KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- BESTの過去問は公開されていません。日本人事試験研究センターのQ&Aでは、試験問題は委託契約で複写・転写・公表が一切できないとされています。
- 使った問題集は自治体が廃棄するかセンターに返送する決まりで、記録として手元に残すこともできません。
- 代わりに使えるのは、公式の例題10問、市販の予想問題集、本番形式のWeb問題集です。それぞれ役割が違います。
- 過去問がなくても、本番と同じ時間・同じ並びで解き、間違えた操作を別の問題で確かめれば、実戦の練習になります。
この記事の目次
BESTの過去問は公開されている?
公開されていません。BESTの問題は日本人事試験研究センターが作り、各自治体に提供しているものです。センターのQ&Aでは、使用した問題集を部外に公開してよいかという質問に対し、試験問題は委託契約において複写、転写及び公表は一切できないと答えています。
さらに、試験に使った問題集は、自治体が確実に廃棄するかセンターに返送するかを選ぶ決まりで、試験の記録として1部残すこともできないとされています。つまり、自治体のホームページや情報公開で過去問が出てくることは基本的に期待できません。
公開されている情報には何がある?
| 情報 | どこで見られるか | 使い方 |
|---|---|---|
| 公式例題(10問・正答番号つき) | センターの「職務基礎力試験(BEST)について」→例題 | 形式とレベルの確認。時間を計って解く |
| 出題内容の説明 | 同じページの「概要とご利用の目安」「開発とねらい」 | 4つの力と、社会情勢の出題範囲の考え方を知る |
| 題数・時間・実施方式 | センターの「提供科目等」 | BEST-Aは60題・1時間、BEST-Pは150項目・20分 |
| 採点方法 | センターのQ&A「試験の採点について」 | IRTスコアの仕組みを知る |
| 自分の試験の条件 | 受験する自治体の受験案内 | 日程、方式(会場かテストセンターか)、他の試験科目 |
例題の場所と、例題から分かる特徴は公式例題の使い方で詳しく説明しています。
「再現問題」「過去問」と称するものは使ってよい?
インターネット上には、受験者の記憶をもとにした「再現問題」や、BESTの「過去問」と称する問題が出回ることがあります。次の理由から、当サイトは練習の中心に使うことを勧めません。
- 正確さが確認できない:記憶による再現は、数値や選択肢が本番と違っている可能性があり、答えが1つに決まらない問題も混ざります。
- 公表が禁じられた問題である:センターと自治体の間で公表できないとされている問題を、受験者が再現・共有することには問題があります。
- 答えを覚えても実力の確認にならない:本番で問われるのは初めて見る問題を時間内に解く力です。特定の問題の答えを覚えても、その力は確かめられません。
過去問にこだわるより、同じ形式の別の問題を時間内に解けるようにするほうが確実です。BESTは基礎的な内容を短時間で解く試験なので、特定の問題を知っているかどうかより、初めて見る問題を落ち着いて処理できるかどうかで差がつきます。
代わりになる教材はどう使い分ける?
| 教材 | 長所 | 弱み | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| 公式例題 | センター公開の問題で、形式とレベルが確か | 10問のみで解説がない | 最初と直前に、時間を計って解く |
| 市販の予想問題集 | 紙で書き込みながら解ける。本番形式の模試が付くものもある | 社会情勢は出版時点の情報で止まる | 腰を据えて解く日に使う |
| 本番形式のWeb問題集 | スマホで解ける。時間計測や復習がしやすい | 紙のように書き込めない | スキマ時間の分野別練習と、通しの模試 |
| 教養試験・SPIの問題集 | 論理・資料・現代文の練習量を増やせる | 形式・時間・社会情勢の範囲がBESTと違う | 苦手な単元の補強に絞って使う |
| 前身試験(社会人基礎試験・Light)の問題集 | 形式が近い部分がある | 時事が古い。時間の感覚が違う | 論理・資料・国語の補助に限る |
教材選びの詳しい基準は参考書・問題集の選び方、前身試験との違いは社会人基礎試験・Lightとの違いにまとめています。
過去問なしで、本番形式の練習はどうする?
過去問演習の本当の目的は、本番の形式・時間・難易度に慣れることです。それは過去問でなくても、次の条件をそろえれば練習できます。
- 時間を本番と同じにする:60題なら60分、10題なら10分で区切る。
- 並びを本番に近づける:論理・資料・文章・社会が切り替わる順番で解く(紹介されている構成は出題順の記事を参照)。
- 解き直しは「初見の別問題」で確かめる:同じ問題の2回目は答えを覚えているので、実力の確認にはならない。
- 失点の理由を記録する:「知識不足」「読み違い」「時間切れ」「計算ミス」に分ける。
手始めに、登録不要で4分野の問題と解説を確認できる無料お試し10問を10分で解いてみてください。60問通しの模試と分野別ドリルが必要になったら、当サイトのフルパックで続けられます。
試験日までに、どの教材をいつ使う?
教材は、使う時期で役割を分けると無駄がありません。試験まで4週間ある場合の例です。期間が短い人は、上の行から順に削ってください。
| 時期 | 使う教材 | 目的 |
|---|---|---|
| 4週間前 | 公式例題10問(時間を計る) | 形式とレベルを知り、分野ごとの手応えを記録する |
| 3〜4週間前 | 分野別の問題(社会情勢を中心に) | 知識の穴を埋める。地方自治と時事を優先 |
| 2〜3週間前 | 論理・資料の型ごとの練習 | 条件整理と概算の手順を固める |
| 1〜2週間前 | 本番形式の通し(60題・60分)を1〜2回 | 時間配分と後半の集中力を確認する |
| 直前の数日 | 復習ノートと、社会情勢の見直し | 新しい問題より、間違えた論点の確認 |
詳しい週ごとの計画は勉強時間と1か月の計画表に載せています。
教材を選ぶ前に確かめたいことは?
- BEST向けに作られているか:60題・60分、4分野の構成を前提にしているか。教養試験やSPIの教材を流用していないか。
- 社会情勢の情報がいつ時点か:統計や時事の基準日が書かれているか。古い版ではないか。
- 解説で誤りの選択肢まで説明しているか:正解の根拠だけでなく、他の選択肢が誤りになる理由があるか。
- 本番の時間で解ける形になっているか:時間を計る仕組みや、通しで解ける模試があるか。
- 公式との関係の書き方が正確か:非公式の教材が「公式問題」「過去問」と称していないか。
復習ノートはどう書く?記録の例
過去問がない分、自分の間違いの記録が一番の教材になります。当サイトが勧める記録の書き方の例です。
| 問題 | 失点の理由 | 正しい考え方(1行) | 次に確かめる問題 |
|---|---|---|---|
| 論理:順序の推理 | 時間切れ(3分かかった) | 位置が決まる条件から先に書く | 順序関係の解き方の別問題 |
| 資料:構成比 | 読み違い(構成比の上昇=金額の増加と判断) | 全体×割合で金額に戻してから比べる | 構成比の読み方 |
| 社会:直接請求 | 知識不足(請求先を混同) | 議会の解散と議員・長の解職は選挙管理委員会、条例は長、事務監査は監査委員 | 直接請求権の一覧表 |
| 文章:内容一致 | 言い過ぎの選択肢を選んだ | 本文の範囲を超える断定は誤り | 内容一致問題のコツ |
記録は1問1行で十分です。1週間分をまとめて見返すと、同じ理由で落としている問題が見つかります。その理由に合う練習を優先してください。
Q & A
よくある質問
Q.自治体に情報公開請求をすれば過去問を見られますか?+
BESTの問題はセンターとの委託契約で公表が禁じられ、問題集も自治体に残らない扱いです。見られる可能性は低いと考えてください。
Q.北海道の職務基礎力試験の過去問はBESTの過去問ですか?+
北海道には道独自の「職務基礎力試験」という科目名があり、BESTと同じものとは確認できていません。詳しくは北海道の記事を参照してください。
Q.公式例題と同じ問題は本番に出ますか?+
例題は形式を示すためのもので、同じ問題が出るとは考えないでください。
Q.教養試験の過去問はBESTの練習になりますか?+
論理・資料・現代文の練習には一部使えます。ただし教養試験は40題を90分または120分で解く5肢択一式で、1問にかけられる時間も範囲も違います。BESTの時間感覚は、60題・60分の形式で別に練習してください。
Q.受験した人の体験談は参考になりますか?+
時間が足りなかった分野や会場の雰囲気など、感想としては参考になります。ただし問題の内容や答えの記憶は不正確なことがあり、個人の感想を出題傾向として扱うのは避けましょう。
Q.過去問がないと不利になりませんか?+
受験者全員が同じ条件です。本番形式の問題で時間配分と苦手分野の練習をしておけば、過去問がなくても十分に準備できます。