統計・国際・技術) | 常識の一部として出る可能性 | ニュースで報道された内容として出る |
| 学校で習う理科・歴史・地理など | 学力を測る常識で扱われやすい | 義務教育の基礎知識の範囲で出る可能性 |
| 英語 | 独立した尺度 | 文章理解の中で英単語・短い英文 |
両方に効く勉強は?独自例題で確認
数的な処理(SCOAの数理・論理、BESTの論理的思考・資料分析)は、どちらでも得点源になります。当サイトが作った例題で、共通する操作を確認します。
【例題1】ある職場の50人に聞いたところ、英語を話せる人が30人、中国語を話せる人が20人、両方を話せる人が10人だった。どちらも話せない人は何人か。 1.0人 2.10人 3.20人 4.40人
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1.0人 | 誤り | 30+20=50と足しただけで、両方話せる10人を二重に数えている |
| 2.10人 | 正解 | 少なくとも一方を話せる人は30+20−10=40人。50−40=10人 |
| 3.20人 | 誤り | 50−30=20と、英語だけを見て中国語を考えていない |
| 4.40人 | 誤り | 少なくとも一方を話せる人数で、問われている人数とは逆 |
2つの集合の問題は、「全体=A+B−両方+どちらでもない」の1本の式に当てはめるのが最速です。図で確かめたい人はベン図の問題の解き方を参照してください。
BEST向けに足したい知識は?独自例題で確認
BESTを受けるなら、地方自治の基本用語は早めに固めておきたい範囲です。当サイトの例題です。
【例題2】地方自治法上、特別地方公共団体に当たるものはどれか。 1.政令指定都市 2.中核市 3.特別区 4.町
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1.政令指定都市 | 誤り | 政令で指定された「市」なので普通地方公共団体(市町村)に含まれる |
| 2.中核市 | 誤り | これも市の一種で、普通地方公共団体 |
| 3.特別区 | 正解 | 地方自治法1条の3は、特別地方公共団体を特別区・地方公共団体の組合・財産区と定めている |
| 4.町 | 誤り | 普通地方公共団体は都道府県と市町村。町は市町村に含まれる |
「特別」という言葉から政令指定都市を選んでしまうのが典型的な誤りです。「法律上の分類」を問われたら、条文の定義どおりに当てはめます。都市の区分は政令指定都市・中核市・特別区の違い、組合の種類は一部事務組合と広域連合で整理しています。
SCOA経験者がBESTでつまずきやすい点は?
SCOAの勉強をしてきた人がBESTに切り替えるとき、つまずきやすい点と、その確かめ方をまとめます。基礎的な力は十分でも、出題の範囲と時間の感覚が違うために点を落とすケースが中心です。まずは自分がどの行に当てはまるかを、BESTの形式で一度解いて確かめてください。
| つまずき | 確認する操作 | 練習の入口 |
|---|---|---|
| 知識問題で、理科・歴史の暗記に時間をかけすぎる | BESTの社会情勢は地方行政と時事を優先する。範囲の目安を先に確認 | 社会情勢の範囲の目安 |
| 資料の問題で、計算に頼りすぎて時間が足りない | 選択肢の差を見て、概算で足りるかを先に判断する | 資料解釈のコツ |
| 国語の知識(敬語・漢字の読み)で迷う | 尊敬語か謙譲語かを、動作の主語で判定する | 尊敬語と謙譲語の見分け方 |
| 60題・1時間のペースに慣れていない | 分野ごとの目標時間を決め、通しで1回解く | 60問60分の時間配分 |
受験案内でどちらの試験か確かめるには?
- 筆記試験の欄に「SCOA」「総合適性検査」「基礎能力検査」などの表記があるか見る。
- 「職務基礎力試験(BEST)」「職務能力試験(BEST-A)」「60題(60問)・60分」の表記があるか見る。
- どちらの名前もなく「教養試験」「適性検査」だけの場合は、時間と問題数、択一式の形式を確かめる。
- それでも分からなければ、自治体の人事担当課に問い合わせる。
表記の見分け方は受験案内でBESTかどうか見分ける方法で詳しく説明しています。試験の種類は年度によって変わることがあるので、前年の情報ではなく最新の受験案内で確認してください。
SCOAとBESTを併願するときの勉強の順番は?
| 順番 | やること | 両方に効くか |
|---|---|---|
| 1 | 割合・集合・順序などの数的処理と、文章の読み取り | 両方に効く |
| 2 | 英語(英単語と短い英文) | 両方に効く |
| 3 | 地方自治の制度と最近の時事 | BESTで特に重要。SCOAの常識にも役立つ可能性 |
| 4 | 試験が近いほうの形式で時間を計った通し練習 | それぞれの形式に合わせる |
BESTの形式を確かめるには、登録不要の無料お試し10問が手軽です。SPIとの比較はSPIとの違い、教養試験との比較は教養試験との違いにまとめています。
Q & A
よくある質問
Q.SCOAの問題集はBESTの練習になりますか?+
数理・論理・言語・英語の練習には役立ちます。ただし地方行政や最近の時事はBEST向けの準備を別に加え、時間も60題・1時間の形式で練習してください。
Q.SCOAとBEST、どちらが難しいですか?+
測る内容と形式が違うため、一概には比べられません。BESTは基礎的な問題を短い時間で多く解く試験です。
Q.SCOAもテストセンターで受けられますか?+
提供元は、マークシート方式とテストセンター方式(専用会場またはオンライン監督)があると説明しています。どちらで受けるかは自治体の受験案内で確認してください。
Q.前の年はSCOAだった自治体です。今年もSCOAですか?+
筆記試験の種類は年度によって変わることがあります。前年の情報で判断せず、その年の受験案内の試験科目欄で確認してください。
Q.性格検査はどう違いますか?+
SCOAはパーソナリティ検査(SCOA-B)、BESTは職務適応性検査(BEST-P)を組み合わせます。どちらも正直に一貫して答えるのが基本です。